50代の睡眠不足を解消!心地よい眠りを誘う「ぐっすりヨガ」

アラフィー世代の女性に多いのが睡眠に関するトラブル。そんな悩みの改善の手助けをしてくれるのが、産婦人科医の高尾美穂先生が提案する「ぐっすりヨガ」。睡眠の重要性とぐっすりヨガの方法を高尾先生が解説!

 

教えてくださったかた
高尾美穂先生

高尾美穂先生

女性のための総合ヘルスクリニック 『イーク表参道』副院長。産婦人科専門医。医学博士。スポーツドクター。ヨガマスターとしてヨガ指導も行う。女性の体の悩みへの明解なアドバイスがテレビで反響を呼び話題に。

 
①睡眠のお悩みQ&A

ぐっすり“眠る”ことだけでも改善することはたくさんあります!

Q1.睡眠中、何度も目が覚めることがありますが、ストレスが原因でしょうか。

A.「ストレスがあるなら、まずそのストレスを減らしましょう。思い当たるストレスがないなら、トイレに行きたくて目覚めるのか、パートナーのいびきで目覚めるのかなど、原因を探ってそれを解決することです」

睡眠中、何度も目が覚めるのはストレスが原因?

Q2.不安症なところがあり、その日に心配なことがあるとクヨクヨ考えて眠れなくなります。眠れないとまたそれが不安になり、よけいに眠れないです。

A.「考えれば解決することなら意味がありますが、考えても自分でどうにもならないことなら手放しましょう。また、眠れない日が続いたら必ずドカッと眠れる日がくるので、眠れないことを不安に思いすぎないで」

眠れないことを不安に思いすぎないで

Q3.最近眠りが浅いように感じます。寝ても疲れがなかなかとれずすっきりしません。そのため、お昼過ぎにはとても眠くなります。

A.「今回ご紹介するぐっすりヨガをすると眠りが深くなり、疲れもとれやすくなるはず。それでも改善しないなら病院で睡眠薬を処方してもらうのもアリです。最近は依存性の低い睡眠薬が増えているので相談を」

眠りが浅いように感じるときは今回紹介するヨガや睡眠薬を処方してもらうのもアリ

Q4.早く寝ても、遅く寝ても明け方に必ず一度トイレに起きてしまい、その後、横になってはいますが深くは眠れません。

A.「途中でトイレに起きる人は、夜にとる水分量の見直しを。特に夜にアルコールやカフェイン、きゅうりなどの利尿作用があるものを多くとっているとトイレに起きやすいので控えめに。それだけで変わりますよ」

途中でトイレに起きる人は、夜にとる水分量の見直しを

Q5.朝方4時ぐらいにパッと目が覚めてしまい、そこから再度眠ることができません。夜寝る時間を早めることはなかなかできないので、慢性的に睡眠不足です。

A.「早く寝るのがむずかしいなら昼寝をして睡眠時間を増やしましょう。ただ、昼寝で深く眠ると夜の睡眠が阻害されるので、20分までにとどめ、遅くとも16時までに。横たわらず、座って体を斜めにして寝るのが◎」

早く寝るのがむずかしいなら昼寝をして睡眠時間を増やしましょう

Q6.閉経して2〜3年たちますが、 夜中に汗だくで目が覚める。真冬でも毛布いらず、本当に体が常に熱い。 たまに足の裏が熱くてたまらず、 布団から足を出して寝ます。

A.「寝汗は更年期症状のひとつですが、汗をかいて寝づらいため睡眠障害を招き、さらにそのせいでうつを招く場合も。寝汗はHRT(ホルモン補充療法)で改善しやすく、睡眠障害も治りやすくなります。婦人科で相談してみましょう」

寝汗は更年期症状のひとつ

 
②睡眠不足による心身の問題

睡眠不足だと体と脳が修復されず、多くのトラブルが

エクラ世代には睡眠の悩みを抱えている人が多数。このことについて、産婦人科医の高尾美穂先生にお話をうかがった。

「健康とは、食べる、動く、休むという3つの要素が正三角形になることといわれていますが、年齢を重ねるとどうしても動く量が減るので、必要な睡眠時間も減っていきます。ですから若いころより睡眠時間が短くなるのは、ある程度当然だということをまず知っておきましょう」

しかしながら、この体の変化とは別に、アラフィー女性は生活習慣から睡眠不足を招いている人が多いという問題が。

「更年期の女性は、睡眠に不満を感じている人が多いというデータがあります。特に多い問題は睡眠時間の不足です。一日の24時間は、睡眠に8時間、働くのに8時間、自分の好きなことなどほかのことをする時間が8時間と3分割されるのが理想的。ただ、忙しいエクラ世代の女性は、好きなことをする時間に介護や家事なども入ってきてこの時間が足りなくなって、睡眠時間を削る人が多いのです」

睡眠時間が不足することで心身に起こる問題は想像以上に大きいという。

「睡眠不足だと、ミスが多くなる、作業のスピードが落ちる、記憶力が下がる、正当な自己評価ができなくなる、クリエーティブな発想が生まれにくくなる、社会性が低下する、執着心が強くなるなどといったことが報告されています。睡眠には、日中に受けた体と脳のダメージを修復する役割があり、睡眠時間が足りないと正しく修復されにくくなるからです。睡眠は、ただ寝ているだけの時間だと思っている人が多いので、削ってもいいと思いがちですが、実は起きている時間をよりよくするための時間でもあるので、十分に確保するべきなのです」

睡眠不足だと昼間に眠くなるので、昼寝をする→夜眠れなくなる→寝酒をする→夜中にトイレに起きるなどといった悪循環も招きやすいとか。つまり睡眠のトラブルのベースにあるのが睡眠不足。では、理想的な睡眠時間とは?

「睡眠は実質7時間とるとよいとされているので、ベッドに入っている時間を7時間半〜8時間にするのがベスト。ただし、必要な睡眠時間には個人差があります。睡眠時間が足りているのは、日中に一瞬たりとも眠くならない状態のこと。日中にうとうとするなら睡眠不足です」
一日の1/3は「睡眠」に当てるよう強く意識!

一日の1/3は「睡眠」に当てるよう強く意識!

ぐっすりヨガは副交感神経を高め、睡眠の質を上げる

睡眠不足を解消するには、もちろん自分で寝る時間を確保する努力をすることが大前提。それに加えて取り入れたいのが、高尾先生おすすめの“ぐっすりヨガ”。

「ストレスフルな現代人は、夜になっても心身を活動モードにする交感神経が優位になっていることが多いですが、この状態だと寝つきが悪くなり、眠りも浅くなります。ぐっすりヨガは、ゆったりとした呼吸とともに体を動かすので、心身をリラックスさせる副交感神経が優位な状態に切り替わります。また、体の各パーツの筋肉にいったん力を入れてからゆるめる漸進的筋弛緩法を取り入れているので、心拍数がゆるやかに下がっていき、寝つきがよくなって、眠りが深くなり、睡眠時間も延びます。10分ほどでできるので寝る前にベッドの上などで行いましょう。毎日行うのがおすすめですが、眠れないときなどに行うだけでもOK」

下記のような高尾先生が実践している方法も取り入れて、質のよい眠りを手に入れよう。

【高尾先生実践】よい睡眠のためのナイト・ルーティン

よい睡眠のためのナイト・ルーティン

照明は暗めに。入浴などでいったん深部体温を上げて

「蛍光灯の白い光や、スマホやパソコンの発するブルーライトは覚醒作用があるので夜はなるべく避け、部屋の照明を暗めにしましょう。また、眠気は深部体温が下がるときに訪れるので、就寝の90分ほど前に入浴をしていったん体温を上げると、その後下がっていくときに眠気が訪れて寝つきがよくなります。時間がないときはシャワーや、手浴、足浴だけでもOK。温かい飲み物を飲むのも深部体温を上げるのに効果的。ただし、覚醒作用があるカフェインが入ったコーヒーや緑茶などは避け、白湯などに」

照明は暗めに。入浴などでいったん深部体温を上げて

パジャマに着替えるなどの入眠儀式で寝つきやすく

「部屋着のまま寝ずに、パジャマに着替えるのも“これから寝るよ”というスイッチが入るので◎。リラックス効果のあるアロマを漂わせたり、耳栓やアイマスクをするのも睡眠の質を高める効果があるので、いいですよ」

 
③固まっていた体をほぐす「夜礼拝」

【STEP 1】夜礼拝

固まっていた体をほぐしながら、深い呼吸を繰り返すことで副交感神経が優位な状態に誘う。
正座して両手を組んで上へ伸ばす

《1》正座して両手を組んで上へ伸ばす
正座で座り、両手を組んで息を吸いながら腕を上に伸ばし、手のひらを天井に向け、気持ちよく背すじを伸ばす。

前に手をつく

《2》前に手をつく
息を吐きながら、両腕を伸ばしたまま下ろして床(またはヨガマットやベッドなど)につけ、背中の力をゆるめて、おでこも床につける。

膝つき腕立て伏せに

《3》膝つき腕立て伏せに
息を吸いながら、体を起こし、体重を前にスライドさせて、膝つき腕立て伏せのポーズになる。

上半身とおでこを床に下ろす

《4》上半身とおでこを床に下ろす
息を吐きながら、両肘を曲げて左右のわきを締め、上半身とおでこを床に下ろす。

上体を起こし、目線は斜め上に

《5》上体を起こし、目線は斜め上に
息を吸いながら、両手の力で体を起こし、目線を斜め上に向ける。

左右交互に後ろを見る

《6》左右交互に後ろを見る
息を吐きながら、左の肩から左後ろを眺める。次に、息を吸いながら顔を正面に戻し、今度は息を吐きながら右の肩から右後ろを眺める。

おしりを引いて右と左にずらす

《7》おしりを引いて右と左にずらす
息を吸いながら顔を正面に戻したら、吐きながらおしりを後ろに引き、おしりの割れ目を右のかかとの上にのせ、体を右斜め後ろに伸ばす。息を吸いながらおしりを中心に戻したら、吐きながら左側も同様に。

左右交互に後ろを見る

《8》力を抜く
息を吸いながら、おしりを真ん中に戻し、息を吐きながら、肘を床につけて全身の力を抜く。

背中を丸めながら正座に戻る

《9》背中を丸めながら正座に戻る
息を吸いながら、腕を体のほうに引いて、背骨のひとつひとつを積み上げるように背中を丸めながらゆっくりと起こして、最後は正座に戻る。

 
④股関節まわりや脚の裏側を伸ばす「ランジ〜脚裏伸ばし」

【STEP 2】ランジ~脚裏伸ばし

股関節まわりや、脚の裏側を伸ばすポーズ。夜中に足がつって中途覚醒してしまうのを防ぐ効果も。
四つ這いから、左脚を前に出し、両手を左膝に

《1》四つ這いから、左脚を前に出し、両手を左膝に
正座から四つ這いになり、左脚を前に出して、左手の内側に左脚を置く。上体を起こして左膝の上に両手を重ねてのせる。

両手で膝を押し、両肘を伸ばす

《2》両手で膝を押し、両肘を伸ばす
息を吸いながら両肘を伸ばし、目線を上に向ける。

両手を床につき、おしりを引く

《3》両手を床につき、おしりを引く
息を吐きながら両手を床につけ、おしりを後ろに引いて下ろす。左膝は伸ばし、背中を丸め、力を抜く。息を吸いながら上体を起こし、正座に戻ったら、反対側も同様に。

反対の脚も同様に

 
⑤手や足の血流を促す「スパインツイスト」

【STEP 3】スパインツイスト

手や足の血流を促して末端からの熱放散を促すことで、深部体温を下げやすくするポーズ。
あおむけになり、両膝を抱える

《1》あおむけになり、両膝を抱える
あおむけになり、両膝を立て、息を吐きながら両膝を抱える。左右の膝を離し、胴体の外側に膝がくるようにし、さらに息を大きく吐く。

左脚を伸ばし、右膝を左に倒す

《2》左脚を伸ばし、右膝を左に倒す
左脚を伸ばし、つま先を天井に向ける。左手を右膝の外側に当て、右手は体の横に置く。息を吐きながら右膝を左に倒す。膝は床についても、つかなくてもOK。目線は軽く右に。大きく息を吐き、腰、背中の力をゆるめる。

右脚を左側に倒す

《3》右脚を左側に倒す
息を吸いながら右膝を戻し、次に右脚を真上に伸ばす。左手を右の足首の外側に当て、右脚を脚の重さで左に倒し、肩やおしり、腰の力をゆるめる。右脚は床についてもつかなくてもOK。右脚を戻し1に戻ったら一度息を大きく吸って吐く。反対側の脚も同様に。

反対の脚も同様に

手と足の指をからませて握る

《4》手と足の指をからませて握る
1のポーズから、手と足の指をからませて握る。手指の力で足指をギューッと握り、力をゆるめる。次に足指の力で手指を握り、ゆるめる。最後に手と足の指の力で握り合い、ゆるめる。手足の指をからませるのがむずかしい人は手指で足指を上からつかんで丸めてもOK。

むずかしければ…
手指で足指を上からつかんで丸めてもOK

 
⑥寝つきをよくする「リリース」

【STEP 4】リリース

筋肉にいったん力を入れてゆるめることで心拍数が徐々に下がり、寝つきがよくなり睡眠時間が延長。
あおむけになる

《1》あおむけになる
あおむけになり、手のひらを天井に向けて、軽く目を閉じる。

5秒間力を入れて、20秒間リリースを繰り返す

《2》5秒間力を入れて、20秒間リリースを繰り返す
手の指を親指〜小指まで順に曲げ、手を5秒間ギューッと握ったらゆるめて20秒キープ。同じ要領で手~肩、背中まで力を入れて5秒、ゆるめて20秒キープ。同様に手〜肩〜おしり、最後に同様に手〜肩〜おしり〜足のつま先まで力を入れてゆるめる。自分の体がだんだん沈んでいくイメージで。

 手+肩 手+肩+おしり 手+肩+おしり+足

 
⑦【動画】睡眠の質を改善!「ぐっすりヨガ」

ぐっすりヨガは以下の1〜4のステップで行って。やりにくいと感じるポーズは、できる範囲で行えばOK。痛みがある場合は無理に行わないこと。

【STEP1】夜礼拝

固まっていた体をほぐしながら、深い呼吸を繰り返すことで副交感神経が優位な状態に誘う。

【STEP2】ランジ〜足裏のばし

股関節まわりや、脚の裏側を伸ばすポーズ。夜中に足がつって中途覚醒してしまうのを防ぐ効果も。

【STEP3,4】スパインツイスト&リリース

手や足の血流を促して末端からの熱放散を促すことで、深部体温を下げやすくするスパインツイスト。最後に、寝つきがよくなり睡眠時間が延長されるリリースのポーズを取り入れて。
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