各分野の第一線で活躍する人たちに聞いた、最高の宿とは? 今回は、料理家・ウー・ウェンさんの「私の人生最高の宿」、北海道・ニセコの「坐忘林(ざぼうりん)」を紹介。
料理家・ウー・ウェンさん
坐忘林(ざぼうりん)/北海道・ニセコ
蝦夷富士と称される羊蹄山のふもと、広大な原生林に抱かれた静寂のリゾート。15室の独立した客室すべてに敷地から湧き出る源泉かけ流しの内湯と露天風呂が。春は新緑、秋は鮮やかな紅葉、冬は雪景色と、自然の移ろいがそのまま滞在の贅沢になる。料理は北海道各地から届く旬の素材を生かしたオリジナルの北懐石をご用意。日本の旅館の心を大切にしながらも、モダンで新しい感性に出会える一軒。
初夏のニセコ。羊蹄山と原生林に抱かれる非日常
ここには、ありそうでない非日常があります。冬のニセコが有名ですが、原生林が芽吹き、緑が豊かな表情を見せる初夏も格別です。夜は空気が澄み、森の闇の上に広がる満天の星を見ることができます。
都会では味わえない、静かな夏の夜です。高級宿もたくさんありますが、ここ『坐忘林』はサービスがちょうどいいあんばいで、自由自在に過ごせるところが気に入っています。
お料理もワイルドで作りすぎず、同じレストランでも、案内される席が変わったり、デザート時に場所を移動してくださったり、さりげない気遣いで、数日宿泊しても飽きることがありません。
ご近所にピザやそば、ヨーグルトなど、おいしいお店も多く、お昼はレンタカーで出かけることも。“静座して現世を忘れ、雑念を取り除く”という宿名の由来にもなった禅語のように、せわしない日常から少し立ち止まって、本来の感性を呼び覚ます場所。ぜひ2泊以上することをおすすめします。
Data
北海道虻田郡倶知安町花園76の4
☎0136・23・0003
2名1室利用(2食つき)の1泊1名¥84,000~
https://zaborin.com
うー うぇん●’63年、北京生まれ。体に優しい家庭料理を提案し、唯一無二のセンスをもつ料理家。近著『ウー・ウェンの100年スープ』(高橋書店)も好評発売中。
取材・原文/本誌編集部 ※エクラ2026年6月号掲載