腸活、睡眠、呼吸で整えれば大丈夫! 夏に乱れがちな「自律神経」の整え方

体や心が揺らぎやすい更年期世代。夏は低気圧や酷暑などが重なり、さらに不調が続出。その背景にあるのが自律神経の乱れ。そこで、「腸活」「睡眠」「呼吸」の3つで効果的に自律神経を整える方法をご紹介。実践して夏を軽やかにのりきって。

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そもそも「自律神経」って何? どんな働きをしている?

自律神経という言葉は知っていても、正しく理解している人は意外と少ない? そこで自律神経研究の第一人者、小林弘幸先生に話をうかがった。

教えてくれたのは

順天堂大学 医学部特任教授 小林弘幸先生
小林弘幸先生
順天堂大学 医学部特任教授
小林弘幸先生
順天堂大学 医学部特任教授

自律神経研究の第一人者としてアスリートなどへのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。著書は『科学的に証明された 自律神経を整える習慣』(アスコム)など。

自律神経とは?

自律神経とは イメージイラスト

人間の生命を維持するための機能をつかさどる重要な神経

近年、“自律神経”という言葉が大きな注目を集めている。更年期世代の心身の不調にも深くかかわっているからこそ、正しく知っておきたいテーマだ。

「自律神経は、呼吸や心拍、体温、血流、代謝、内臓の働きなど生命を維持するための機能をつかさどる重要な神経です。自分の意思でコントロールすることはできず、24時間休みなく働いています」

そんな自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから成り立っている。

「交感神経は車でいうアクセル、副交感神経はブレーキです。交感神経が優位になると血管が収縮して心拍数や血圧が上がり、体が活動モードに。一方、副交感神経が優位になると血管がゆるみ、心拍数や血圧が落ち着き、体は休息モードになります。健康な状態では、日中の活動期は交感神経が、夜や睡眠中は副交感神経が優位になるという自然なリズムが刻まれています。大切なのはどちらか一方ではなく、両方が高いレベルで機能していること。それが理想的な状態です」

では、自律神経が整っていると、心身にどんなメリットがあるのだろう。

「全身の血流がよくなることが大きいです。そのため腸の動きが活性化して、免疫機能の向上にもつながります。血行不良による肩こりや頭痛などが改善しやすくなり、肌や髪もみずみずしく保たれるうえ、更年期症状の緩和も期待できます。脳の働きも活性化して仕事のパフォーマンスがアップし、気分の落ち込みやイライラも改善しやすくなります。逆に自律神経が乱れるとこうした働きがうまくいかず、体に不調が現れたり、メンタルが不安定になったりとさまざまなトラブルが起きます。自律神経を整えることは健康と若さを保つための大切なカギなのです」

【交感神経】とは

活動時に優位になり心身を活動モードにする

緊張や活動時に優位になる「アクセル」役。優位になると血管が収縮して心拍数や血圧が上昇し、体が活動モードに。集中力や瞬発力が高まり仕事や運動のパフォーマンスが上がる一方、過剰に優位な状態が続くとイライラしやすくなり、血流の悪化や免疫力の低下を招きやすい。

【副交感神経】とは

リラックス時に優位になる休息モードの神経

リラックスや休息時に優位になる「ブレーキ」役の神経。優位になると血管がゆるんで心拍数や血圧が落ち着き、消化機能が活発になるなど体が休息モードへと切り替わる。ただし過剰に優位な状態が続くと、やる気や集中力が上がらず、だるさや無気力感を招きやすくなる。


両方が高いレベルで活動しているのがいい状態

自律神経が乱れると、こんな症状が

●動悸、不整脈、めまい、倦怠感、不眠、肩こり、腰痛などの自律神経失調症
●神経性胃炎
●過敏性腸症候群
●過呼吸症候群
●血流の悪化から脳梗塞や心筋梗塞にも

自律神経が乱れると最も大きな影響を受けるのが血流。血管が収縮して全身の血流が悪くなり血液がドロドロ状態に。すると脳や内臓に十分な栄養や酸素が届かなくなり体のあちこちにさまざまな不調が発生。動悸やめまい、倦怠感、不眠などの自律神経失調症をはじめ、ストレスや過労が引き金となる神経性胃炎や過敏性腸症候群、過呼吸症候群などを起こしやすくなる。血流障害が長期化すれば、脳梗塞や心筋梗塞にまで発展しかねない。

自律神経はなぜ乱れる?

自律神経はなぜ乱れる? イメージイラスト

自律神経が乱れる最大の原因はストレス。更年期には特に注意

小林先生によると、自律神経を乱す特に大きな原因は、3つあるそう。

「まず1つ目がストレス。仕事や人間関係など、さまざまな理由でストレスがかかると交感神経が過剰に優位になり自律神経が乱れます。2つ目が不規則な生活。自律神経は変化が苦手で、起床や就寝、食事などの時間が毎日バラバラだと、自律神経は乱れやすくなります。3つ目は運動不足。体を動かさないと血流が悪くなり自律神経を乱す原因になります」

また、夏は特に自律神経が乱れる季節。

「屋外の猛暑と室内の冷房による寒暖差が自律神経を過剰に働かせ、乱れの原因に。熱帯夜による睡眠不足も影響しますし、梅雨や台風で気圧が下がるときも自律神経が乱れがちです。さらに自律神経の大敵が“脱水”。夏は汗をかいて脱水状態になりやすく、すると血流が悪くなり自律神経がうまく働きにくくなります」

加えて、加齢や更年期の影響も大きい。

「女性は40代以降に副交感神経の働きが急激に衰え、交感神経優位に偏りやすくなります。また、更年期は女性ホルモンの急激な減少から自律神経が乱れやすい時期。50歳前後は介護などさまざまな問題からストレスを抱えやすいことも重なり、バランスをくずしやすくなります」

このように自律神経を乱す要因は多数。

「ただし、気候や年齢などは変えられなくても、生活リズムを整えるなど日々の工夫で自律神経は自分で整えることができます。できることから取り入れて、夏も更年期も上手にのりきりましょう」

当てはまるものがあったら自律神経乱れてるかも? 「自律神経チェックリスト」

☑寝つきが悪い。夜中に起きてしまう
☑寝る直前までスマホを見てしまう
☑食欲があまりない
☑食事の時間が定まっていない
☑腰痛、肩こり、めまいがある
☑おなかがゆるい、便秘を繰り返すことがある
☑最近、空や景色をゆっくり眺めていない
☑仕事に行くのに不安を感じる
☑ついエスカレーターを使ってしまう

梅雨・酷暑による影響は?

更年期 自律神経 気圧変化や寒暖差などで自律神経 が疲弊し、夏バテ・だるさを招く

気圧変化や寒暖差などで自律神経が疲弊し、夏バテ・だるさを招く

梅雨時から夏は自律神経が乱れやすい時期。

「梅雨時は気圧の変化が続き、低気圧になると交感神経の働きが鈍ってだるさや重さを感じやすくなります。また、耳の内耳が気圧変化を感知して過剰に興奮することで自律神経のバランスがくずれ、頭痛やめまいなども起きがちです。さらに夏は酷暑で、体が熱を逃がそうとすることで副交感神経が過剰に優位になり、夏バテやだるさが生じやすいうえ、室内外の寒暖差も、体温調節のために自律神経がフル稼働して疲弊する原因に。また、熱帯夜による睡眠不足も自律神経を乱します。脱水を起こすと血流が悪化して余計に自律神経が乱れるので、500mLのペットボトルを2本、毎日飲みきることを習慣に」。

加齢・更年期の影響は?

40代以降は交感神経優位に傾き、エストロゲンの減少も自律神経を乱す

加齢や更年期も自律神経を乱す原因。

「女性は40代になるころから副交感神経の働きが衰え、交感神経優位に偏りがちになります。血流が悪くなって不調が起きやすくなるうえ、心身が休息モードになりにくく、不眠やイライラなども招きやすくなります。また、更年期はエストロゲンの減少によって自律神経が乱れ、ほてりや動悸、情緒不安定といった更年期障害が出やすくなります。これらは自律神経失調症の症状と重なります。この場合、婦人科での治療とともに、自律神経を整える習慣を取り入れることでも緩和しやすくなるので、実践してみてください」。

「まずは生活のリズムを守ることがとても大事。ただし調子が悪いときは必ずあります。そんなときに自分でカバーできる方法を知っておくと強いです」(小林弘幸先生)

自律神経の「へー!」となる話

自律神経が整っている地域は四国

小林先生の研究チームによると自律神経のトータルパワーが最も高い地域は四国なのだとか。

「四国は年間を通して温暖な気候です。また、’17年の警視庁の発表では検挙件数が最も少ないのは四国でした。温暖で安心して過ごせることが、自律神経のトータルパワーが高い理由だと思われます。逆に最も低いのは多忙な関東でした」。

木曜日は自律神経が乱れがち

小林先生の研究チームの調査で、自律神経の働きが最も下がるのが木曜だと判明。

「平日の疲れは月曜から徐々に蓄積されていくので、普通に考えるとピークは金曜になるはず。ところが金曜は“明日は休みだ”と思うことで自律神経の状態が回復。そのため自律神経の働きが最も低下するのは木曜。毎週木曜はリセットデーにして休息を」。

自律神経が整う音は川のせせらぎかと思いきや……

50代 更年期 自律神経 音楽も自律神経を整えるのに役立つが、どんな音楽かが重要

音楽も自律神経を整えるのに役立つが、どんな音楽かが重要。

「川のせせらぎのようなヒーリングミュージックがよいかというと、そうでもありません。効果的なのはロックのようなテンポやビートが一定に保たれた曲。交感神経が鎮まり、副交感神経優位に切り替わります。ただし寝る前に聞くなら、ゆっくりしたテンポの曲に」。

自律神経の整え方いろいろ

自律神経は実はちょっとした習慣で整えられる。特に効果的などが「腸活」「睡眠」「呼吸」の3つ。具体的な方法を紹介するのでぜひ実践を。

「腸活」で整える

腸内環境が良好なら血流がよくなり、自律神経が整う

無理なくできることばかり。夏、乱れがちな自律神経は「腸活」で整える イメージイラスト

自律神経と密接な関係があるのが腸。

「腸の動きは自律神経によってコントロールされています。ストレスが続くと便秘や下痢をしたりするのは、脳が感じたストレスによって自律神経が乱れ、腸の働きも乱れるからです。このような腸と脳との関係は“脳腸相関”と呼ばれます」

逆に自律神経が整うかどうかにも腸の状態が深く関係しているそう。

「安定した自律神経は、体にきれいな血液がサラサラと流れていてこそ実現しますが、この血液を作るのが腸です。腸内環境がよければ良質な血液が作られて血流がよくなり、自律神経が整います。逆に腸内環境が悪いと血流が悪くなり、自律神経が乱れます。自律神経を整えるには、腸内環境の改善が不可欠なのです」

では、腸内環境を整えるポイントは?

「まず、一日3食なるべく決まった時間に食事をとるのが理想的。食事は腸への刺激になるので動きが活発になり、腸内環境が整います。食事の内容としては、動物性タンパク質や脂質が多すぎる食事だと腸内に悪玉菌が増えてしまうので、食物繊維や乳酸菌など腸内の善玉菌を増やす食品を意識してとることが大切です」

 そのほか、以下の小林先生おすすめの「腸活」もチェックして。

朝、うがいしたあと、常温の水をコップ1杯飲み干す

朝の習慣にしたいのが水分補給。

「起床時は軽い脱水状態。血流が悪くなっていて自律神経にも悪影響が。ですから起きたら必ず水を飲みましょう。まず先にうがいをして口内の雑菌を洗い流してから、コップ1 杯の水を飲みます。冷たい水だと胃腸が冷えて血流が悪くなるので常温にしましょう。ゆっくりでなく一気に飲むのがおすすめ。胃腸が適度に刺激され、腸の動きがよくなります」。

ヨーグルト、納豆、味噌汁、キムチ……多様な発酵食品をとる

意識してとりたいのが発酵食品。

「発酵食品には乳酸菌が含まれ、腸内の善玉菌を増やすのに役立ちます。納豆や味噌、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト、チーズなどがあります。野菜をたっぷり入れた具だくさん味噌汁なら、発酵食品の味噌とともに食物繊維もとることができます。また、腸内の善玉菌の餌になるオリゴ糖が含まれるハチミツやバナナをヨーグルトに加えてとるのもおすすめ。ちなみに私はヨーグルトに大根おろしとハチミツを加えてとっています。意外な組み合わせですが、実は食べやすく、乳酸菌も食物繊維もオリゴ糖もとれて◎」。

食物繊維は水溶性、不溶性をバランスよく。レジスタントスターチを含む食品も効果的

腸内環境の改善に欠かせない食物繊維には、水に溶けやすい水溶性のものと、溶けにくい不溶性のものがある。

「水溶性食物繊維は便の水分を増やし、排出しやすくします。オクラやなめこのようなネバネバ系食品に豊富。不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸の動きを活性化します。ごぼう、さつまいも、豆類、玄米などに豊富です。どちらもバランスよくとりましょう。また、おにぎり(冷やごはん)や青いバナナなどに含まれるレジスタントスターチ(難消化性デンプン)は、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活性化しながら、善玉菌の餌にもなります。こちらも意識してとりましょう」。

「睡眠」で整える

夜はリラックスして過ごし、副交感神経にうまく切り替えて

自律神経を整えるために、なによりも大切なのは“睡眠”だと小林先生は話す。

「睡眠時間が短かったり睡眠の質が悪かったりすると、副交感神経が高まらないので疲れが抜けません。すると翌朝、交感神経が異常に高い状態で起きるので、動悸がしたり、イライラしたりとコンディションが最悪に。その状態で仕事をすることで、さらに交感神経が刺激されます。これが続くと自律神経失調症になりかねません。

また、睡眠不足で自律神経が乱れた状態だと、医学的治療を受けても効果が半減するという報告もあります。夏は熱帯夜でいつもの時期より睡眠不足になりやすいので注意が必要です」

では、睡眠の質を高めるコツとは?

「自律神経は、日中は交感神経が優位で、夜になったら自然に副交感神経優位に切り替わるのが正しいリズムです。でも現代人は夜遅くまでスマホなどを見ている人が多く、夜になっても副交感神経に切り替わらず、睡眠の質が下がっている人が多数。

朝は起きたら太陽光を浴び、日中は活動的に過ごし、夜はなるべくリラックスして過ごして副交感神経への切り替えを促し、早めに就寝するといったリズムの整った生活を心がけましょう」

下記の方法も睡眠の質の向上に効果的。

食事は寝る3時間前までに終えられるように

無理なくできることばかり。夏、乱れがちな自律神経は「睡眠」で整える 食事は寝る3時間前までに 終えられるように イメージイラスト

夕食は就寝3 時間前までにすませるのがポイント。

「食べ物の消化に要する時間は3 〜5 時間程度。特に食後3 時間は消化活動が活発に。この時間に寝てしまうと眠りが浅くなるうえ、食べたものが脂肪として蓄積され肥満の原因にも。ですから23時に寝るなら、遅くとも20時には食べ終えるのが理想的。食後3時間は腸を働かせる“ゴールデンタイム”なのでリラックスして過ごして」。

最強の入浴方法は、寝る2時間ほど前に39〜40℃で15分

知っておきたいのが自律神経によい入浴法。

「寝る2 時間ほど前に39〜40℃の少しぬるめのお湯に15 分つかるのがベスト。この方法だと深部体温が38.5〜39℃くらいに上昇し、最も血行が促進して副交感神経が高まり、睡眠の質が向上します。最初の5 分は肩までつかり、残り10分は半身浴にするのがベター。熱すぎるお湯は交感神経を刺激して、睡眠の質を下げるので避けましょう」。

睡眠時間は6時間以上、できれば7時間確保

睡眠不足は自律神経を乱す大きな要因なので十分に確保することが大事。

「必要な睡眠時間は個人や年齢によって差がありますが、多くの場合、最低6〜7 時間は必要だといわれています。忙しくてまとまった睡眠時間をとれない人は、せめて週1 回は“睡眠デー”を設けて、早めに帰宅して睡眠を7 時間とるようにしましょう」。

寝る1時間前にはスマホを手放す

寝る直前までスマホを見ている人は少なくないと思うけれど、これはNG習慣。

「スマホの画面が放つブルーライトは交感神経の働きを活発にし、眠りを浅くしてしまいます。また、寝る前にSNSやメールをチェックすることも脳に余分な情報を与え、交感神経を刺激します。寝る1時間前になったらスマホを見ないと決め、手が届かないところに置いて寝るのがおすすめです」。

エアコンは無理せず使って室内を適温に

エアコンは無理せず使って 室内を適温に 無理なくできることばかり。夏、乱れがちな自律神経は「睡眠」で整える

夏は暑さで寝苦しいが、気になるのがエアコンをつけたまま寝ていいかどうか。

「暑くて寝苦しいと睡眠の質が下がり自律神経を乱します。最近の夏は熱帯夜が多く、エアコンをつけずに寝ると熱中症を招くことも。無理せずエアコンをつけて寝ましょう。冷えすぎは血流の悪化を招くので、設定温度は少し汗ばむ程度の28℃を目安に」。

「呼吸」で整える

深くゆっくりとした呼吸をするだけで自律神経を整えられる

ふだん私たちが何げなくしている“呼吸”も自律神経に深くかかわっている。

「人はストレスを感じると交感神経が刺激され、無意識のうちに呼吸が浅くなります。一方、深くゆっくりと呼吸をすると副交感神経の働きが高まり、血管が広がって血圧が下がり、血流がよくなって心身がリラックスした状態になります。

現代人は交感神経が過剰に働いていて呼吸が浅くなりがちですが、深い呼吸を意識するだけで副交感神経優位に切り替えられ、自律神経を整えることができます」

そこで小林先生がすすめてくれたのが、“1:2の呼吸法”(下記参照)。

「ストレスを感じたときや、イライラしたときなどにもこの呼吸法を行えば、自然に呼吸が深くなりリラックスできます」

また、深い呼吸を行うためにはふだんの姿勢も大事なのだとか。

「ねこ背や前屈みの姿勢だと気道が狭まり、呼吸が浅くなってリラックスしにくくなります。スマホを見てばかりいたり、長時間デスクに向かっていたりするとねこ背になりやすいので注意。呼吸を深くするためにも日ごろから背すじを伸ばし、上を向くよう意識しましょう。それだけでも自律神経が整いやすくなります」

鼻から3秒吸って、口から6秒かけて吐く。「1:2」の呼吸で自律神経のセンサーが働く

無理なくできることばかり。夏、乱れがちな自律神経は「呼吸」で整える 鼻から3秒吸って、口から6秒かけて吐く。 「1:2」の呼吸で 自律神経のセンサーが働く

副交感神経優位な状態に切り替えるのに、最も簡単で即効性が高いのが1:2 の呼吸法。

「鼻から3〜4 秒かけて息を吸い込み、6〜8 秒かけて口からスーッと吐き出します。できるだけ長くゆっくり吐き出しましょう。私たちの研究チームの実験では、これを一日1回、3分行うことで自律神経の調子が整ってくることがわかりました。一日最低1回、何度行ってもOKです。背すじを伸ばして行いましょう」。

ため息も実は効果的

“ため息”というとネガティブなイメージがあるが、自律神経を整えるには有効。

「ため息をつくときは悩み事を抱えていたり、根を詰めて作業をしていたりするとき。体が緊張でこわばり、呼吸が浅くなって自律神経が不安定な状態です。そんなときにフーッとため息をつくと、浅くなっていた呼吸が深くなり副交感神経が優位になります。心と体をリセットできるので、我慢せずにしてOK」。

体によさそうなこんな習慣で自律神経、整いますかQ&A

腸活、睡眠、呼吸で整えれば大丈夫! 夏にの画像_9

断食・プチ断食

断食は自律神経を乱す原因に。胃腸を休めるプチ断食ならOK

「食べすぎたときや胃腸の調子が悪いときに、水分やスープなどだけをとって胃腸を休めるプチ断食なら行っても問題ありません。ただし、ダイエットのために食べ物をとらないような断食をするのは体にストレスがかかるので自律神経を乱します。特に朝食は一日のリズムを整えるうえで欠かせないので、抜かずにとるのが◎。自律神経的には一日3食が理想的」

サウナ

急激な温度変化は自律神経に負担をかけるので入り方に注意

サウナは“整う”といわれているが自律神経も整う?

「 入り方しだいでは悪くありません。ただ、水風呂への飛び込みなど急激な温度変化は自律神経に負担がかかるのでNG。長く入りすぎるのもストレスになるので、20分を超えないようにし、水分をしっかり補いながら入りましょう。ただし心臓が弱い人や不整脈が出やすい人はやめておいたほうが無難」。

早朝に運動する

起きてすぐは自律神経の準備が整っておらず急な運動は負担に

朝早く起きて運動をするのは健康によさそうだが実際はどうなのだろう?

「 朝起きてすぐは自律神経の準備ができていないので、いきなり運動をするのはおすすめしません。また、時間がない中で“やらなきゃ”と義務感でこなすと、それ自体がストレスに。運動をするなら少なくとも起床から1時間は空け、時間と心に余裕があるときだけにするのが賢明です」。

プロテインなどをサプリでとる

食事だけで補いきれないぶんをサプリで補うのはよい方法

プロテインなどの栄養をサプリメントで補うのはありなのだろうか?

「タンパク質は細胞の骨格を作り、神経系の栄養にもなる重要な栄養素なので、食事で補いきれないぶんをプロテインで補うのはよいと思います。また、食物繊維は一日20gとるとよいとされていますが、食事で補うにはレタス6個分にもなるので、サプリメントを利用するのはよい方法です」。

毎日の調子やできたことを「4点方式」で記録していくと “整え力”が身につきます

無理なくできることばかり。夏、乱れがちな自律神経対策 毎日の調子やできたことを 「4点方式」   で記録していくと "整え力" が身につきます

4 点満点でつけるのが大事

自律神経が整ってきたかを確認するのによいのが“4点方式”の採点。

「毎日の体調やできたことをカレンダーに4点満点で記録します。ダメなときは1点、すごくいい時は4点。5点満点にするとつい3点を選んでしまうものなので、4点がいいんです。

3点や4点が続くようになれば自律神経が整ってきたサイン。自分は何をしたときに体調がいいかの傾向がつかめますし、調子がイマイチなときにもよいときを振り返ることで、カバーの仕方がわかってきます」。

チームJマダム®が自律神経が整う生活にチャレンジ

自律神経研究の第一人者である小林弘幸先生がおすすめしてくれた自律神経の整え方に、Jマダムのおふたりが2週間トライ。短い期間でも、体感できるくらいの体調やメンタルの変化はあるもの!?

完璧にやろうとしすぎず、できることを積み重ねていくことで心身にいい変化が

TOSHIMIさん
TOSHIMIさん
TOSHIMIさん

就寝前にスマートフォンを見るせいか、睡眠の質にばらつきが。下腹まわりが以前よりすっきりしにくくなってきたこと、日によって胃腸の重さ、疲れやすさを感じるのもお悩み。

「朝食に豆乳ヨーグルトなど発酵食品、野菜中心の食事、深呼吸、軽いウォーキングなど、できることを少しずつ取り入れました。腸内環境を整える食生活を意識することで、腸の調子が整い、便通も改善しました。主食を玄米に変えた効果か、おなかまわりもすっきりしてきて、気分の落ち込みやイライラが減り、メンタル面にもうれしい変化を感じています。手足の冷えも感じにくくなりました。スマートフォンを手放せた日は寝つきもよかったように思います。

忙しい日にはできないこともありましたが、完璧にやるよりもできる範囲で生活を整えることの大切さを実感、小さなことの積み重ねでも体と心は変わっていくのだなあと。また、その日の調子やできたことを4点方式で記録して、『不思議と甘いものを欲しなくなってきた』『ストレスで呼吸が浅くなりがち、就寝前の呼吸法をしっかり行う』など気づきや反省点をメモすることで、生活を整えやすくなりました」

2週間でも体調やメンタルの変化は感じられる? チームJマダム®が自律神経が整う生活やってみました 木製のトレイに、野菜や豆、米、味噌汁、ワカメ、豆腐が盛り付けられた料理が並ぶ

発酵食品、食物繊維を意識して。玄米に、納豆はキムチ添え、とろろがけにすることも。セイロ蒸しは根菜中心に、味噌汁は手作り味噌で

無理なくできることばかり。夏、乱れがちな自律神経対策 ❷ウォーキン グを毎日朝夕2回。「ロックを聞きながら歩くと時間がたつのが早いです

ウォーキングを毎日朝夕2回。「ロックを聞きながら歩くと時間がたつのが早いです」

自律神経の整え方 エプソム塩の入ったプラスチック袋とガラスカップがバスタブの金属製トレイに置かれている

就寝2時間前に、ぬるめのお湯にエプソムソルトを入れて15分入浴

自律神経の整え方 木製テーブルに透明なティーポットとガラスカップが置かれ、背景に緑の観葉植物が映る

朝、うがいしたあとの白湯が習慣に。「体と腸がゆっくり起きる感覚があります」
 

ちょっと意識するだけで、できることがたくさん。いろいろ楽しんで試している自分もいいなと

Kayoさん
Kayoさん
Kayoさん

常に何かつまんでいないと落ち着かない、食事のあとでもつい食べてしまうのがお悩み。やる気が起きなくて、やらなくてはならないことがわかっていても手がつけられない日も。

「朝一番にうがいをして、水を1杯飲む。簡単なのに、一番効いた気がしています。初日から便通がよくなりました。朝のうがいと水を1杯がないと気持ち悪い、と感じるほどに。発酵食品はもともと好きでしたが、さらに意識してとるようにしました。小腹が空いたとき、スナック菓子に手をのばしていたのを、納豆1パックに替えるなども。ヨーグルトはプレーンで食べることが多かったのですが、フルーツやハチミツと一緒に。レモンオリーブオイルをひとたらしもおいしかったです。

トライしてみての気づきは、意識すればすぐできることがたくさんあるということ! スーパーで発酵食品の売り場を見ていろいろ試したり、エスカレーターがあっても階段を使ったり。それを楽しんでいる自分もいいなと思えました。専業主婦で自分のことは後回しになりがちなのですが、腸活、運動、カフェで音楽に集中するなど、自分をいたわれているなあと感じられたのもよかったです」

自律神経の整え方 女性が屋外でイヤホンを装着し、スマートフォンを見ながらリラックスしている。背景には建物とトラックが見える。

「カフェのテラス席で音楽を聞いたらとてもリラックスできて、音楽だけに集中するよさに気づきました」 

自律神経の整え方 緑色のキウイフルーツと、赤紫の果肉が露出された2つのスライスが白い背景に並んでいる

アントシアニンや食物繊維が豊富で、最近話題のルビーレッドキウイを

自律神経の整え方 ヨーグルト、ジャム、調味料、肉の盛り合わせなど、さまざまな食品が並んだ冷蔵庫内のコンテナ

「スタメンの発酵食品。左上のボトルは自家製塩麴、左の袋はオーガニックにんにく塩麴。そのほかヨーグルトにキムチ、納豆、最近見つけたマスカット味のヤクルトなど」

自律神経の整え方 女性がエルゴメーターに座り運動中、窓から緑の植物が見えるジム内

ジムでのバイクも習慣に

取材・原文/和田美穂 ラスト/SAITO KANAE ※エクラ2026年7・8月合併号掲載

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