次の会食に予約したい店を厳選。銀座に新たなイタリア料理店がオープン。料理を手がけるのは矢島直樹シェフ。銀座の喧騒を忘れさせるプライベート感あふれる空間で、こだわりのアラカルトを楽しむことができる。
『銀座И(ENU)』(銀座エヌ)
「浙江省 オシェトラキャビアと軽い燻製の白海老 冷製カッペリーニ」¥15,000。「TACUBO」のスペシャリテをここでも。シンプルに見えて、緻密に計算されて作られている名品
イタリアンの人気店「TACUBO」の銀座初進出が話題だ。名店がひしめく7丁目のビルでインターフォンを押し、2階へ上がると、そこから非日常の時間が始まる。白で統一されたシックな空間にはわずか8席のカウンター。メニューはアラカルトのみで、その日に届く食材に合わせて内容が少しずつ替わる。厨房に立つのはイタリアのミシュラン星つきレストランで研鑽を積み、「リストランテ山㟢」で料理長も務めた矢島直樹シェフ。どの料理からも食材の香りが立ちのぼり、それぞれの個性が見事に響き合う。味を重ねるのではなく、素材の組み合わせによってその持ち味を引き出していくのが真骨頂だ。ある日の魚の前菜は、産地直送のカマスの皮目だけを香ばしく炙(あぶ)ったカルパッチョ。合わせるのは、伝統的なパスタソース「プッタネスカ」を軽やかに再構築したソース。カマスの凝縮したうま味とみずみずしさを鮮やかに引き立てる。夕方からゆっくり料理を楽しむのはもちろん、観劇の帰りにワインと前菜、パスタを味わうのもよし。フランスの銘醸ワインをグラスで楽しめるのも魅力的。
シェフとの会話を楽しめるカウンター。店内は照明の陰影でシックなグレージュ色に
「神奈川県 さかな人長谷川さんのカマス フレッシュプッタネスカ」¥7,800
「鳥市精肉店 恵鴨のアロスト オレンジの蜂蜜とスパイス風味」¥13,000。皮目にオレンジの蜂蜜と自家製のミックススパイスを塗って焼き上げた鴨の香ばしさを味わう
さわやかな笑顔の矢島直樹シェフ。元野球少年
東京都中央区銀座7の11の14 GINZAカムイビル2F
☎03・6263・8322
17:00~翌01:00LO(月~水曜)、17:00~21:30LO(木~土曜、祝日)
定休日:第2・第4土曜、第3水曜 臨時休業あり
完全予約制
photography:Masahiro Goda text:Mika Kitamura ※エクラ2026年9月号掲載