“買える展覧会”AWT FOCUSとは? 2026年の「アートウィーク東京」の楽しみ方

東京の現代アートを国内外に発信する年に一度のAWT。今年は11月4~8日の5日間開催され、過去最多56軒の美術館やギャラリーなどが参加する。この記事では、“買える展覧会”として注目の「AWT FOCUS」をご紹介。会期中の金・土・日曜に運行する無料のシャトルバス「AWT BUS」に乗って、楽しく現代アートの世界へ!

アートを“買う”ならAWT FOCUS

美術館のような場所で、女性が絵画の展示を鑑賞している。左には緑と黄色の抽象画、右には蝶の絵画が立てかけられている。女性は茶色のコートと青色のスカーフを着用し、黒いバッグを持っている。背景には窓から緑豊かな景色が見える。

Courtesy Art Week Tokyo

「買える展覧会」として始まったこのプログラムは今年、開催形式を刷新。ウィーンを拠点とするギャラリーフェスティバル「Curated by」とコラボし、都内10カ所のギャラリーおよびアートスペースがそれぞれにキュレーターを迎え、「AWT FOCUS」のセレクションコミッティーが厳選したさまざまな展覧会を開催する。

Misako & Rosen

大理石の壁と床に、様々な素材の彫刻が置かれている。左には球体、中央には棒状のものが垂れ下がり、右には黒と白の抽象的な彫刻がある。

エリカ・ヴェルズッティ《Sculptures Last Night》 2025年 Courtesy the artist and Fortes D’Aloia& Gabriel, São Paulo/Rio de Janeiro.

「エリカ・ヴェルズッティ:彫刻の肖像」監修:ジュリー・ブクブザ
パリが拠点のブクブザがキュレーションする、ブラジルの作家ヴェルズッティの個展。彫刻とドローイングの関係、制作過程におけるイメージの⽣成、彫刻の肖像性を探る。

Mujin-to Production

木造の壁と床を持つギャラリー内の展示空間。左壁にはピクセルアート風の絵画、中央には小作品が並ぶ台と展示ケース、右壁には風景画が飾られている。照明が当たる空間で、作品の配置と展示方法が確認できる。

《⽇本国憲法展 2024》展示風景 2024年 Courtesy Mujin-to Production

「⽇本国憲法展 2026」監修:グレッグ・ドボルザーク、⼩野賢
早稲⽥⼤学の専任教授とインディペンデントキュレーターとの共同監修で、作家のオ・ハジや⾼⽥冬彦らの作品を通し、今の社会と美術の⽂脈から日本国憲法を再考する。

Waitingroom

展示室の内部。左壁には大きな絵画が縦に並び、右壁には様々なサイズの作品が密集して飾られている。中央には木製の丸いテーブルが複数置かれ、カタログなどが置かれている。床は木製で、壁は淡い緑色。天井には照明が設置されている。

Multiple Spirits《ダンジョンは生ける光の陰影へ》2025年「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」展示風景 2025‒26年、森美術館 Photo by Takashi Fujikawa

「逆⽴つ翼のパッチワーク」監修:Multiple Spirits(マルスピ)
キュレーターの丸⼭美佳と作家で俳優の遠藤⿇⾐によるクィアフェミニストコレクティブが、近代以前からの多様な伝達様式に見られる共有の系譜などをたどる。

Misa Shin Gallery

レンガ造りの壁に設置された2つの映像モニター。女性の顔と花をモチーフにした映像が映し出され、中央には球形の照明が置かれている。モニター下にはカラフルなマットが敷かれ、VRヘッドセットが置かれている。窓から光が差し込んでいる。

青柳菜摘《関係名デモンストレーション》2025年 Photo by Minji Yi.© Natsumi Aoyagi, courtesy The WilloW, Seoul.

「青柳菜摘:有り得べき⾔葉、有り得べき世界」監修:シン・ジェミン
ソウルでクリエイティブスペースを主宰するインディペンデントキュレーターが、気鋭のマルチメディアアーティストで、詩⼈でもある⻘柳菜摘の個展をキュレーション。

Space Un

暗い部屋に設置されたスクリーンに映し出される白黒の映像。映像には、民族衣装を着た人々が写っている。

ジュリアンノックス《What Colours Can We Dream in This Night Filled with Salt?》2025年 © Levi Fanan, courtesy Fundação Bienal de São Paulo.

「ジュリアンノックス:How Much Light Must I Consume?」監修:エコウ・エシュン
シエラレオネの作家ジュリアンノックスの⽇本初個展を、イギリスのキュレーター兼ライターが構成。⼝承の伝統に着想を得た映像作品で感覚に問いかける。

Take Ninagawa

白い正方形の板に、金色に縁取られた円形の穴が開いている。穴の周りには、小さな白い破片が不規則に散らばっている。

鴨治晃次《死せる自然─静かな生》2022年 Photo by Kei Okano. © Koji Kamoji, courtesy Take Ninagawa.

「鴨治晃次:Everyday Life」監修:マリア・ブレヴィンスカ/ポーランドに移住して現代美術の発展に貢献した鴨治晃次の作品を、同国ザヘンタ国⽴美術館の元キュレーターが構成。静謐な作品世界で⽇常や歴史、記憶が交差する場を提⽰する。

Yutaka Kikutake Gallery

赤みを帯びた背景に、白とピンクの玉形モチーフが描かれた絵画。下部は白く、背景には暗い赤茶色と緑色がぼんやりと見える。

グレゴリー・オリンピオ《Le Plancher des Vaches》2025年 © Gregory Olympio, courtesy the artist and blank projects, Cape Town.

「The Quiet」監修:アウグスト・アルビゾ
ニューヨークが拠点のアルビゾが、国内外の作家6名の作品をキュレーション。世代や地域を超えた作家たちの作品を通じ、絵画における余⽩、沈黙、抑制された表現の可能性を考察する。

XYZ collective

緑色のニット製の袋に包まれた2つのココナッツが壁に吊るされている。袋は上部で折りたたまれ、ココナッツの先端を覆っている。

ソフィー・ニス《If Nature Didn’t, Warner’s Will》2012年 Courtesy Galerie Greta Meert, Brussels.

「増塩太朗、ソフィー・ニス」監修:オリヴィエ・ミニョン
⾦沢でプロジェクトスペースを主宰するミニョンが監修する、クィアの⾝体性や視線の政治学をテーマに作品制作する写真家と、⾔葉とモノの関係を彫刻で探求する作家の2⼈展。

Shibunkaku

抽象的な水彩画。緑、黄、赤、茶色などの色が混ざり合い、斑点や滲み模様が広がる。中央には濃い緑色の塊があり、周囲は淡い色合いでぼやけている。

メアリー・ウェザーフォード《Summer Sounds》2024年 Photo by Frederik Nilsen.Courtesy Shibunkaku.

「メアリー・ウェザーフォード:Komorebi」監修:ジェレミー・ストリック
ロサンゼルス現代美術館のディレクターであるストリックによる、ウェザーフォードの⽇本初個展。光や空間、記憶、場所性が交差する詩的な表現の絵画を紹介する。

SCAI The Bathhouse

白い布が鉄製の棒で吊るされた現代アート作品。床にはピンク色のロール状の物体や、黒い円柱、小さなオブジェが配置されている。白い壁とコンクリートの床。

土屋信子《Stay as a Wave》展示風景 2023年 Photo by Nobutada Omote. Courtesy SCAI The Bathhouse.

「⼟屋信⼦:ハートのA」監修:マーティン・クラーク
⾝近なものや廃材を組み合わせて、サイトスペシフィックな⽴体作品を⽣み出す⼟屋の個展を、ロンドンのカムデン・アート・センターのディレクターがキュレーションする。

「アートウィーク東京」開催概要

今年のバスのボディカラーはパープル!

紫色のバスの側面図。バス全体に「Art Week TOKYO」の文字が大きく書かれ、緑色の抽象的な模様が描かれている。背景には緑豊かな木々が見える。

●会期:’26年11⽉4⽇(⽔)〜8⽇(⽇)/計5⽇間
ここでの紹介プログラム以外に、コレクター向けガイドツアーやTOKYOHOUSE TOUR、AWT EATS、アート教育つき託児サービスおよびキッズ・ユース向けワークショップなども。「アートウィーク東京」は無料だが、一部展覧会やプログラムは事前予約やチケット購入が必要。プログラムやバス運行ルートなどの詳細はwww.artweektokyo.comをチェック。

取材・文/大輪俊江(あをぐみ) ※エクラ2026年12月号掲載

合わせて読みたい

アートを知る・観る・味わう。2026年の「アートウィーク東京」の楽しみ方
【鈴木京香さん×蜷川敦子さん対談:後編】アートを買うことはその作品の“番”をすること!?
【鈴木京香さん×蜷川敦子さん対談:前編】「現代アートは楽しい!」東京の最先端アートシーンを語る

ranking

what's new

pick up

recommend

feature

recommend

人気のヘルスケア記事がWebエクラにお引越し! ウェルビーエクラSTART! eclat Gourmet&Voyage eclat Maison
【50代 ニット】累計400枚売れ!C.T.plage×エクラの人気タートルニット「着回し6コーデ」 売れ筋ランキング 50代のための美コートから人気ニット、ふわもこ小物まで E by éclat 大人が華やぐ新作NEWS! 冬のリュクスな主役服