糖質が多い食品といえば、パン、麺類、ごはん、フルーツ、甘いお菓子が代表格ですが、食べ方や食べる順番によっても、食後血糖値の急上昇を招くことがあるのを知っていますか?今回は「知っているようで、意外と知らない『高血糖を招く食習慣』」について、矢野先生にお聞きしました。まずはクイズにトライ!
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この習慣はOK?NG?
日ごろの何気ない食習慣や生活スタイルに、まさかの落とし穴がひそんでいます。下の4つのうち、OKなのはどれでしょうか?
1. コーヒーはいつもブラック。ケーキのお供をブラックコーヒーにすると、食後血糖値が上がる心配がない
正解はNG。
「無糖のコーヒーはほぼゼロカロリーですが、カフェインをとると交感神経が活性化して、副腎からアドレナリンというホルモンが分泌されます。実は、このアドレナリンが肝臓に働きかけ、体内で糖を作る『糖新生』を促進させます。ケーキと一緒にカフェインをとると、『体の外から取り込まれる糖』と『糖新生』がダブルパンチとなって、食後血糖値を急上昇させてしまうのです。
午後のおやつにコーヒーとスイーツを楽しむ習慣がある人は、週2回までにとどめてください。紅茶や緑茶にもカフェインが含まれているので、甘い物を食べるときには麦茶やルイボスティー、ハーブティーなど、カフェインレスの飲み物を選びましょう」(矢野先生)
2. 食べる順番はまずはタンパク質と脂質から。次に食物繊維を摂って、ごはんは最後に食べるのが望ましい
正解はOK。
以前は「野菜から先に食べる『べジタブルファースト』が血糖値の上昇を穏やかにする」と推奨されていました。でも、今では「炭水化物(糖質)を最後に食べる『カーボラスト』が食後高血糖を予防する」と注目されています。食べる順番についての考え方が進化したのです。
「近年の研究で、『炭水化物を食事の最後に食べた群は、そうでない群にくらべて、食後のインスリン分泌の変動が小さく、食後血糖値の上昇が抑えられる』ことがわかりました。
まずはタンパク質や脂質を含む主菜(肉類、魚介類、大豆や大豆食品を使ったメニュー)、次に汁物と副菜(野菜の食物繊維がとれるメニュー)、そして最後に主食(ごはんなどの炭水化物)という順番で食べると、同じ食事内容でも食後血糖値の上昇を抑えることができます。日本の懐石料理は理にかなった食べ方といえますね。
また、『咀嚼回数』を増やすと満足感が得られます。食べすぎを防ぐためにも、ゆっくりとよく噛んで食べる『スローフード』を意識しましょう」
3. 脱水を防ぐため、運動のあとや日ごろの水分補給にスポーツドリンクを飲んでいる
正解はNG。
夏の暑い時期、熱中症予防のためにスポーツドリンクで水分補給することが推奨されていました。しかし、スポーツドリンク500mlあたりには、角砂糖4~7個分の糖質が含まれているのをご存知でしょうか。
「人間の体は脱水状態になると血糖値が上昇します。体が脱水状態のときに糖質をたっぷり含んだ清涼飲料水を多量に飲むと、血糖値が急上昇してしまうのです。実は、高温の日に清涼飲料水を多飲することによって、『ペットボトル症候群』と呼ばれる急性の糖尿病を発症するケースもあるんですよ。
そもそも私たちの体の血液には、角砂糖1個から1個半くらいのブドウ糖しか含まれていません。そこに毎日のように糖質たっぷりの水を流し込んだら、高血糖になるリスクが高まってしまいます。また、『健康のために』と野菜ジュースを毎日飲むのもおすすめできません。野菜ジュース200mlあたりには、角砂糖3個分の糖質が含まれているからです。糖質の取りすぎを防ぐためにも、水分補給には水や麦茶をはじめ、カフェインレスのお茶を心がけましょう」
4. 間食にはミックスナッツやハイカカオチョコレートを食べている
正解はOK。
小腹が空いたときの間食として選びたいのは、糖質の吸収が穏やかで、食後血糖値が上がりにくいとされる低GI食品。矢野先生のおすすめは、個別包装されたミックスナッツ(一掴み25gくらい)、チーズ、スルメ、ハイカカオチョコレートです。
「ミックスナッツはカロリーが高いから太りやすいのでは?と心配する人もいますが、噛みごたえがあり、少量でも満足感が得やすいんです。また、チーズは低GI食品でありながら、食欲を抑えるタンパク質が含まれているので、夕方のおやつにもってこい。スルメは低カロリー・低GIで、なおかつ噛みごたえがあるので、手軽に満腹感を得られます。そして、ハイカカオチョコレート(カカオ70%以上)に含まれるカカオポリフェノールには、インスリン抵抗性を改善する働きがあることがわかっています。食べるときは個別包装されたチョコレート2個くらいが適量です」
食後血糖値が急上昇しやすいのはどっち?
ざるそばvsチャーシュー麺
正解はざるそば。
「そばは低カロリーで、血糖値が上がりにくい低GI食品として分類されます。そばに含まれるポリフェノールには血管を丈夫にする作用があるので、『そばのほうが健康効果があるし、血糖値が上がりにくいのでは?』と思ってしまいがちですよね。しかし、単品でざるそばを食べると糖質オンリーの摂取となり、血糖値が上がりやすくなります。
一方、チャーシュー麺にはチャーシューがトッピングされ、たんぱく質と脂質を同時に摂取できるので、ざるそばよりも血糖値の上昇が緩やかになります。麺類を食べるときには、タンパク質がトッピングされたものを選んだり、副菜の小鉢をつけたりして、糖質オンリーにならないようにすると、血糖値の急上昇を防ぐことができます」
おせんべいvsチーズケーキ
正解は「どっちもどっち」ですが、おせんべいのほうが、血糖値が急上昇しやすくなります。
「『おせんべいは甘くないので、血糖値が上がりにくい』と思っている人が多いかもしれません。でも、おせんべいの原料はほぼ米100%で、糖質のかたまり。血糖値が上がりやすいので、一度に何枚も食べるのはNGですよ。
一方、チーズケーキには糖質とともにタンパク質、脂質が含まれているので、食後血糖値が急上昇することはありません。ただ、一度上がった血糖値が下がるまでに少し時間がかかります。小さめなピースを1切食べるぶんには、おせんべいよりも血糖値が上がりにくいのですが、チーズケーキはハイカロリー。たまに食べる程度にとどめましょう」
血糖値Q&A 小さな疑問を解決!
Q. ダイエットのために朝食や昼食を抜いてしまうと、食後血糖値が上がりやすくなるの?
A. 食事を抜いて空腹時間が長くなると、次の食事の後に血糖値が急上昇しやすくなります
朝食や昼食を抜いてしまうと、次の食事までの空腹時間が長くなるために、食べすぎてしまいがち。しかも、食後血糖値が急上昇して急降下する血糖値スパイクを起こしやすくなります。ちなみに1日の最初の食事(ファーストミール)をしっかり摂ると、次の食事(セカンドミール)の後の血糖値の上昇を穏やかにすることが知られています。これは「セカンドミール効果」と呼ばれる働きです。セカンドミール効果を活用して血糖値をコントールするためにも、1日3食をできるだけ決まった時間に食べることが肝心です。
Q. 夕食の時間が遅いと、血糖値が上がりやすくなるの?
A. 夕食が夜9時以降の人は、夕方に「間食(分食)」をとることで血糖値スパイクを予防できます
昼食から夕食までの時間があく人は、夕方4~5時くらいに間食をとるのがおすすめ。その際、夕食の摂取量の一部を分けて食べる「分食」を取り入れると効果的です。例えば、夕方におにぎりやサンドイッチを食べたときには、夕食ではタンパク質が中心のメインの主菜を中心に食べて、糖質をオフします。
夕方に空腹を感じたときには、ミックスナッツ、チーズ、スルメ、ハイカカオチョコレートなど、噛みごたえのあるものや腹持ちのよい食品を少量食べるのもおすすめです。
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