紙の本、電子書籍に次ぐ読書コンテンツとして注目されているオーディオブックは、欧米では以前から普及していたそう。耳からの読書のためのウェブサイト・集英社「OTOコンテンツ」の「中の人」、鷹箸真由美さんが語る独自の取り組みには“耳読書”のさらなる可能性が!
目でも耳でもいい。読書の選択肢を増やしたい
集英社 アクセシブル・ブックス推進室
鷹箸真由美さん
鷹箸さんが所属する部署名の“アクセシブル・ブックス”とは「誰もが、いつでも本を読めるように」という意味。「読書の選択肢を増やしたい」という思いで立ち上げられ、耳からの読書のためのウェブサイト「OTOコンテンツ」を’25年から展開している。
「目が疲れる、忙しいなどの理由で本から遠ざかっているかたもいらっしゃると思います。本は好きなのに……というかたに音で聴く読書を試していただいて、そこからまた本に時間を使ってもらえるようになるとうれしいです」
「OTOコンテンツ」では、本の特徴が気分とジャンルで表示されている。
「例えば道尾秀介さんの『I』は“はらはら”“ミステリー”“サスペンス”。ジャンルと、本を聴いてどんな気分になれるかを掛け合わせることで、皆さんにとってぴったりの一冊により出会いやすくなっていると思います。サイトから試聴もできるので、ぜひお気軽に聴いてみてください」
最近は書き手の理解も広がり、新作のオーディオブック化も早まっている。
「話題の本を、音声でもタイムラグなしで楽しめるって大事なことだと思うんです。集英社では『鬼滅の刃』のノベライズなど、話題作のラインナップもオーディオでそろってきてはいますが、オーディオブックになっているのはまだ230作品ほど。もっともっと増やしていかなくてはと奮闘中です!」
ここをのぞくと 聴いてみたい本が見つかる「集英社OTOコンテンツ」
小説、エッセー、ビジネス書、実用書など幅広いジャンルのオーディオブック、こちらも多彩なジャンルのポッドキャスト、オリジナル作品など、数十万以上の対象作品が聴き放題で楽しめるプレミアムプランは月額1500円。新規会員登録なら30日間の無料体験もできる。退会はいつでも可能。
鷹箸真由美さんおすすめのオーディオブック
『 I 』 道尾秀介
制作:集英社
ナレーター:大木咲絵子、岩崎 了
「小説でこんなことができるのかと驚愕しました!」。
男性主人公と女性主人公の2編からなる物語。読む順番は自由だが、どちらを選ぶかで登場人物の生死が変わってしまう衝撃作。
『目の見えない白鳥(しらとり)さんとアートを見にいく』 川内有緒
制作:集英社インターナショナル
ナレーター:東 涼子
「音で聴くと自分も一緒に美術館を回っている感覚に浸れます」。
友人の誘いで全盲の美術鑑賞者とアートを見はじめた著者。発見に満ちた体験を、明るく軽やかにつづったノンフィクション。
たかのはし まゆみ●’25年発足のアクセシブル・ブックス推進室で、オーディオブック制作などを手がける。「オーディオブックは流通しつづけられるのもいいんです」
撮影/原田凌佑 取材・原文/山本圭子 ※エクラ2026年7・8月合併号掲載