精神科医の名越康文先生がアドバイスする「イライラしないための心の整え方」

「最近イライラしやすくなった」と感じるアラフィー女性が増加中。イライラしないために、5つの「心の整え方」を精神科医の名越康文先生がアドバイス。
精神科医 名越康文さん

精神科医 名越康文さん

なこし やすふみ●’60年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。専門は思春期精神医学、精神療法。臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など多方面に活躍。著書に『自分を支える心の技法』(小学館新書)など多数。

1.“自分らしい自分”を思い浮かべ、“心の基準点”をイメージできるようにする

怒りに支配されると本来の自分を見失う。それを振り払うために、目を閉じて1分間、心が軽く、明るく、満ち足りている自分=「心の基準点」をイメージ。過去の幸せだった時間を思い浮かべてもOK。ときどき思い出して基準の自分に戻るクセを。

2.“権力闘争”からは降りるほうが賢いと考える

夫婦でも親子でも同僚でも、対人関係のストレスの多くは、主導権争い。怒りの感情とともに、相手を非難して屈服させ自分の力を証明したいという心理が働いている。そんな権力闘争からさっさと降りて、同じ土俵に乗らないスマートな人を目ざす。

3.自分の“べき”と他人の“べき”は違うもの。他人の“べき”に思いをめぐらす

怒りのベースには「こうあるべき」が潜んでいて、そうじゃないときに腹が立つ。でも、一人ひとりの「べき」は違う。自分の「べき」だけが正しいと思い込むと、イライラから逃れられない。相手にとって何が「べき」かを考える余裕をもつべし。

4.怒りを書き出して自分の心のクセを知る

怒っている理由やそのときの感情を、紙に書き出す「アンガーメモ」を習慣に。頭のモヤモヤがクリアになり冷静になれるはず。慣れたら時間や場所も書き足すと、どんなときにどんなことでイライラするのか怒りのクセを自覚でき、セーブもしやすい。

5.小さな怒りをひとつずつ消していく

マグマが爆発するような激しい怒りは少ない。日常的にあるのは、心の表面にさざ波を立てるような小さな怒り。それが積み重なると疲弊し、慢性的にイライラを抱えてしまうので、小さな怒りを残さず、そのつど取り除く。解決ではなく無にする。

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