胃の不調、症状別の原因からピロリ菌感染の治療まで

胃の不調が増えたと感じているアラフィーが多数。実は原因は加齢以外にあるみたい。兵庫医科大学副学長 三輪洋人先生が、それぞれの胃の症状や、ピロリ菌感染が疑われる場合について詳しく解説。
兵庫医科大学副学長 三輪洋人先生

兵庫医科大学副学長 三輪洋人先生

兵庫医科大学病院副院長・消化器内科 主任教授・診療部長・内視鏡センター長。医学博士。専門は消化器内科一般、上部消化管疾患。著書は『胃は歳をとらない』(集英社)など。

感じる胃の症状は人それぞれで違うのも大きな特徴

胸やけ

胸やけ
胸のあたりが熱く焼けるような感じの症状。消化不良などで起きる。

胃が重い

胃が重い
胃の蠕動運動が鈍くなると飲食物が停滞するので重く感じやすい。

食欲がない

食欲がない
胃の上部が膨らまないと早期満腹感が現れ、食欲がなくなりやすい。

おなかが張る

おなかが張る
胃の蠕動運動が鈍く、内容物が送り出せないとおなかが張りやすい。

キリキリと痛む

キリキリと痛む
自律神経の乱れによる胃の知覚過敏が原因。胃潰瘍などでも起きる。

ゲップが多い

ゲップが多い
胃にたまったガスが口から出るのがゲップ。胃の動きの悪さが原因。

酸っぱいものがこみ上げる

酸っぱいものがこみ上げる
特に食後に起きやすい症状。こちらは逆流性食道炎でも起きやすい。

ピロリ菌感染が疑われる場合は?

胃炎、胃潰瘍、胃がんの原因になるピロリ菌は、除菌するにかぎる!
>>「胃の不調の原因」記事で紹介したように、胃の不調はピロリ菌が原因の場合も。「ピロリ菌に感染していると、ほぼ100%胃に炎症が起き、これが何年も続くと胃の粘膜が徐々に薄くなって萎縮性胃炎になり、胃酸の分泌も減ってしまいます。萎縮性胃炎は胃がんの原因にもなるので、胃の不調がある人はまずはピロリ菌に感染していないか検査をして、感染していた場合は除菌をしましょう。ただし、ピロリ菌の除菌をすると、胃酸が急に増えて逆流性食道炎になることがあるので、除菌後に胃の調子がよくなったからといって食べすぎたりしないように気をつけましょう」。(三輪先生)

どんな検査でわかるの?
ピロリ菌の検査は消化器科や内科などで可能。胃の内視鏡検査で調べられるほか、呼気をとって特殊な尿素に由来する二酸化炭素が排出されるかどうかで調べる方法や、検便で調べる方法、血液や尿、唾液を採取してピロリ菌に対する抗体が含まれているかどうかを調べる方法などで感染の有無がわかる。

治療法は?
ピロリ菌に感染していたら、抗生物質を朝晩1回ずつ、1週間飲み続けることで除菌ができる。その4〜8週間後に再びピロリ菌の検査をし、陰性であれば治療終了。除菌できなかった場合は、別の抗生物質を同様に1週間服用。2次除菌まで受けるとほとんどの場合、除菌が完了する。除菌は保険適用。

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