腰や股関節、膝の痛みや違和感が気になる人に。お尻や太ももの筋肉をボールやフォームローラーでほぐす「筋膜リリース」を、気になる部位別に紹介。自宅でできるセルフケアで、下半身をじっくりほぐして。
教えていただいたのは
Daisuke Sakai 1974年生まれ。全米アスレティックトレーナー協会公認アスレティックトレーナー(NATA-ATC)。数々のスポーツチームのサポート、10年間の船橋整形外科病院勤務を経て、現在は地域密着型のコンディショニングスタジオ「船橋オルトベース」主宰。
腰痛が気になるなら「お尻」をほぐす
臀筋(でんきん)と呼ばれるお尻の筋肉が硬くなると、腰痛を引き起こしやすくなります。ボールを使ったセルフ筋膜リリースで、腰の痛みと決別しましょう!
セルフ筋膜ケアで効果が出やすいのが腰痛
椎間板ヘルニアなどの病名をつけられた人は別として、腰痛で多いのは表層の筋肉や筋膜に痛みのある「筋・筋膜性腰痛」。
また、骨盤の後ろ側を締める仙腸関節に由来した腰痛も少なくありません。これらは筋膜リリースで劇的に改善すること請け合い。
他の痛み同様、痛い場所だけにとらわれず、関連ポイントから攻めてみて。急性期でないことを条件にぜひ続けましょう。(トレーナー酒井大輔さん)
ボール1個で臀筋4カ所をほぐす
ボールに筋肉を当て続ける、じんわりリリース。腰痛のある人が硬くなりがちな臀筋や、太ももにつながる筋肉を緩めます。たったひとつのボールと侮るなかれ! 最初は痛くても、繰り返すうちに腰まわり全体が楽になります。
●ほぐしエリア
臀筋にはリリースポイントがたくさんありますが、ここでは特に腰痛に関連のある4カ所にしぼります。ピンポイントに見えても、まわりの筋肉まで広くほぐれているので心配無用
1. 梨状筋を左右各30秒キープ
スポーツブラ¥7,900・レギンス¥10,900/KIT(ONZIE)
お尻の最深部にあるのが梨状筋。坐骨の尖った骨の上あたりに体重がかかるよう、手でしっかり支えつつ膝を立てて座ります。ボール側に少し体を傾けて、1点にじわっと圧がかかるのを感じながら、左右各30秒キープ
2. 大臀筋の上部を左右各30秒キープ
腰にいちばん近いエリア。骨盤の上側の骨に乗り上げる位置にボールを当て、ボール側に体をやや傾けてくい込ませるように体重を乗せて、左右各30秒キープ
3. 大腿筋膜張筋を左右各30秒キープ
パンツの前ポケットに当たる位置。ボール側に体を傾け、あえてくい込ませるように体重をかけて、左右各30秒キープ。最初はかなり痛い人が多いはず
4. 中臀筋を左右各30秒キープ
中臀筋は、誰でも触れることができる腰骨のすぐ後ろ。大腿筋膜張筋の近くで、これもまた痛みを感じる人が多い場所ですが、リラックスしてじわっと左右各30秒キープ。
4カ所がほぐれると、お尻から腰まわりが驚くほど軽く楽になるので、まずは何日間か続けてみて
初出:OurAge 2022/2/4
股関節・膝の違和感には「太もも」をほぐす
しゃがんだり階段の昇降時に膝が痛い、股関節やそ径部に詰まり感がある…。そんな悩みも、フォームローラーを使ったセルフ筋膜リリースで解決できるかもしれません。
膝関節と股関節は共通のリリース法でOK
関節自体に問題はなく、画像にも写らない。なのに、膝や股関節に違和感や痛みを感じている人も少なくありません。多くは筋肉硬化による痛みです。
加齢などにより関節の自然な配置が少しでもくずれると、筋肉や筋膜が引っ張られて硬くなり、痛みにつながります。膝関節と股関節は多くの筋肉を共有しているため、同じリリース法でどちらもよくなることが多いもの。
ちょっとステップが多いけれど、改善に向けてまず一度はトライしてみて!(トレーナー酒井大輔さん)
フォームローラーで太ももを前後左右ほぐす
膝と股関節、ふたつをまたぐ筋肉は数が多く、硬くなりがち。太ももの周囲をもれなくリリースすると、突然動きやすくなる人も。すべて左右均等に。
●ほぐしエリア
「太もも」とは骨盤と膝の間の部分のこと。ここを通る筋肉は、大小合わせてたくさんあります。前側、後ろ側、外側、内側ともれなくリリースできるようイメージして
●太もも後ろ側を各4往復
ブラトップ¥7,500/ルルレモン レギンス¥10,450/アイロックス(ONZIE)
ローラーに太ももの後ろ側を当て、筋肉に沿って前後に転がします。両手を後ろについて基本通りゆっくりと、2秒で5㎝程度が目安。やりにくい人は、股関節側と膝側、半分ずつやっても。左右とも各4往復
●より圧をかけるには…
ヨガマット¥7,480/アイロックス(ONZIE)
ローリングに慣れた人は、上半身を起こし、太ももに真上から体重を乗せるとさらに効果的
●太もも前側を各4往復
前側はひじと膝でしっかり支えながら転がします。痛みがある人ほどゆっくりじっくり、左右各4往復。半分に分けてやってOKです。腰を反らせず、腹筋を使いながらやるとお腹痩せにも効果的
●太もも内側を各4往復
慣れないとうまくローリングできない内もも。基本通り筋肉に沿って動かしたいので、当てる角度に気をつけて。ローラーは脚に対して直角に当て、左右各4往復。
●筋肉に沿っていないのはNG!
ローラーの当たる角度が違うと、筋肉に沿わず、きちんとリリースされないことも
●太もも外側を各4往復
ほぐす面を当てて脚を伸ばし、反対側の脚は前へ。ひじでコントロールしながら転がします。慣れるとぐんぐん速く行いがちですが、痛みが出やすい場所なので、よりゆっくりと左右各4往復
初出:OurAge 2022/2/5