50代半ばの今も健やかに美しく、話題作に次々と出演している、石田ゆり子さん。これ見よがしじゃない、けれど存在感がある。優しい、と同時に強くもある。劇場版『 TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』では、東京都知事役を演じる石田さんに、今作への思いについて聞いた。
凛としたたたずまいの奥に、優しさがある姿を
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俳優は、いろんな顔をもっている。石田ゆり子さんも今まで、さまざまな役を演じてきたけれど、東京都知事という役が、こんなにもハマるとは!
『TOKYO MER~走る救急救命室』は5年前にテレビドラマとしてスタート。この夏、シリーズ3作目の劇場版『TOKYO MER~走る救急救命室~CAPITAL CRISIS』が公開される。
石田さんは当初から、この「TOKYO MER」(オペ室を搭載した大型車両で事故や災害現場に駆けつけ、患者を救う救命医療チーム)を立ち上げた都知事・赤塚梓を演じてきた。
この都知事、チャーミングな笑顔で都民に接するその裏で、政界のしがらみをくぐり抜け、やるべきことはやる剛腕の持ち主。「TOKYO MER」の陰の立役者であり、サポーターであり、野心を秘めた実力者。いくつもの顔をもつ政治家なのだ。
「どうして私にこの役がまわってきたのかな、とは、いまだに思っていますけれど」
さらっと、笑う。
「でも、凛としていなければと、それだけは心にもって演じています。あまり表情を表に出す人ではありませんが、奥に優しさがある。それが伝わるように、と」
演じながら、今までの作品では少々、心残りがあったという。
「私はたいてい危機管理対策室にいて、報告を受けたりモニターで現状を把握したりして、指示を出す立場なんです。早口で命令を出すのって、ものすごくむずかしいんですけれど(笑)。でも、救急シーンの現場に行ってみたい、MERならではの臨場感を味わってみたいと、ずっといっていたんです」
それが今回、実現した。本作で赤塚都知事は、首都直下地震が起こった被災現場の、真っただ中にいる。
「ネタバレになってしまうので、詳しくはいえませんが……現場に行きたいという念願がかなって、ワクワク。でも撮影自体は本当に大変でした。連日、朝から晩まで巨大なセットに入って、時間も天気もわからない。しかも撮影は真冬だったので、寒くて」
今回、そのハードな撮影を経験して、心の中に生まれたものがある。
「自分は絶対になれないけれど、もし自分が都知事という職についていたら、どうするか? 何がしたいか? そしてどうありたいか?って」
静かだけれど、強いまなざし。いつもとはひと味違う赤塚都知事の会見風景が、この作品のクライマックス。
「まさに赤塚さんの正念場です。自分でいうのもなんですが、すごくおもしろい。皆さんに届くといいなと思います」
いしだ ゆりこ●’69年、東京都出身。’88年にNHKドラマ『海の群星』にてデビュー。以降、ドラマや映画、舞台、執筆など、多岐にわたり活動。映画『汝、星のごとく』が10月9日に公開。
Information
劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』
©2026劇場版『TOKYO MER』製作委員会
首都直下地震が起こり、喜多見(鈴木亮平)がチーフドクターとして率いる新生TOKYO MERはチーム一丸となって被災現場に向かう。首都機能が失われた中、赤塚都知事(石田ゆり子)はこの災害にどう立ち向かうのか? 出演は鈴木亮平、賀来賢人、赤楚衛二、菜々緒、石田ゆり子ほか。公開日調整中。
撮影/浅井佳代子 ヘア&メイク/岡野瑞恵(storm) スタイリスト/岡部美穂 取材・原文/岡本麻佑 ※エクラ2026年9月号掲載