今、最高のリゾートは海の上にある。さまざまなラグジュアリー客船がある中で、私たちの感性に響くのは、自由と選択とをコアに据えた、心地よい高級リゾートのようにくつろげる新しい船だ。
”海とのつながり”が心を満たす
船尾にある「アスターンプール」は、海につながるインフィニティプール。洋上で、寄港地でそれぞれに表情を変える
おおらかで、神秘的なほどに青くどんなときにも、すべての想いを受け入れてくれる存在が、海。海に抱かれていると、いつしか癒され、深くリラックスをすることができ、新たなエネルギーに満たされてくる。
そんな“海とのつながり”を感じながら心身を解放し、自由な気分で船旅を満喫できるのがエクスプローラ ジャーニーだ。ヨーロッパを本拠地とする世界的な海運会社MSCの創業家アポンテ家が、目の肥えた新世代の旅行者のために、これまでのクルーズを“再定義”して’23年に発表した船旅のブランドエクスプローラ ジャーニーは、単なる「クルーズ」ではなく海上での「ジャーニー」としてのラグジュアリーな旅を提案している。
施設や美食、ウェルネス体験でも“海とのつながり”が感じられる。海辺でリラックスした休暇を楽しむヨーロッパ流の優雅な旅スタイルが船上に繰り広げられているのだ。食事や飲み物はもちろん、スパ施設の利用なども、基本的には料金に含まれているのも魅力のひとつ。ブランド発表以来、リピーターも多くクルーズ業界でも注目を集めているエクスプローラ ジャーニー。’27年には新造船の「エクスプローラ Ⅲ」が日本周遊に初めて就航することでも話題を呼んでいる。
ここでは、主に地中海を運行するラグジュアリーリゾートのような客船「エクスプローラ Ⅱ」の魅力を探ってみよう。
デッキに備わる屋外温水ジャクジー。まさに海につかる気分でリラックス
「エクスプローララウンジ」の屋外テラスでは、海と空を眺めながら思い思いにくつろいで。シャンパーニュは、フリーフローで楽しめる
デッキに設えられた美しいカバナでは、日陰でのんびりリラックス。プライバシーを守りながら、昼寝をしたり本を読んだりしたい
エフォートレスな優雅さが魅力。船そのものが旅先
船内は、柔らかな自然光に包まれた居心地のよさ。スタイリッシュな洗練の空間にくつろぎ、大海原を眺めながらオーシャンウェルネス体験を。
エクスプローラ Ⅱの船旅は、船内で「ホスト」が手渡してくれる、よく冷えたグラスシャンパーニュから始まる。多くの豪華客船の中心にはきらびやかな階段ホールがあるが、エクスプローラ Ⅱの中心は、2層吹き抜けの「ロビーバー」。ホテルラウンジのようなくつろぎの空間だ。周囲には、洋上初のブチェラッティやカルティエ、ピアジェなどのブティックが並ぶ。船内は随所に大きなガラスが用いられていて、自然光がたっぷりと入るつくり。船全体の設計そのものに、海との一体感が意識されているのだ。デッキには、屋外温水プールやインフィニティジェットバスがあり、太陽の下、水着とバスローブで過ごす時間が楽しみになる。
一般的に船のキャビンはコンパクトだが、エクスプローラ Ⅱの「スイート」と呼ばれるスタンダードの客室は、最低でも35㎡から。全室が天井から床までガラスが広がるオーシャンフロントで、専用のテラスつき。船とは思えないほど天井が高く広々としている。床暖房つきのバスルームに、クロゼットやメイク用パウダーコーナーが隣接してあるのも、使い勝手がよくうれしい。趣味のよい色使いの上質な家具は、最新の高級レジデンスのようだ。
ウェルネスエリアの「オーシャンウェルネス ザ・スパ」は、700㎡超の広さを誇る。ハイドロセラピープールやスチームルーム、岩塩ケイブ、大理石ラウンジチェアなどを備える本格的スパ施設があり、利用は無料。グループフィットネスや瞑想体験も予約のみで参加できるし、屋外にあるマシンで海風を感じながら体を動かすのは、なんとも爽快な気分!
エクスプローラ ジャーニーでは、ロングドレスとタキシードといったような大仰なドレスコードは設けられていない。ゲストはしゃれたリゾート流スマートカジュアルに身を包み、カップルで、家族連れで、あるいはひとりで、ゆったりとそれぞれの時間を過ごしている。このジャーニーでは、女性が船長を務めていた。館内アートやソファの色みなどには、オーナー夫人の意向も反映されているとか。現社長もラグジュアリーホテルでキャリアを積んだ女性だそう。エクスプローラ ジャーニーには、最新のラグジュアリーを知りつくした女性たちの感性が息づいている。
デッキ5から大階段を降りると広がる「ロビーバー」。ディナー前後にカクテルを手にくつろぐゲストも多い
海景をパノラミックに眺められる「エクスプローララウンジ」。柔らかな自然光に満たされる居住空間だ。無料のアフタヌーンティーもここでいただく
洗練された雑貨が並ぶショップからも、海が望める
アフタヌーンティーは、ホストがトロリーで優雅にサービス。好きなものを好きなだけどうぞ。紅茶は茶葉を選んでいれるスタイル
プレミアペントハウスは52㎡。独立したリビング、ダイニング、寝室があり大人3名まで利用可。ウェルカムシャンパン1本つき
船長のセレナ・メラーニさんはイタリアのリヴォルノ出身。子供のころから海に憧れ、航海士として貨物船などでも海のキャリアを積んだ女性船長の先駆者
「スイート」のテラスには、テーブルとチェアのほかデイベッドが備わる。まさに洋上のリゾート気分。素足で過ごすラグジュアリー。上級客室のテラスには、プライベートなジェットバスもある
「オーシャンウェルネス ザ・スパ」の有料トリートメントには、スイス発の皮膚医学に基づく「Dr.LEVY」を採用。ヨーロッパ富裕層に人気の、効果が期待できる高級コスメブランド
スタジオではサウンドヒーリングのセッションにも参加したい。脳が静まり心が落ち着く、海と溶け合う時間を
美食もサービスも新しい発想で。より快適な海の旅
好きな時間に、好きなダイニングで素材と鮮度にこだわった美食体験を満喫して。非日常な船上での「食」は、一生の思い出になる。
「フィルルージュ」は、フランス料理に着想を得たエレガントな多国籍料理のダイニング。無料ワインも充実
エクスプローラ ジャーニーでは、極上の食も大きな魅力。通常の大型客船にはメインダイニングが設定されていることが多いが、エクスプローラ Ⅱでは、ルームサービスを含む9カ所の食体験から好きに選ぶことができる。イノベーティブ料理を除いて、どの場所でも料理と飲み物は料金に含まれているのが、気軽でいい。エレガントで上品な内装の「フィルルージュ」では、フランス料理を基本にした多国籍料理をゆったりと味わって。朝食もここでいただけて、キャビアをたっぷりとのせたエッグベネディクトは、航海中、何度でも味わいたいおいしさだ。「メッドヨットクラブ」は、前菜を取り分けるカジュアルなスタイルの地中海料理。“海とのつながり”を感じさせる新鮮な魚介料理も多い。ステーキハウスは、スペシャリティレストランとして別料金設定の船が多いが、「マーブル&Co.グリル」では、絶品の熟成肉を心おきなく存分に食せるのが人気。ダイニングはどこも、船内ではなく都会のしゃれたレストランにいるような落ち着いたデザインで、居心地がいい。総料理長を務めるのは、フランスの農業功労勲章シュバリエを受賞したフランク・ガランジェ氏だ。
画期的なのが「エンポリウムマーケットプレイス」。ビュッフェスタイルだが、自分で取り分けるのではなくブースに立つ「ホスト」が、出来たてを皿に盛りつけて提供する新しいスタイル。料理の種類も多く、シャリュキュトリーから贅沢なグリル料理、凝った海鮮料理、麵類や鮨まで18のコーナーが並ぶ。生パスタを選んでその場でゆでてもらえるオーダーコーナーも大人気。ディナーの際、ビュッフェでまずは牡蠣と白ワインをいただいてから、各ダイニングへ出向く、という粋な使い方もしてみたい。サービスを担当する「ホスト」たちは、世界レベルのホスピタリティのプロフェッショナル。でも、船内チップはいっさい不要。気持ちのよいスムースなサービスも、エクスプローラ ジャーニーがリピーターに支持される理由のひとつだ。
訪問する寄港地では、没入型のツアーも設定されている。海とつながり、その土地とつながることで、旅慣れたゲストが世界を新しい視点で再発見し、自分を見つめ直すことができる船旅が、エクスプローラ ジャーニーだ。
アジア料理「サクラ」には海を眺めるガラス張りの空間や屋外デッキ上のテーブルもある。鮨や刺身などの和食も人気
キャビアを贅沢にのせた前菜など「アンソロジー」ではイタリア伝統料理をベースにしたイノベーティブな美味を提供。ここのみ追加料金が必要
オイスターバーには数種類の新鮮な牡蠣が並ぶ
「メッドヨットクラブ」のタコのガリシア風
「フィルルージュ」の舌平目のソテー。上品なおいしさ
「クレマカフェ」ではポルトガル名物のパステルドナタをぜひ!
「エクスプローラ Ⅱ」は、’26年現在、地中海や西ヨーロッパを航行。4〜7泊の比較的短めのジャーニーもある。●2024年就航/ 63900トン/全長248m /客室数461/最大乗客数900人
スペインのバルセロナから乗船、モロッコのタンジェに寄港し、ポルトガルのリスボンで下船する4泊5日。ほかにイタリア、ギリシャ、トルコなどをめぐる多種多彩なジャーニーがある。参考価格4泊1名$2,640〜。
船上から眺めるリスボンの街
タンジェの旧市街地カスバを歩くツアー(有料)もある
モロッコならではの形と色がフォトジェニック
みやげもの店で猫に出会う
information
「エクスプローラ Ⅲ」が ’27年9月、初めて日本にやってくる
’28年までに世界各地で6隻体制を目ざしているエクスプローラジャーニー。’26年7月24日に地中海プレリュードジャーニーに出航するのが、新造船「エクスプローラ Ⅲ」。72810トンとエクスプローラ Ⅱより少し大きなサイズでありながら定員はほぼ同じ。ウェルネス施設も利用しやすくなり、贅沢なゆとりをもたらしてくれる船だ。就航後は、世界各地をめぐり、’27年9月には太平洋を渡って、日本初就航を果たす予定。日本各地の港やアジアの都市からの発着で、エクスプローラ ジャーニーを体験する好機が到来する。www.explorajourneys.com
「エクスプローラ Ⅲ」は、屋内プールもよりリラックス感のある贅沢な雰囲気に。
問:contact@explorajourneys.com
取材・原文/坪田三千代 ※エクラ2026年6月号掲載