体や心が揺らぎやすい更年期世代。夏は低気圧や酷暑などが重なり、さらに不調が続出。その背景にあるのが自律神経の乱れ。だが、実はちょっとした習慣で整えられる。そこで、「呼吸」で効果的に自律神経を整える具体的な方法をご紹介。実践して夏を軽やかにのりきって。
教えてくれたのは
自律神経研究の第一人者としてアスリートなどへのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。著書は『科学的に証明された 自律神経を整える習慣』(アスコム)など。
深くゆっくりとした呼吸をするだけで自律神経を整えられる
ふだん私たちが何げなくしている“呼吸”も自律神経に深くかかわっている。
「人はストレスを感じると交感神経が刺激され、無意識のうちに呼吸が浅くなります。一方、深くゆっくりと呼吸をすると副交感神経の働きが高まり、血管が広がって血圧が下がり、血流がよくなって心身がリラックスした状態になります。
現代人は交感神経が過剰に働いていて呼吸が浅くなりがちですが、深い呼吸を意識するだけで副交感神経優位に切り替えられ、自律神経を整えることができます」
そこで小林先生がすすめてくれたのが、“1:2の呼吸法”(下記参照)。
「ストレスを感じたときや、イライラしたときなどにもこの呼吸法を行えば、自然に呼吸が深くなりリラックスできます」
また、深い呼吸を行うためにはふだんの姿勢も大事なのだとか。
「ねこ背や前屈みの姿勢だと気道が狭まり、呼吸が浅くなってリラックスしにくくなります。スマホを見てばかりいたり、長時間デスクに向かっていたりするとねこ背になりやすいので注意。呼吸を深くするためにも日ごろから背すじを伸ばし、上を向くよう意識しましょう。それだけでも自律神経が整いやすくなります」
鼻から3秒吸って、口から6秒かけて吐く。「1:2」の呼吸で自律神経のセンサーが働く
副交感神経優位な状態に切り替えるのに、最も簡単で即効性が高いのが1:2 の呼吸法。
「鼻から3〜4 秒かけて息を吸い込み、6〜8 秒かけて口からスーッと吐き出します。できるだけ長くゆっくり吐き出しましょう。私たちの研究チームの実験では、これを一日1回、3分行うことで自律神経の調子が整ってくることがわかりました。一日最低1回、何度行ってもOKです。背すじを伸ばして行いましょう」。
ため息も実は効果的
“ため息”というとネガティブなイメージがあるが、自律神経を整えるには有効。
「ため息をつくときは悩み事を抱えていたり、根を詰めて作業をしていたりするとき。体が緊張でこわばり、呼吸が浅くなって自律神経が不安定な状態です。そんなときにフーッとため息をつくと、浅くなっていた呼吸が深くなり副交感神経が優位になります。心と体をリセットできるので、我慢せずにしてOK」。
取材・原文/和田美穂 イラスト/SAITO KANAE ※エクラ2026年7・8月合併号掲載