東京の現代アートを国内外に発信する年に一度のAWT。今年は11月4~8日の5日間開催され、過去最多56軒の美術館やギャラリーなどが参加する。この記事では、“買える展覧会”として注目の「AWT FOCUS」をご紹介。会期中の金・土・日曜に運行する無料のシャトルバス「AWT BUS」に乗って、楽しく現代アートの世界へ!
アートを“買う”ならAWT FOCUS
Courtesy Art Week Tokyo
「買える展覧会」として始まったこのプログラムは今年、開催形式を刷新。ウィーンを拠点とするギャラリーフェスティバル「Curated by」とコラボし、都内10カ所のギャラリーおよびアートスペースがそれぞれにキュレーターを迎え、「AWT FOCUS」のセレクションコミッティーが厳選したさまざまな展覧会を開催する。
Misako & Rosen
エリカ・ヴェルズッティ《Sculptures Last Night》 2025年 Courtesy the artist and Fortes D’Aloia& Gabriel, São Paulo/Rio de Janeiro.
「エリカ・ヴェルズッティ:彫刻の肖像」監修:ジュリー・ブクブザ
パリが拠点のブクブザがキュレーションする、ブラジルの作家ヴェルズッティの個展。彫刻とドローイングの関係、制作過程におけるイメージの⽣成、彫刻の肖像性を探る。
Mujin-to Production
《⽇本国憲法展 2024》展示風景 2024年 Courtesy Mujin-to Production
「⽇本国憲法展 2026」監修:グレッグ・ドボルザーク、⼩野賢
早稲⽥⼤学の専任教授とインディペンデントキュレーターとの共同監修で、作家のオ・ハジや⾼⽥冬彦らの作品を通し、今の社会と美術の⽂脈から日本国憲法を再考する。
Waitingroom
Multiple Spirits《ダンジョンは生ける光の陰影へ》2025年「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」展示風景 2025‒26年、森美術館 Photo by Takashi Fujikawa
「逆⽴つ翼のパッチワーク」監修:Multiple Spirits(マルスピ)
キュレーターの丸⼭美佳と作家で俳優の遠藤⿇⾐によるクィアフェミニストコレクティブが、近代以前からの多様な伝達様式に見られる共有の系譜などをたどる。
Misa Shin Gallery
青柳菜摘《関係名デモンストレーション》2025年 Photo by Minji Yi.© Natsumi Aoyagi, courtesy The WilloW, Seoul.
「青柳菜摘:有り得べき⾔葉、有り得べき世界」監修:シン・ジェミン
ソウルでクリエイティブスペースを主宰するインディペンデントキュレーターが、気鋭のマルチメディアアーティストで、詩⼈でもある⻘柳菜摘の個展をキュレーション。
Space Un
ジュリアンノックス《What Colours Can We Dream in This Night Filled with Salt?》2025年 © Levi Fanan, courtesy Fundação Bienal de São Paulo.
「ジュリアンノックス:How Much Light Must I Consume?」監修:エコウ・エシュン
シエラレオネの作家ジュリアンノックスの⽇本初個展を、イギリスのキュレーター兼ライターが構成。⼝承の伝統に着想を得た映像作品で感覚に問いかける。
Take Ninagawa
鴨治晃次《死せる自然─静かな生》2022年 Photo by Kei Okano. © Koji Kamoji, courtesy Take Ninagawa.
「鴨治晃次:Everyday Life」監修:マリア・ブレヴィンスカ/ポーランドに移住して現代美術の発展に貢献した鴨治晃次の作品を、同国ザヘンタ国⽴美術館の元キュレーターが構成。静謐な作品世界で⽇常や歴史、記憶が交差する場を提⽰する。
Yutaka Kikutake Gallery
グレゴリー・オリンピオ《Le Plancher des Vaches》2025年 © Gregory Olympio, courtesy the artist and blank projects, Cape Town.
「The Quiet」監修:アウグスト・アルビゾ
ニューヨークが拠点のアルビゾが、国内外の作家6名の作品をキュレーション。世代や地域を超えた作家たちの作品を通じ、絵画における余⽩、沈黙、抑制された表現の可能性を考察する。
XYZ collective
ソフィー・ニス《If Nature Didn’t, Warner’s Will》2012年 Courtesy Galerie Greta Meert, Brussels.
「増塩太朗、ソフィー・ニス」監修:オリヴィエ・ミニョン
⾦沢でプロジェクトスペースを主宰するミニョンが監修する、クィアの⾝体性や視線の政治学をテーマに作品制作する写真家と、⾔葉とモノの関係を彫刻で探求する作家の2⼈展。
Shibunkaku
メアリー・ウェザーフォード《Summer Sounds》2024年 Photo by Frederik Nilsen.Courtesy Shibunkaku.
「メアリー・ウェザーフォード:Komorebi」監修:ジェレミー・ストリック
ロサンゼルス現代美術館のディレクターであるストリックによる、ウェザーフォードの⽇本初個展。光や空間、記憶、場所性が交差する詩的な表現の絵画を紹介する。
SCAI The Bathhouse
土屋信子《Stay as a Wave》展示風景 2023年 Photo by Nobutada Omote. Courtesy SCAI The Bathhouse.
「⼟屋信⼦:ハートのA」監修:マーティン・クラーク
⾝近なものや廃材を組み合わせて、サイトスペシフィックな⽴体作品を⽣み出す⼟屋の個展を、ロンドンのカムデン・アート・センターのディレクターがキュレーションする。
「アートウィーク東京」開催概要
今年のバスのボディカラーはパープル!
●会期:’26年11⽉4⽇(⽔)〜8⽇(⽇)/計5⽇間
ここでの紹介プログラム以外に、コレクター向けガイドツアーやTOKYOHOUSE TOUR、AWT EATS、アート教育つき託児サービスおよびキッズ・ユース向けワークショップなども。「アートウィーク東京」は無料だが、一部展覧会やプログラムは事前予約やチケット購入が必要。プログラムやバス運行ルートなどの詳細はwww.artweektokyo.comをチェック。
取材・文/大輪俊江(あをぐみ) ※エクラ2026年12月号掲載