【マダムの“ぐっとくるクルマ”試乗 vol.12】
カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さんによる試乗体験ルポ。今回は世界中のエグゼクティブの信頼を集めるEクラスの“超ステーションワゴン”です。
エクラ世代が青春まっただ中だった頃、世界中でオシャレなステーションワゴンが大人気で、多くのブランドから発売されていました。王道のセダンにちょっと遊び心をプラスしたような感覚は、自分の生き方を表現するひとつのアイテムとしてすごく魅力的で、それを選ぶ大人たちがカッコよくて憧れていたものです。
今はそれを飛び越してさらなる自由さを手に入れたSUV全盛期が続いていますが、「ああ、やっぱりステーションワゴンもいいな」と思わせてくれるのが、今回ご紹介するメルセデス・ベンツ E 220 d 4MATIC All-Terrain、通称“Eクラス オールテレイン”。でも実は、ただ懐かしいだけのステーションワゴンではなく、デザインや機能にさりげなくSUVのようなタフさをミックスした、新感覚の“超ステーションワゴン”なのです。
2026年で自動車誕生から140周年。その歴史の中でEクラスは、ルーツとなるモデルが誕生してからちょうど80年。メルセデスの看板を背負って、長く愛されてきたモデルのひとつです。
多くのエグゼクティブから絶大な信頼を得る、常に最良の安全性。時にチャレンジングとも取れる、時代を先取りしたインターフェース。乗る人の快適性をとことん考えた革新技術の数々。そして、そうしたEクラスの伝統はいっさい手放さずに、セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレ……とさまざまなバリエーションを柔軟に送り出してきた多様性も、Eクラスの大きな魅力です。
駐車場にたたずむEクラス オールテレインは、一見するとパリッとスーツを着こなしたビジネスマンのようなフォーマルな雰囲気が滲み出ているのですが、サイド、リアと見てまわるにつれて森や海、雪景色を思わせるタフギアの要素が散りばめられていることがわかります。とくにブラックのホイールアーチカバーや、前後バンパーの下からのぞくシルバークロームアンダーライトガード。地上高が145mmと高めに設定されているのも、ちょっとした悪路などものともしない頼もしさを感じさせます。
ドアを開けると、インテリアは一気に未来。助手席まで一体となっているワイドなディスプレイが出迎え、センターはしっかりと幅広のコンソールがパーソナルスペースを区切って、先進性と包まれ感を演出。
このディスプレイは、ナビやオーディオ、エアコンをはじめ、車両側の調整やアプリのインストールなどさまざまな機能が集約されており、音声での操作も可能な最新世代[YS1] のMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)が搭載されています。
シートはそっと支えてくれるような優しい座り心地に思わずホッ。でもサイドサポートはしっかりあり、座面も長いので膝裏までちゃんと収まりがよく、少しくらい激しい揺れでも大丈夫そうなところはSUVっぽさを感じます。
そしてラゲッジスペースは、大型SUV並みとなる615Lの大容量を確保。フラットなフロアで、後席を倒すと最大1830Lに拡大するのでアウトドアレジャーの大荷物もしっかり積み込めるはず。もちろんパワーバックドア機能がついて、ラクラク操作可能です。
Eクラスのなかでは唯一、ディーゼルエンジンと4WDである4MATICの組み合わせを採用しているEクラス オールテレイン。でも室内にいる限り、ディーゼルだとわかるような騒音や振動がほとんど入ってこないので、走り出しから想像以上の上質感に浸ることができます。
路面の状況に応じて最適な乗り心地や安定感を提供してくれるエアサスペンションなどのおかげで、まるで道路を舗装し直したばかりかのようなしっとりした乗り心地に感嘆のため息が出たほど。
この2.0Lディーゼルターボエンジンはマイルドハイブリッドなので、発進時などはモーターがアシストしてなめらかな加速が自然に感じられるようになっています。地上高が高いと、速度をあげていった時の安定感などには不利になるはずなのですが、Eクラス オールテレインは上質さがまったく変わらないのがさすが。
今の時代らしい、パリッとスーツにスニーカーで都会も大自然も颯爽と駆け抜けるようなカッコよさに、ぜひ注目してほしいです。
●メルセデス・ベンツ E 220 d 4MATIC All-Terrain
全長×全幅(ミラー閉)×全高:4,960×1,890×1,495㎜
パワートレイン:2.0L、直4 直噴ディーゼルターボ
乗車定員:5名
価格:¥ 11,350,000~
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