【黒柳徹子×尾上右近 スペシャル対談<後編>】徹子さんの華麗なる人脈に右近さんも驚き!

人と人との深い絆こそ、真の幸せにつながる――暑い夏こそ、涼しい場所で熱く語り集まりたい。今年3月『徹子の部屋』に尾上右近さんが出演したご縁で、今回の対談が実現。スペシャル対談の前編は、お互いのおもてなし料理について語り合いました。後編では、黒柳徹子さんのファッションについてのお話も。

黒柳徹子さん 尾上右近さん

玉三郎さんがきれいで口を開けて見てました(笑)

右近 徹子さんはいつもとてもファッショナブルですけれど、お仕事では何を基準にお洋服を選んでいらっしゃいますか?

黒柳 『徹子の部屋』では、例えばゲストが男性の場合、奥さまがどういうかたか、想像しますね。それで奥さまが着ていらっしゃるようなものを着るようにしています。私があんまりびっくりするようなものを着て驚かせてしまったらいけないので。反対に津川雅彦さんのように何を着ても喜んでくださるかたのときは、突飛なお洋服を着たり。

右近 相手目線で選ばれているんですね。

黒柳徹子さん 尾上右近さん

(黒柳徹子さん)スタジオに現れると、その太陽のように明るい笑顔と素敵なドレス、そして美しいお姿に歓声が上がる。頭の先から指先まで、すべてが輝いていて、徹子さんの存在そのものが、パワースポット! 今回の集まりのドレスコード「イギリス貴族」というオーダーでセレクトされた一着で、田川啓二オートクチュールのもの。歌舞伎観劇には「一番いい服を着ていく」とのこと

黒柳 『ザ・ベストテン』のときは、いつも森英恵さんのお洋服でした。あのかたの洋服は品格があって、私なんかが着ても上品に見える。私が30代でニューヨークに留学していたとき、初めてファッションショーを見たのが森先生で、すごく素敵だなと思って。それでお友だちになったんです。留学中、私は須賀勇介さんというアメリカで一番有名なヘアドレッサーのお宅に居候していたんですけれど、彼が森先生のショーのモデルのヘアをやっていたので、その関係で先生ともお会いできました。

右近 ご縁がつながったんですね。

黒柳 須賀さんとはきょうだいのように仲がよかったんです。とても交友関係が広い人で、アンディ・ウォーホルやイサム・ノグチさんもよく遊びに来ていましたね。

右近 ビッグネームすぎる(笑)。さまざまな業界の一流のかたと親交があったんですね。そんな徹子さんから見て、いい俳優になるには何が必要だと思われますか。

黒柳 まず人をよく観察すること。意地悪な目では決して見ませんよ。「この人はどういう人なんだろう」って興味をもって見る。人間の悲しみとか喜びとか、そういうものをわかっていることが大事じゃないかと思います。

黒柳徹子さん 尾上右近さん

(尾上右近さん)18世紀の貴族のスタイルに、少しプレッピーテイストをミックス。ジョナサン・アンダーソンの世界観を、軽やかにまとって。ジャケット¥780,000・シャツ¥200,000・パンツ¥230,000・タイ¥43,000・靴¥220,000/クリスチャン ディオール(ディオール)

右近 人間を知る、ということですね。

黒柳 それからとにかくいろんなものを見る。芝居でも映画でも何でも見る。私も音楽学校時代は学校をさぼってよく映画を見ました。昔は8本立てというのがあって、朝からお弁当を2つ持っていきました(笑)。

右近 僕もできるだけ舞台は見るようにしていて、最近は美術館にもよく行きます。先日は東京都美術館でアンドリュー・ワイエス展を見てきたんですけれど、表現が豊かで、すごく素敵でした。

黒柳 ワイエス、すばらしいわね。私もニューヨークでずいぶん見ました。タッチが繊細でアメリカ一の画家だと思います。それにしても今ここでワイエスの話ができる方(かた)と会うとは思わなかったわ。

右近 徹子さんこそ、本当にいろいろなものをご覧になっていて心から尊敬します。歌舞伎もお好きでいらっしゃるんですよね。

黒柳 昔はよく見ました。二代目尾上松緑さんとか、豪快で男っぽくて素敵でしたね。梅幸さんの女形も! あと、坂東玉三郎さんも初めて見たとき、あまりにきれいで「あらぁ」と思って、口を開けて見てたくらいです(笑)。見場(みば)がよくて、うっとりするようなものがいいですね。この世にいないようなものを見たくて劇場に行くわけだから。

右近 非日常的な世界にお客さまをお連れすることが大事ということですね。

黒柳 玉三郎さんとはずいぶん仲よくしていて、よくごはんも一緒に食べにいきました。世の中のことについてあれこれ話して、すごく気が合ったんです。最近お会いしてないけれど、よろしくおっしゃって!

右近 必ずお伝えします! 歌舞伎もまた見にいらしてください。8月には僕も歌舞伎座で『牡丹燈籠』に出ていますので。

黒柳 あれ、怖いの。でも思わず笑っちゃうところもあって。ぜひ行きたいです。

右近 はい、お待ちしています!!

黒柳 徹子
黒柳 徹子
黒柳 徹子

Tetsuko Kuroyanagi●東京都生まれ。東洋音楽学校(現東京音楽大学)声楽科卒業後、’53年、NHK専属のテレビ女優第1号としてデビュー。’76年開始の『徹子の部屋』は同一司会者による最多放送回数でギネス記録をもつ。著書『窓ぎわのトットちゃん』は世界20以上の言語に翻訳され、大ベストセラーに。ユニセフ親善大使として30カ国以上を訪問している。

尾上 右近
尾上 右近
尾上 右近

Ukon Onoe●東京都生まれ。曾祖父は六世尾上菊五郎、母方の祖父は俳優 鶴田浩二。清元節宗家の家に生まれながら歌舞伎俳優に憧れ、’00年、本名の岡村研佑で初舞台。’05年、二代目尾上右近を襲名。’18年、七代目清元栄寿太夫を襲名。’26年「八月納涼歌舞伎」(歌舞伎座)で『怪談 牡丹燈籠』『百千鳥沖津白浪』に出演中。屋号は音羽屋。

撮影/下村一喜(AGENCE HIRATA) 〈徹子さん〉ヘア/松田コウイチ(MAHALO) メイク/MAHIRO スタイリスト/大野美智子 〈右近さん〉スタイリスト/祐真朋樹 ヘア/Tetsuya Yamakata for TEKOTE(SIGNO) メイク/村松朋広 取材・原文/佐藤裕美 ※エクラ2026年9月号掲載

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