テレビや雑誌、SNSで話題の「ロンジェビティ」。聞いたことはあるけれど、実はよくわからないという人も多いのでは? ただ長生きするのではなく、心身ともに健やかに自分らしく時を重ねるという、生き方のパラダイムシフト。今知っておきたい、新しい価値観について聞いてみた。
「10年後も“健やかに動ける人”でいるためには?」
「いかに健康で長く生きるか」は現代人の命題。そんな生き方を体現している美容界のおふたりに、ロンジェビティについて聞いてみると……。
気高く、そして自分らしく生きていくのが理想
天野 今、美容の世界では「ロンジェビティ」が大きなテーマになっていますよね。どのブランドの新製品発表会に行っても、まずロンジェビティの話が出てくる。ロンジェビティの定義は、普通は「健やかに長生きすること」なんですけれど、美容の仕事をしている立場の私は、美しく長生きをする、しかも顔や肌の美しさを保つだけでなく、気高く美しく生きていくというふうにとらえています。
君島 気高く美しく、同感です! さらに私は、「自分らしく」という言葉もつけ加えられると思っています。仕事でも趣味でも、なんでもいいから自分らしく、私はこれで生きていく。自分らしく楽しめる時間をいかに長くするかという流れなのかなと。
天野 そう、前向きにね。年齢を重ねることをネガティブにとらえるんじゃなくて、明日が楽しみ、将来が楽しみと展望をもっている感じ。年齢が上がってくると、「もう先がない」と悲観的な考えに陥る人もいるけど、そうではなく、未来の楽しみをもつ意欲があるというような。
君島 そのためにはチャレンジ精神、もしくは好奇心があることが大事なのかなと思います。「なんだろう、それ。知らないけれど知りたい」みたいな。ミーハーな気持ちといってもいいんですけどね。そういう気持ちが、天野さんがおっしゃった「明日が楽しみ」という心の持ち方につながるのではと考えています。実際、私たち、化粧品の新製品発表会でいろいろなお話をうかがっていると、「もっときれいになる未来が待っている」という言葉をたくさん聞かせてもらっているじゃないですか。
天野 ホント、それって大きいですよ。気分を前向きにする方法は人によって違いますが、一番手っ取り早いのは美容だと思っています。年齢を重ねるにつれて、美容から離れてしまっている人が増えてきて、自分自身に対して楽しみをもてずにいたりしますけれど、まずスキンケアでもリップでもいいから変えてみる。その少しの行動で急に目の前が開けて、きれいに装いたくなって、次は外に出たくなったりしますから。
君島 はい、ウキウキしながらチャレンジする感じですね。
「年齢を重ねても、明日が楽しみ、将来が楽しみと展望をもてる人でいたい」
(天野佳代子さん)
「自分らしく前向きに生きるにはチャレンジ精神や好奇心があることが不可欠」
(君島十和子さん)
元気でいるためにやることは実はすごくシンプル
天野 私、40代から老いていく実感がすごくあったので、ジタバタしていましたし、美容にがんじがらめになっていました。健康に関しても、玄米だけしか食べないとか、お魚のほうがお肉よりいいとか……。でも今は肩の力が抜けて、もっと楽に考えられるようになりました。最終的にスキンケアをきちんとして、暴飲暴食をしなければいいんだと思って、それを続けていたら健康になったし、肌の調子もいいんですよ。10年、20年前はしょっちゅう風邪をひいていましたが、今はとても元気。
君島 私も40代から50代になるとき、ものすごく怖かったですね。40代の間はまだ子供のことに一生懸命だったりして、自分の老いにあまり向き合うことなく過ごしてきたけれど、50代になると確実に老化を感じるようになって、言葉にならない焦りがありました。けれども、やはりスキンケアや、食事、睡眠をきちんとする、そういう日々の些細とも思える行動が、長い目で見たとき自分を下支えしてくれていたんだ、とあとになって気づきました。60代になると、そのころと違って、今度は残されている時間が有限だということが意識されてきたんですが、有限性を感じるからこそ、自分のウイークポイントが見えてきて、「ここさえケアして押さえておけば、私は大丈夫」というふうになってきたかなと思います。
天野 スキンケアや食事と同時に睡眠はかなり意識しています。私、すごく寝られるんですよ。22時ごろにベッドに入って、翌朝7時まで寝ていたりします。
君島 私も23時台にはベッドに入ると決めていて、たとえ夜中に起きても、スマホの時計は見ない。ブルーライトを浴びたら脳が覚醒しちゃうから。
天野 元気でいるためにやるべきことは、結局シンプルなんだなと思います。
君島 最近、ロンジェビティというと、ミトコンドリアの話題がついてきますよね。ミトコンドリアは体のエネルギーを作る器官なんですけど、どんな美容施術をしたとしても、細胞に生まれ変わる力がなければ、結果は出ない。では、細胞を元気にするには……となったら、結局食べるものを食べ、運動して、睡眠をとるというところに行きつきます。
(【天野佳代子さん×君島十和子さん】ふたりが実践している、4つのロンジェビティ・アクション に続く)
あまの かよこ●’57年生まれ。その美肌ゆえ「奇跡の69歳」と称される。YouTube『天野佳代子の大人美容【歳をとるのは怖くない】』などで情報を発信。
きみじま とわこ●’66年生まれ。品格あふれる美しさはまさにアラフィーのお手本。YouTube『君島家チャンネル』も要チェック。
天野さん:ブラウス¥96,800・パンツ¥74,800/サン・フレール(セブンティ ヴェネツィア) ピアス¥286,000/ヴァンドーム青山 プルミエール 伊勢丹新宿店(ヴァンドーム青山) ネックレス¥341,000(ケンゴ クマ プラス マユ)・リング(右手)¥302,500(ヴァンドーム青山)/以上ヴァンドームヤマダ リング(左手)¥294,800/ヴァンドーム青山本店(ヴァンドーム青山)
君島さん:ブラウス¥96,800・パンツ¥74,800/サン・フレール(セブンティ ヴェネツィア) ピアス¥286,000/ヴァンドーム青山 プルミエール 伊勢丹新宿店(ヴァンドーム青山) ネックレス¥341,000(ケンゴ クマ プラス マユ)・リング(右手)¥302,500(ヴァンドーム青山)/以上ヴァンドームヤマダ リング(左手)¥294,800/ヴァンドーム青山本店(ヴァンドーム青山)
撮影/岩谷優一(vale.) ヘア&メイク/金澤美保(MAKEUPBOX/天野さん)黒田啓蔵(Iris/君島さん) スタイリスト/カドワキジュン子(impress+/天野さん)後藤仁子(君島さん) 取材・原文/入江信子 ※エクラ2026年12月号掲載