大人になればなるほど、宿という存在が大切になってくる。時にはもてなしの心に癒されたり、ある時には大自然に身を置き、本来の自分に戻り、感性を研ぎすますことができたり……。忙しい日常を戦っている人ほど、そこで得られるものは大きい。各分野の第一線で活躍し、日本各地、世界の土地を知る人たちに聞いた、最高の宿とは?山荘から南国のラグジュアリーホテルまで、永久保存必須の個性豊かなアドレスをご紹介する。
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テニスプレイヤー・伊達公子さんの人生最高の宿
大天荘(だいてんそう)/長野県・安曇野
安曇野市最高峰の大天井岳頂上まで10分のところに立つ山小屋。眼前に槍ヶ岳、穂高連峰などが広がる北アルプス有数のビューポイント。ご来光も望める食堂ではインディアン・ランチ¥2,000、冷やし中華¥1,500などの昼食メニューも楽しめる。9月から営業最終日までは毎晩芋煮を提供。夕食後は食堂が「ランプの喫茶室」に。チーズケーキ、ビール、日本酒、支配人特製ホットワインなどを用意。
北アルプスの大パノラマを目の前に、究極の贅沢を味わえる私にとって特別な場所
若いころからテニスプレイヤーとして海外を転戦し、各地のホテルに滞在してきました。もちろん自分で好きな場所を選べるわけではないのですが、さまざまなホテルに泊まる機会には恵まれていたと思います。そんな経験を積むうちに、ゴージャスであるとか、星が5つあるといったこと以上に、居心地のよさや、その宿ならではのこだわりに惹かれるようになりました。年齢を重ねるにつれて、自分が求めるものも、そうした本質的な価値へと少しずつシフトしてきていると感じます。それまで旅といえば海外が中心でしたが、コロナ禍をきっかけに国内を旅するようになり、改めて日本のすばらしさを実感。登山を始めたのもそのころです。自然に抱かれたときのリフレッシュ感は何ものにも代えがたく、仕事や家事から解放されて究極のリセットができ、エネルギーも充電できる──そんな魅力に惹かれ、すっかり趣味になりました。
昨年の秋には、北アルプスの燕岳(つばくろだけ)から百名山の常念岳を目ざし、3泊4日で縦走登山へ。その途中、大天井岳(おてんしょうだけ)で出会ったのがこの山小屋です。コンパクトな規模ながら、驚くほどお料理がおいしい。朝食も、昼のカレーも、そしてケーキも格別。すべて、天気のよい日にヘリコプターで運ばれる新鮮な食材を使った、スタッフの手作りです。なかでもチーズケーキは、都会のおしゃれなカフェにひけをとらないクオリティで、早い時間に行かないと売り切れてしまうほど。小屋の中には趣(おもむき)のあるランプが灯り、空間にも心地よいこだわりが。贅沢なコーヒータイムやバータイムを楽しめるのも魅力で、大パノラマを目の前に味わうひとときは、まさに人生最高の瞬間。次はこの山小屋を目的に訪れたい──そう思えるほど、私にとって特別な場所です。
Data
長野県安曇野市穂高有明中房国有林内 大天井岳(標高2870m)
☎090・9003・1253
一般室 1泊2食つき¥16,000
’26年の営業期間は6/13~11/3
https://www.enzanso.co.jp/daitenso
だて きみこ●’70年、京都府生まれ。’17年に現役を引退後、テニス解説やジュニア育成など幅広く活躍中。
歌舞伎俳優・尾上右近さん
翠嵐(すいらん)ラグジュアリーコレクションホテル 京都/京都府・嵐山
嵐山の保津川沿いにたたずむ、全39室のスモールラグジュアリーホテル。客室の多くに温泉露天風呂がしつらえられ、渡月橋や嵐山の借景が望める。明治に"嵐山御殿" と称された川崎財閥の別荘を生かしたレストラン「京 翠嵐」での、庭園を眺めながらの朝食やディナーも人気。嵐山の四季が織りなす風景が一幅の絵のように広がり、伝統とモダンが調和する空間で過ごす時間は、唯一無二。
京都の山々を一望でき、幸せこのうえない宿
かけがえのない休暇の時間なので、宿選びで大事にしているのは、やはりゆったりできるかどうかです。京都は仕事で来ることがほとんどですが、こちらのお宿は一度泊まってみたくて貯金して泊まらせていただきました。
お食事もおいしく、お酒を含め飲食のサービスもすばらしく、温泉露天風呂好きの僕にとってはお風呂に入りながら京都の山々を一望でき、幸せこのうえなかったです。お部屋から見える景色も自然いっぱいで、景色がみるみる変わり、寝るのがもったいないほど。時間がたつのがゆっくりで、身も心も癒されました。朝早く起きて朝焼けを見たのも記憶に残っています。
そして朝ごはんも本当においしく、大満足でした。平安時代には貴族の避暑地、別荘地だった嵐山。その地にふさわしい、とてもラグジュアリーなお宿ですが、その価値がある滞在だったと思います。
Data
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町12
☎075・872・0101
1泊1室2名¥120,175~(朝食は別途)
https://www.suihotels.com/suiran-kyoto/
おのえ うこん●’92年、東京生まれ。歌舞伎人気を牽引(けんいん)する俳優のひとり。清元との両立、大河ドラマや映画出演など幅広く活躍。
俳優・望海風斗さん
インターコンチネンタル横浜Pier 8/神奈川県・横浜
みなとみらい地区の新港ふ頭に位置するラグジュアリーホテル。三方を海に囲まれた立地で、オーシャンビューを存分に味わえるシグネチャースイート(写真)をはじめ、みなとみらいビュー、ハーバービューなど部屋ごとに特色ある眺めが楽しめる。レストランやバー、ジムのほか、屋上階のルーフトップ「Rooftop 1859」では、行き交う船やベイブリッジの夜景を眺めながらゆったりくつろげる。
窓いっぱいの海を眺めて過ごす、ご褒美時間
仕事の合間やツアー公演の前後などに一泊、ホテルに泊まるのが好きで、予約サイトやインスタグラムをよくチェックしています。宝塚歌劇団でトップに就任し、忙しく過ごしていた中、自分への小さなご褒美として始めたホテルステイ。山も好きですが、どちらかというと海派で、海の近くに行ってゆっくりしたいなぁと思っていたとき、このホテルに出会いました。惹かれたポイントは、なんといっても目の前いっぱいに広がる横浜の海! 窓を全開にして、まずはお部屋でゆっくりくつろぎます。食事をするとき以外は、基本的に室内にいて持ってきた好きな本を読んだり、音楽を聞いたり。窓の外に目を移すと、いつでも海があるのがうれしい。そして、ホテルならではの温かなホスピタリティも。笑顔で迎えてくれて、親切なサービスを受けると「がんばってよかった!」「私ももっとお仕事で人にお返ししよう」と、元気がわいてくるんです。行きたいホテルのリストもたまっているし、今度はどこにしよう? そう考えるのも、大人になった今だからかなえられる贅沢ですよね。
Data
神奈川県横浜市中区新港2の14の1
☎045・307・1111
2名1室利用の1泊1名¥23,000~(サ別)
https://icyokohama-pier8.com
のぞみ ふうと●’83年、神奈川県生まれ。元宝塚歌劇団雪組トップスター。6/7より日本青年館ホールでミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』東京公演に出演。
フリーアナウンサー・山本モナさん
かよう亭/石川県・山中温泉
鶴仙渓の自然に囲まれた約1万坪の敷地に、わずか10室のみの静かな宿。数寄屋造りの客室はすべて離れに点在し、館内にはあえてテレビを置かず、川や風など自然の音と静寂を味わえる設計に。料理は加賀の旬の品を、器は土地の作家のものを使った、真心のおもてなしが味わえる。冬はカニや鴨治部煮、夏は天然鮎や加賀野菜が評判。贅沢だが、わが家に帰ったかのごとき、くつろぎを感じる一軒。
日本の伝統的なおもてなしの最高のホスピタリティ
かつて、「日本一の朝食」が食べられる宿といわれたお宿。初めて訪問したのが、もう15年余り前。最初は、結婚前の主人と、そこから、家族がひとり増え、ふたり増え、今年も家族5人でうかがったばかりです。
すばらしいのは、まずは最高のホスピタリティです。私たちが何かリクエストした際、「できません」「むずかしいです」といわれたことは一度もありません。茶道で茶会を開くとき、ホスト側が茶室を隅々まで清潔に整えて、季節の花を飾ってお迎えしますが、こちらにうかがうと、そういった日本の伝統的なおもてなしの精神を体感できるのです。
もちろん温泉のお湯も最高です。源泉かけ流しで、温度も熱すぎず、ぬるすぎず、ちょうどよく。風で揺れる葉音と、鳥の声しか聞こえてこない中、冬ならしんしんと降る雪を見ながら入る露天風呂はこのうえない幸せです。
あとは忘れてはならないのが、日本酒。近くにある松浦酒造さん(安永元年創業)にいつも訪問します。現当主・杜氏の松浦文昭さんは、真摯に酒造りに向き合っていらして、特に発泡酒「鮮」は、シャンパーニュを彷彿とさせるすばらしいお酒です。お宿のかたたちが、山中という地を愛して、山中で受け継がれている伝統、工芸品などを大切にしていることが深く感じられます。
Data
石川県加賀市山中温泉東町1のホの20
☎076・78・1410
1泊1室(2名利用時)¥133,300~
https://www.kayotei.jp
やまもと もな●’76年、東京生まれ。フリーアナウンサー。ワインエキスパートの資格をもつほどワイン好き。’25年には3度目の挑戦で司法試験に合格。
実業家・堀江貴文さん
望洋楼(ぼうようろう)/福井県・坂井
日本海を一望する断崖の上に立つ、カニの名宿。’21年に改装された7つのモダンな部屋には、ひとつとして同じデザインがなく、全室で源泉かけ流しの東尋坊三国温泉が楽しめる。カニの王様・越前ガニはもちろんのこと、県名の由来“福の井”といわれるほど水がすばらしく、全国屈指の漁場からの海の幸、宿の職人が打つそば、日本屈指の昆布など、一年を通して極上の美食がかなう。この宿を起点に、“最上の福井”を知ることができる。
シンプルな贅沢がちゃんと味わえる宿だと思う
以前から、越前ガニを思いきり食べたいと思って訪れたのが、福井県の『望洋楼』。日本海を望むロケーションで、部屋はオーシャンビュー。全室に温泉の露天風呂がついていて、荒々しい海を眺めながら湯につかれるのがとてもいい。食事は専用の個室でいただく越前ガニのフルコース。ゆでガニ、焼きガニ、カニ刺しなど、とにかくカニ尽くしで、もう十分というくらい食べられる。カニ好きにはたまらない。宿自体もリニューアルされたばかりで新しく、部屋のしつらえもシンプルで上質。接客も過剰ではなく、いい意味で放っておいてくれる感じが心地よい。日本海の荒波を眺めながら温泉に入り、おいしいカニを思う存分食べる。そういうシンプルな贅沢がちゃんと味わえる宿だと思う。
Data
福井県坂井市三国町米ケ脇4の3の38
越前加賀国定海岸公園内
☎0776・82・0067
1泊1室2名¥160,000~(税・サ別)
※4〜11月上旬(越前ガニシーズン外)の口福コースの価格
https://bouyourou.jp
ほりえ たかふみ●’72年、福岡県生まれ。実業家。IT企業を経営後、宇宙事業や飲食、メディアなど多分野で活動。一年を通じホテル暮らしを実践することでも知られる。
各分野の第一線で活躍し、日本各地、世界の土地を知る人たちはどんな宿を選んでいるのか。今回は、作家・角田光代さんが選ぶ「私の人生最高の宿」を紹介。
作家・角田光代さん
帝国ホテル 東京/東京都・日比谷
昨年、開業135周年を迎えた歴史あるホテル。館内にはフランス料理「レ セゾン」や、フランク・ロイド・ライトによる旧本館の面影を今に伝える「オールドインペリアル バー」など大人がくつろげる極上のレストランやバーがそろう。各客室からは、16haに広がる日比谷公園や、皇居、銀座界隈を望める。営業を継続しながら建て替えを始め、’36年には「帝国ホテル 東京 新本館」が完成予定。
「高級」ということへの概念が変わりました
最近のホテルはロビーやトイレをやけに暗くしたり、スタッフが機械的だったり、訪問者に「圧」を感じさせたりすることで「高級感」を出しているところが案外多いように思うのですが、帝国ホテルのホスピタリティのすばらしさを味わって、「高級」ということへの概念が変わりました。接客のときの、親身になってくれる具合や距離感が絶妙で、ホテルとはいえ、やはり人と人との関係が基軸なのだと思わせてくれました。そして、宿泊時の安心感が圧倒的。朝食も種類が豊富でおいしく、窓から日比谷公園が見えるのも気持ちがいいです。
Data
東京都千代田区内幸町1の1の1
☎03・3504・1111
2名1室利用の1泊1名¥33,900~
(写真は本館レギュラーフロア
パークビューコーナースイート¥215,500~)
https://www.imperialhotel.co.jp/tokyo
かくた みつよ●’67年、神奈川県生まれ。近著に『明日、あたらしい歌をうたう』(水鈴社)がある。
服飾史家・中野香織さん
ホテル シギラミラージュ/沖縄県・宮古島
宮古島南岸に広がる約140万坪のリゾートシティ、シギラセブンマイルズリゾートのラグジュアリーホテルブランド。高層棟の「ベイサイド」、ヴィラタイプの「プールヴィラプレミア」に加え、’24年には邸宅で暮らすような滞在をコンセプトにした「ビーチフロント」を新たに開業。「ベイサイド」(写真)には屋外にサウナを併設したプールも。レストランやエステも充実し、極上の南国リゾートを体感できる。
リゾートとして完璧。滞在そのものが物語になる
リゾートとしての完成度に申しぶんがなく、滞在そのものに満足感を得られるホテルです。明るく開放的な客室には、ランドリーやバルコニージャクジーまで備わり、長期滞在でも不自由がありません。いくつかあるプールのひとつには、外の景色を望む屋外サウナを併設。サウナで温まり、プールへと身を沈め、そのままラウンジでシャンパンをいただく──、そんな流れるような時間の使い方がごく自然にかないます。そして、この宿の記憶をいっそう豊かにしているのは、リゾートの外側に広がる宮古島の日常の風景。
この土地に息づく「宮古上布」の工房を訪ねた際、「60歳が紡いだ糸より、90歳が紡いだ糸のほうが高値で取り引きされることもある」という話を聞きました。手の感覚が変化し、糸がわずかに粗くなった結果、かえって丈夫になるのだ、と。伝統工芸の奥行きとともに、年齢を重ねることへの静かな希望を感じた瞬間でした。
洗練された巨大リゾートの非日常と、島に根づく手仕事の日常が教えてくれる秘められた価値の発見。その両方を同時に体感できることこそが、このホテルの大きな魅力だと思います。滞在そのものがひとつの物語になる場所です。
Data
沖縄県宮古島市上野新里1405の201
☎0570・550・385(宿泊予約センター)
2名1室利用の1泊1名¥44,500~
https://shigira.com/hotel/mirage/
なかの かおり● YouTubeでのスーツ解説が好評。『エレガンス入門』(ちくまプリマー新書)が5/9、『ディズニー服飾史(仮)』が今夏発売予定。
料理家・ウー・ウェンさん
坐忘林(ざぼうりん)/北海道・ニセコ
蝦夷富士と称される羊蹄山のふもと、広大な原生林に抱かれた静寂のリゾート。15室の独立した客室すべてに敷地から湧き出る源泉かけ流しの内湯と露天風呂が。春は新緑、秋は鮮やかな紅葉、冬は雪景色と、自然の移ろいがそのまま滞在の贅沢になる。料理は北海道各地から届く旬の素材を生かしたオリジナルの北懐石をご用意。日本の旅館の心を大切にしながらも、モダンで新しい感性に出会える一軒。
初夏のニセコ。羊蹄山と原生林に抱かれる非日常
ここには、ありそうでない非日常があります。冬のニセコが有名ですが、原生林が芽吹き、緑が豊かな表情を見せる初夏も格別です。夜は空気が澄み、森の闇の上に広がる満天の星を見ることができます。
都会では味わえない、静かな夏の夜です。高級宿もたくさんありますが、ここ『坐忘林』はサービスがちょうどいいあんばいで、自由自在に過ごせるところが気に入っています。
お料理もワイルドで作りすぎず、同じレストランでも、案内される席が変わったり、デザート時に場所を移動してくださったり、さりげない気遣いで、数日宿泊しても飽きることがありません。
ご近所にピザやそば、ヨーグルトなど、おいしいお店も多く、お昼はレンタカーで出かけることも。“静座して現世を忘れ、雑念を取り除く”という宿名の由来にもなった禅語のように、せわしない日常から少し立ち止まって、本来の感性を呼び覚ます場所。ぜひ2泊以上することをおすすめします。
Data
北海道虻田郡倶知安町花園76の4
☎0136・23・0003
2名1室利用(2食つき)の1泊1名¥84,000~
https://zaborin.com
うー うぇん●’63年、北京生まれ。体に優しい家庭料理を提案し、唯一無二のセンスをもつ料理家。近著『ウー・ウェンの100年スープ』(高橋書店)も好評発売中。
柴田陽子事務所 代表取締役・ 柴田陽子さん
ローズウッド宮古島/沖縄県・宮古島
”その土地ならでは”を理念に、ウルトララグジュアリートラベラーに「世界のローズウッドに泊まることが、旅の目的」と言わしめるローズウッド。’25年に日本初開業したのは、手つかずの深い自然が残る宮古島。全55棟のヴィラやハウスタイプの宿泊棟、4つのレストランバー、スパ、ビーチを望むインフィニティプールとどこを切り取っても美しい。キッズコンシャスな施設も充実。
自然、建築、サービスのすべてが美しく調和し心と感性が整っていく
私にとって「人生最高の宿」のひとつが、『ローズウッド宮古島』です。まず心を奪われるのは、人工物がほとんど視界に入らない圧倒的なロケーション。目の前に広がる自然と海の景色に包まれ、日常の喧騒からすっと解き放たれる感覚があります。空港からのアクセスがいいのに、到着するとまるで海外のプライベートリゾートに来たかのような非日常の空気が流れているのも魅力。自然、建築、サービスのすべてが美しく調和していて、ただ滞在するだけで心と感性が整っていくような場所です。忙しい日常から少し離れ、自分自身をリセットできる特別な宿だと思います。
Data
沖縄県宮古島市平良字荷川取1068の1
miyakojima.reservations@rosewoodhotels.com
1泊2名¥202,400~
rosewoodhotels.com/jp/miyakojima
しばた ようこ●’71年、神奈川県生まれ。ブランドプロデューサーとしてコンサルティング業務の一方、アパレルブランド「BORDERS at BALCONY」を設立するなど、多方面で活躍。
オルビス 代表取締役社長・山口裕絵さん
mui たびと風のうつわ/沖縄県・南城
南城市の百名という海辺の集落のはずれに’21年オープン。4棟ある宿泊棟は、1棟1棟完全なプライベート空間でありながら、一歩外に出ると、風や自然の音を感じられる開放的な雰囲気。囲炉裏のある共用空間は、ラウンジ、カフェ・バーとして開放。オプションで藤井啓シェフの出張料理(2名¥26,000~、飲み物別料金)を予約でき、沖縄の食材をふんだんに生かしたコース料理を部屋でいただける。
沖縄に移住したご夫婦が営む、心地よく癒してくれる宿
沖縄・南城に移住してきた西悠太さん・美冴さんご夫婦が営む、客室4つの小さな宿を訪れたのは2年前のこと。南城は素朴で静かな海辺から鬱蒼とした山がせり上がり、手つかずの自然があって、琉球開闢(かいびゃく)の精神的文化も漂う土地で、その雰囲気に心惹かれてのことでした。旅のメインの食事は、1泊目は出張シェフの藤井啓さんに部屋のキッチンで作ってもらい、2泊目はシェフの関根麻子さんがおひとりで切り盛りする、宿近くの「胃袋」へ──。
実はこのとき、現在の勤務先の社長就任を内示されたタイミングで、不安に押しつぶされそうになっていたのです。でも、オーナーの西さんご夫婦が荒れていた土地を整備することから宿作りを始めたという話を聞き、自分の悩みが無意味に思えました。今ではご夫婦の描いたビジョンがひしひしと伝わる宿になり、訪れたお客さまを心地よく包んで癒している様子を目(ま)の当たりにして、下に向いていた目線を水平から1.5㎜ぐらい上げることができました。
藤井シェフも関根シェフも、そのすばらしいお料理から、嘘のない仕事ぶりが伝わってくる。宿とそのまわりの皆さんが、自分がやりたいことに真摯に向き合っている姿に、感受性を揺さぶられ、勇気づけられた、忘れられない宿です。
Data
沖縄県南城市玉城字百名1201の3
☎098・943・6301
1泊朝食つき、1棟¥37,000~
(最大5名まで)
https://mui.okinawa/
やまぐち ひろえ●’76年、東京都生まれ。夏旅には、シワ改善&美白効果も期待できる「オルビス リンクルブライトUVプロテクター」を必携。
美容皮膚科医・慶田朋子さん
松籟荘(しょうらいそう)/長野県・湯田中温泉
湯田中温泉郷に江戸・寛政年間から続く湯宿「よろづや」の離れとして1939年に建築され、国の登録有形文化財に指定された「松籟荘」が’21年に焼失、’24年に全5室のスモールラグジュアリーの宿に生まれ変わった。旧松籟荘と同様に数寄屋造りの美しさを堪能できる部屋は専用露天風呂つき。よろづや本館の登録有形文化財の湯殿「桃山風呂」や「庭園露天風呂」(ともに写真)のほか、プライベートサウナ(有料)も完備。
源泉かけ流しの美肌の湯を存分に楽しめる
日ごろ、大きなストレスを受けながら、身を削って働き、忙しく暮らす身にとって、休みの日くらいは養生したい。『松籟荘』はそんな願いをかなえてくれた宿。老舗ならではの行き届いたもてなしと、日本建築の粋を極めた贅沢な空間を、新築の快適さとともに堪能できます。白木のすがすがしさに満ちた室内はとにかく広く、ダイニングを備え、食事は部屋出しという贅沢さ。5つの客室すべてに専用露天風呂がついており、源泉かけ流しの湯は絶え間なく流れ、好きなときに楽しめます。泉質は弱アルカリ性で、つるつる系の美肌の湯。さらに、本館の「桃山風呂」は登録有形文化財で、控えめにいっても、日本一ではないかと思えるほどの趣です。
大きな岩と樹木に囲まれた「庭園露天風呂」とともに、チェックイン後、まだ明るいうちに入るのがおすすめ。湯あがりにはラウンジで自由にいただける絶品の「温泉プリン」を。
転地療法という言葉があるように、まったく異なる環境に身を置くことで、心と体がゆっくりとほどけていきます。
Data
長野県下高井郡山ノ内町平穏3071の1
☎0269・33・2114
2名1室利用(2食つき)の1泊1名
¥63,000~
https://shoraiso.com/
けいだ ともこ●’74年、神奈川県生まれ。銀座ケイスキンクリニック院長。日本専門医機構認定 皮膚科専門医。医学博士。
取材・原文/大谷道子 北村美香 本誌編集部 ※エクラ2026年6月号掲載
※宿泊プラン、客室タイプ、およびサービス内容など、最新の情報は公式サイトにてご確認ください。