もの忘れ予防、認知症予防は可能!50歳からの人生を健脳で過ごす方法とは!?【小田ユイコ×アルツクリニック東京 院長 新井平伊先生対談#2】
もの忘れを認知症予防のきっかけとして、見て見ぬふりをせず立ち向かうことを教えていただいた#1。どうすれば認知症を予防できるのか、認知症の権威、新井平伊先生に50代から取り組むべき生活のポイントを教わりました。
新井平伊先生
アルツクリニック東京 院長。医学博士。順天堂医学部卒業。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年よりアルツクリニック東京 院長に。順天堂大学医学部名誉教授。日本老年精神医学会専門医・指導医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本認知症学会専門医・指導医。著書に『脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法』(文藝春秋)ほか。
小田ユイコ
美容ジャーナリスト。出版社に勤務後、独立。『eclat』『MAQUIA』『LEE』『BAILA』などの女性誌や、WEB媒体で美容記事を執筆。「美しさは健康から」をモットーに、女性のカラダに関する取材を長年にわたり行う。1965年生まれ。
全身が老化すれば脳も老化。病気になれば脳も病気に
小田:もの忘れが増えたり、認知症外来受診でアルツハイマー型の軽度認知障害(MCI)がわかったとき、何を心がければいいのでしょう。
新井先生:これはとても明確で、2019年にWHO(世界保健機関)が発表した「認知機能低下と認知症リスク減少の指針」に添うことです。全部で12項目あるのですが、これをひとつひとつ実践していくことで、軽度認知機能障害(MCI)と診断されても15~41%回復すると言われています。この12項目を私なりにまとめてみますと、まずは今現在、生活習慣病を抱えているなら、それをきちんと治療することです。
小田:生活習慣病といいますと、高血圧とか?
新井先生:はい、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などですね。これらの病気は、すべて血管が老化して起こる病気です。全身にくまなく酸素と栄養を運ぶ血管の若々しさは、脳の若々しさに直結。血管から脳の神経細胞に酸素をしっかり行きわたらせることができれば、脳の寿命は延びるのです。
小田:なるほど。全身の状態が脳の状態を左右していたなんて。私、最近高血圧気味なんですが、高血圧は認知症への入り口ということですね。気をつけなければ。
新井先生:次に気をつけたいのがメタボや肥満。体重は健康状態、ひいては脳の状態を知る指標と心得て。50歳でしたらBMI23くらいが適正でしょう。先ほど挙げた生活習慣病とも関連しているので、適正体重を保つことは脳の健康のバロメータなのです。
全身の健康にいいことが、もの忘れや認知症予防に
小田:ということは、食事や運動が健脳のためには欠かせないということ?
新井先生:はい、その通りです。次に気をつけるべきは、食事、運動、そして睡眠。月並みなようですが、食事は野菜、肉や魚などのタンパク質、ごはんなどの適度な糖質をバランスよく。塩分、脂っこいもの、甘いものを控えることです。
運動は週3回は、うっすら汗をかくくらいの有酸素運動を。その時デュアルタスク、いわゆる「ながら」で運動するといいですよ。運動機能と一緒に頭を使うと、脳の別々の場所を同時に働かせることができ、脳の活性化に役立ちます。たとえばウォーキングやジョギングしながら鼻歌を歌うとか。
睡眠は質が大事です。長さは6.5時間~7時間くらいがおすすめ。短すぎても、長すぎても脳にたまったアミロイドβを代謝・排出がうまくいきません。50代になると途中起きてしまう方も多いと思いますが、それほど気にしなくていいでしょう。午後や夕方眠くなってしまう人は、昼寝を30分ほど取ることをおすすめします。
認知症の特効薬は今のところナシ。お酒の飲みすぎは要注意
小田:私、お酒が大好きで、ついつい飲みすぎてしまうんですが、もの忘れと関係がありますか?
新井先生:大アリです。これはWHOの「認知機能低下と認知症リスク減少の指針」にも書かれているのですが、お酒を飲みすぎると認知症リスクは確実に上がります。かといって止めよというのは忍びないので、毎日飲まないようにし、とにかく量を減らしてください。ちなみに、タバコは当然のことながらNG。脳の健康を思うなら、止めてください。
小田:耳が痛いことばかりなのですが、結局、体にいいと言われていることは、脳の働きもよくするということなのですね。
新井先生:その通り! 脳はいきなり老化したり病気になるのではなく、まず体全体が老化したり病気になってから起こります。ですから、予防しようと思ったら全身を健康に保つことがマストなのです。
小田:脳トレやサプリメントなどは効果があるのでしょうか。
新井先生:効果がないとは申しませんが、それより重要で効果的なのは今までお話した方法です。脳トレは脳の一部ばかりを使いますし、特効薬的なサプリメントはこの世に存在しないと考えてください。ただし人とコミュニケーションを図りながら、先を予測したり作戦を練ったりする対人ゲームは脳を活性化。トランプとか、囲碁、マージャンなどがおすすめです。
小田:飲めばたまったアミロイドβが減る薬があればいいのに。
新井先生:実際にこれまでも開発されてきたのですよ。しかし副作用もあるのが現実です。そもそもアミロイドβは炎症や出血から神経細胞を守るために存在しているとの説があります。もともと正常な物質として存在したものがアルツハイマー病では少し変化して脳の中に蓄積してきてしまうのですが、これを取り除くことで進行が遅れることも分かってきました。今まさに、副作用の少ない次世代の治療薬が生まれようとしています。
小田:アルツハイマー型の認知症になってしまった場合は、どのように治療するのですか?
新井先生:認知症にかかった場合は、投薬も行います。しかしながら発症していても、生活習慣病を治していくことで、認知症の進行を遅らせることはできるんですよ。
もの忘れが気になる人、認知症を予防したい人のための「健脳カフェ」
小田:アルツクリニック東京の「健脳カフェ」ではどんな取り組みが行われているのですか?
新井先生:まさに小田さんのようにもの忘れが気になりだした方、認知症予防に興味がある方、軽度認知障害(MCI)と診断された方を始め、人との交流を希望する方やご家族にもご利用いただいています。精神医療の専門医が常駐しており、カフェ内でのプログラムや談話に参加することができます。
また、最近では「健脳」に関するオンラインセミナーもスタート。修了すると生涯健脳相談士、生涯健脳指導士の資格を取得できます。ドラッグストアや健康サービス関連事業に従事する方が対象ですが、だれでも受講できるので認知症予防を本格的に学習したい方にもおすすめです。
2回にわたってお届けしてきた「もの忘れ」のテーマ。もの忘れは、実は全身老化のサインであり、脳機能を取り戻し、認知症を予防せよ、との天からのおぼしめしだったのですね。脳の働きが健康な「健脳」は、つまり健康の証。お酒好きもほどほどに、ついお酒に合わせて塩分や脂質の多いメニューに偏りがちな食事も見直して、まずは高血圧をよくしていこうと心に決めた小田でした。ちょっぴり怖いけれど、認知症外来デビューも近日中に。新井先生はおっしゃいました。「脳の変化を見て見ぬふりをせず、豊かな人生のために迎え撃つ気持ちで」。人生100年時代、私の寿命が何歳かはわかりませんが、少なくとも生きているあいだは、脳を健康に保てるよう今からできることをやっていこうと思います。
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