人気韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。ごく普通の家族がさまざまな形の愛情を通じて苦境を乗り越えていくヒューマンラブストーリー『ラブ ミー』は、人生の教訓になるセリフが目白押し。
『ラブ ミー』
U-NEXTにて独占配信中 /© SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.
『また!? オ・ヘヨン ~僕が愛した未来~』『愛の温度』『浪漫ドクターキムサブ』『なぜオ・スジェなのか』など、ラブコメディからサスペンス、大人のラブストーリーまで幅広いジャンルで抜群の存在感を発揮し、“この人が主演なら間違いない”と視聴者から絶大な信頼を得るソ・ヒョンジン。本作では、孤独を抱えながら日々を必死に生きる芯の強い女性を演じ、愛を通じて心を開いていく感情の変化を繊細に表現しています。
あらすじ
産婦人科医のソ・ジュンギョン(ソ・ヒョンジン)はキャリアも容姿も完璧だが、深い孤独を抱えていた。その孤独を悟られまいと生きてきた彼女の前に、不思議な男チュ・ドヒョン(チャン・リュル)が現れ、彼女の心に変化が……。一方、ジュンギョンの父と弟にも、ある変化が訪れる。
このフレーズに注目!
「그래도 다음이 있을 줄 알았다. 커다란 꽃바구니도 선 뜻 선물할 수 있는 다음이.」 (それでも次があると思ってた。大きな花かごを笑顔でプレゼントできる“次”が)
U-NEXTにて独占配信中 /© SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.
年々、ドラマや映画で泣くポイントが変わってきました。と言うよりも、泣くことが多くなりました。人生の3分の2以上を犬と過ごしてきたこともあり、子どもの頃から「動物」をテーマにした作品は予告映像だけで泣いてしまうのですが、ここ数年はそこに「家族」が追加されて、恋愛モノやサイダー系の復讐劇など、「家族」がメインテーマではない作品でもちょっとしたシーンでホロリと来ることも。人生経験が増えるほど共感できる幅も広くなるのだなあと感じております。
今回紹介する『ラブ ミー』は、悲しい別れを経験したある家族が、それぞれの恋を通じて自分と向き合い成長していく物語。「家族愛」「ロマンス」「自分を愛すること」といったさまざまな「愛」が込められています。
U-NEXTにて独占配信中 /© SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.
医師としてバリバリ働き、1人を謳歌する“独身貴族”に見えるジュンギョンですが、実は自ら孤独になることを選んで生きていました。その発端となったのが、7年前に起きた母の交通事故。雨の日、ジュンギョンの忘れ物を病院まで届けてくれた母が、ジュンギョンの目の前でスリップしたトラックに追突され、片足を失って車いす生活になってしまいます。この一件をきっかけに家族は崩壊。ジュンギョンは罪悪感から逃げ出すように家を出て、心に孤独を抱えて生きていたのでした。
献身的に妻の介護をする父、将来に不安を抱えながらも彼女との恋愛に夢中な大学院生の弟、そしてジュンギョン。心がバラバラに離れてしまった家族が、両親の結婚35周年を祝うために久しぶりに集まった日、ぎくしゃくした雰囲気に耐えかねたジュンギョンは、事故以降塞ぎ込んだままの母にきつく当たってしまいます。
顔を合わせては喧嘩ばかり。この日も「仲直りをしてから帰りなさい」という父の言葉を無視して、ジュンギョンは実家を後にします。しかし、その直後、脳出血で母が亡くなってしまい……。
人生の教訓にしたい名セリフ!
U-NEXTにて独占配信中 /© SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.
「그래도 다음이 있을 줄 알았다. 커다란 꽃바구니도 선 뜻 선물할 수 있는 다음이.(それでも次があると思ってた。大きな花かごを笑顔でプレゼントできる“次”が)」は、突然の別れを経験したジュンギョンの言葉。「また次の時に」と後回しにしたことで、和解も最期の挨拶もできずに母を見送ることになってしまったことへの後悔が込められています。
このセリフは「公園の芝生に並んで座って一緒にお弁当を食べる“次”が。『お母さん、おやすみ』とささやかな挨拶を伝えられる“次”が。そんな平凡な“次”が、まだ私たちには残っていると思っていた」と続きます。
「花かごをプレゼントする」とか「おやすみを伝える」とか、日常的でリアルな“次”を想像させる言葉選びがまた泣ける……。相手にも自分にも“次”があるという保証はない。今を大切にして、大事な思いをその時に伝えることの重要さを教えてくれるセリフです。
突如ジュンギョンの前に現れたドヒョン。彼にはある秘密が。 U-NEXTにて独占配信中 /© SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.
この後、ジュンギョンは隣の家に住む音楽監督のドヒョンと知り合い、「本気で付き合ってみませんか?」とアプローチを受けます。母との別れから、「逃げてばかりではいけない」と学んだジュンギョンは、ドヒョンとの交際をスタート。ジュンギョンの父と弟にも同様の変化が訪れ、深い悲しみの中でも新しい一歩を踏み出していくというストーリーです。50代、30代、20代と、残された3人が世代ごとに異なる恋愛を通じてどのように痛みを乗り越え、新たな困難を解決していくのかは、ぜひその目でご確認くださいませ。
このほかにも心にすっと入ってくるすてきな名セリフがたくさん登場するのですが、もうひとつ好きなのが「인생은 어떤 빛나는 축복도 어떤 지독한 슬픔도 우리 곁에 오래 머물게 내버려두지 않는다(人生は、輝かしい祝福も、ひどい悲しみも、私たちのそばに長く留まらせない)」というセリフ。ドヒョンと恋を始める決意をしたジュンギョンの言葉です。
「出口のないトンネルはない」とも、「過去にとらわれずに今を生きろ」とも解釈でき、先に紹介したセリフと同様に“今を生きることの大切さ”を改めて気づかせてくれるセリフです。
若い頃の自分だったら「いいセリフだな」と思っても、「次」を当然視していて今ほどグッとこなかったかも。さまざまな経験を積んで“人生の分岐点”の輪郭がはっきりしてきた人におすすめしたい、すべてのセリフが深く心に刺さるドラマです。
K-POPアイドル、俳優にインタビューを行うフリーランスライター。学生時代からライターとして活動、韓国在住経験もあり。
この連載では、韓国ドラマのセリフやタイトルに注目し、ドラマ鑑賞がもっと楽しくなる豆知識をご紹介。韓国語能力試験(TOPIK)の最上級である6級を取得したライター・轟友貴が、独自の視点でお届けします。