胃が“スッキリ”しない2大原因は、「自律神経の乱れ」と「胃酸分泌異常」だった!

アラフィーになって、胃の不調が増えたと感じている人が多数。年のせいだと思いがちだけれど、実は原因は加齢以外にあるみたい。兵庫医科大学副学長 三輪洋人先生が胃がスッキリしない原因について詳しく解説。
兵庫医科大学副学長 三輪洋人先生

兵庫医科大学副学長 三輪洋人先生

兵庫医科大学病院副院長・消化器内科 主任教授・診療部長・内視鏡センター長。医学博士。専門は消化器内科一般、上部消化管疾患。著書は『胃は歳をとらない』(集英社)など。

アラフィーの胃の不調は、加齢のせいではなかった!

ストレスや胃酸を増やす食生活が胃を弱らせる

胃や腸などの消化器は体で最も重要な臓器。そのため“胃は年をとらない”といわれるほど丈夫にできているので、不調が起きるのは、加齢以外に原因があると話すのが三輪洋人先生。

「胃の不調を訴える人の胃を内視鏡で調べても、異常が見つからないことのほうが多いです。これは胃そのものには異常がなくても、“働き”に問題があるためで、現在はこのタイプの患者さんが増えています。その原因のひとつが自律神経の乱れ。自律神経には、緊張時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経があり、交感神経が優位のときには胃の動きが止まります。現代人はストレスが多くて常に交感神経が優位になりがちなので胃の動きが悪くなり、不調が起きるのです」


そしてもうひとつの原因が“胃酸”。

「飲食をすると胃酸が分泌されますが、脂っこいものをとりすぎたりすると胃酸が出すぎてしまいます。これが続くと胃酸が食道や十二指腸に逆流して、胸やけやゲップや胃もたれなど、さまざまな胃の不調が起きるのです」

そのほか、ピロリ菌も胃の不調の原因に。以下でさらに詳しく解説!

これが胃が“スッキリ”しない、2大原因!

これが胃が“スッキリ”しない、2大原因!

【原因1】ストレスや疲れによる自律神経の乱れ

《仕組み》
「胃の動きをつかさどるのが自律神経。リラックスして副交感神経が優位のときは胃の働きは活発になりますが、ストレスがかかったときや、緊張・興奮時は交感神経が優位になり胃の働きは抑えられます。そのため交感神経優位の状態が続くと、胃重、胃もたれ、胃痛などさまざまな胃の不調が発生。これは『機能性ディスペプシア』と呼ばれる病気で、最近この病気の人が急増中」

《主な症状》
□胃がシクシク痛む
□胃が重く感じる
□すぐにおなかが膨れる
□胃がもたれる
□胃がムカムカする など

機能性ディスペプシアの可能性アリ!

【原因2】食べすぎや食生活による胃酸分泌異常

《仕組み》
「胃酸とは胃壁から分泌される強酸性の消化液。胃に飲食物が入ってくると胃酸が分泌され、消化されて十二指腸に送られます。ただ、脂っこいものや動物性タンパク質を食べすぎたりすると、胃酸の分泌量が増え、それによって胃の痛みや胃もたれなどが起きることも。また、増えた胃酸が食道に逆流する“逆流性食道炎”にもなりやすく、そうなると胸やけやゲップ、酸っぱいものがこみ上げるなどの症状が生じます」


《主な症状》
□ゲップがよく出る
□酸っぱいものがこみ上げる
□胸やけがする、胸が痛む
□食べ物がのどにつかえる
□吐き気がする など

逆流性食道炎の可能性アリ!

人によっては、ピロリ菌感染が原因の場合も!

《仕組み》
人により胃の不調の原因になるのがピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)。「ピロリ菌は胃に炎症を起こし、胃潰瘍や胃がんなどの原因に。乳幼児期に不衛生な水などから感染するので、衛生環境がよい時代に育った若い人ほど感染が少なく感染者の多くは60歳以上ですが、アラフィー世代にも可能性はあり。胃不調が続いた場合、感染を疑ってみて」

《主な症状》
□胃がシクシク痛む
□胃が重く感じる
□胃がもたれる など

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