「すこやかなひとりぼっちの守り方」うすいはるか
このところ本もずいぶん断捨離したのですが
手もとに置いておきたい1冊に
久しぶりに出会いました
著者の職業は「店員さん」
書くのは自分が納得したいから、という39歳
1ページごとに読めるショートエッセイ
暮らしの中で流れていく些細なことや
誰もが知っているような気持ちが
言葉によってふんわりと
けれどきちんと形になっています
2つ選んでご紹介
(直接引用できないのをご了承ください)
17 名もなき店員
会計を終えた女性の小銭入れ
20年前の母の日にもらったのだと
話してくれた時のこと
客と店員
名前も知らない見ず知らずの間柄だけど
「この人なら、こんな他愛もないこと
聞いてくれるんじゃないかな」
そう思ってもらえた微かな嬉しさ…
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ドラマティックではないけれど
たぶんずっと心に残って
思い出すとじんわり染み入るようなこと
そういう瞬間を覚えていられる
そして言葉にできる
いい書き手だなと思います
92 かみくだく夜
クレーム対応に追われた1日
労ってくれた同僚たちが次々に
ポケットにお菓子を放り込んでくれた
最悪な日でもいいこともある
記憶をその優しさで畳んで
今日は眠ろう…
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辛い時に差し出されたじんわりとした温かさ
包むとか覆うとかではなく
「畳む」という言葉は
イヤな気持ちをできるだけ奥深くにしまえる
そんな感じを受けました
他にも
そういうことあるよね
ほんとそうだよね
うなずく言葉のオンパレード
大好きなお菓子をそっと口にする時のように
ページを繰るのが楽しみで
自分の中の優しい気持ちに気づかされる
そんな1冊です
「編めば編むほどわたしはわたしになっていった」三國万里子
この本は4年前
大好きだった本屋さんで買った1冊
当時のブログにも書きました
本業はニットデザイナーの著者
お人形の眼差し
帯には谷川俊太郎と吉本ばなな
静かにインパクト大の本は
理知的なのに繊細な文章
たゆたう想いを上手に言葉にしています
新潟での子ども時代
人形やアクセサリーなど
かわいらしいものへの愛着
自分の生きてきた道 生きる道
何度も読み返したくなる
初代「手もとに置いておきたい本」で
「すこやかなひとりぼっちの守り方」は
2代目といえるかな
なので今回は番外編として
読書の秋
心優しくなれる文章にぜひ触れてみてください