時計やジュエリーの楽しみ方には、その人のファッションストーリーや美意識、生き方までもが映し出されるもの。ジュエリーにも負けない輝きを放つ3人の女性が、年齢を重ねてきたからこそ行きついた、"今”を映すレイヤードスタイルを披露してくれた。
長谷川京子
年齢を重ねるにつれて、ジュエリーの力を実感するようになったという長谷川さん。大人ならではの遊び心を加え、自由な感性で重ねて。
Necklace & Watch : Cartier
Chain bracelet(Above) : GRAFF
Chain bracelet(Below) : FRED
Earring(Triangle) : LOUIS VUITTON
Earring(Hiragana) : Bijou de M
Ring : Vintage
〈上の写真〉Shirt & Pants : ESS BY
香水や赤リップのように、時計やジュエリーが最後に女性像を仕上げてくれるんです
「つけっぱなしにしていて、もはや体の一部のよう」と語るゴールドチェーンのネックレスとブレスレットに、その日の気分で足していくのが今の長谷川さんの定番スタイル。クラシカルな太いレザーバンドの時計をバングル感覚で効かせつつ、圧倒的なクラス感を宿すダイヤモンドブレスレットや、よく見るとひらがなの「き」の文字のピアスなどをプラス。時計は、ただ時間を見るためのものではなくファッションの一部だという。
「カルティエのこの一本は、購入時は赤いベルトだったのですが、数年前に黒に替えてまた新鮮な気持ちで使うようになりました。ジュエリーも時計も、ずっと同じスタイルで使うのではなく、そのときの自分に合わせて更新していけるのが魅力ですよね」。リネンのセットアップをさらりとまとったシンプルな装いに、多彩なゴールドジュエリーのツヤ感が映える
かわいげとエッジのバランス感。そんな足し引きのバランスが楽しい!
白のコットンTシャツ&フレアスカートに、ボリュームパールの重ねづけで、クラシカルなだけで終わらない、ほのかにエッジの効いた装いに。
「シンプルなパールネックレスだとかわいくまとまりすぎてしまう気がして。昔買ったヴィンテージのパールベルトをネックレスのようにアレンジしました。手もとにも2本のネックレスを何重にも巻いて、ボリュームたっぷりに」。最後にパームカフでモダンさを加えるのが、長谷川さんらしい粋なレイヤード
Pearl necklace(Belt) : Vintage
Chain necklace & Bracelet : Cartier
Pearl bracelet(Necklace/Thin) : TASAKI
Pearl bracelet(Necklace/Thick) : Bijou de M
Ring & Palm cuff : GAGAN
T-shirt & Skirt : ESS BY
Shoes : PHOEBE PHILO
気持ちも印象も上向きにするジュエリーという名の魔法
私の中でジュエリーは、香水と似た存在かもしれません。その日の装いや気分に合わせて、女性像を仕上げてくれる感覚がある。そして、人にどう見られたい、というより、自分自身の気分を底上げしてくれる役割なんです。
実は少し前まで、今ほどジュエリーに興味がありませんでした。顔まわりや肌の印象が年齢とともに少しずつ変化してきて、なんとなく寂しく見える、その“なんとなく”を埋めてくれたのが、上質なジュエリーだったんです。
最初に”いいジュエリー”の魅力に開眼したきっかけは、グラフのピアスでした。ひと粒のダイヤモンドの強さって、こんなにも人を変えるんだ、と。赤いリップを塗ったときみたいな高揚と、自分の印象がすっと引き上げられる感覚がありました。年齢を重ねるって、こういう力を味方につけていくことでもあるんだなと。今は、心惹かれるものを少しずつ集めて、自由に重ねるのが楽しい! 足し引きのバランスで自分らしく落とし込むのが好きです。
ジュエリーや時計選びは、最後はやっぱり直感。流行のものでも、自分がときめかなければ使わなくなる。それから、実際につけてみて、どう見えるか、どんな服に合わせたいかまで想像するようにしています。少し引いて全体のバランスを見ることも、大人な楽しみ方なのかもしれません。ジュエリーや時計は、年齢を重ねた女性にとって、ただ飾るためのものではなく、自分を好きでいるための力だと思います。
グラフのダイヤモンドピアスや、小指につけているというカルティエのトリニティなど、ラグジュアリーな名品に加え、キャッチーなモチーフジュエリーで遊び心を足すのが長谷川さんらしいスタイル。「時計もメンズライクなレザー時計から、シャネルのプルミエールのようなブレスレットタイプまで、イメージががらりと違うデザインを、その日の女性像によって使い分けています」
Bangle : HERMÈS
Watch : CHANEL
Necklace(Star) : CHANEL
Necklace(Gold) : MESSIKA
Ring(Snake) : MIO HARUTAKA
Ring(Triple) : Cartier
Ring(Pearl) : VARSACE
Earrings : GRAFF
はせがわ きょうこ●’78年生まれ。俳優。ドラマ、映画、舞台、CMに多数出演するほか、テレビ番組のMCとしても活躍。ライフスタイルブランド「ESS BY」のプロデュースも手がける。YouTubeチャンネルや、Podcast『長谷川京子のうちにおいでよ』も好評。
君島十和子
美容もファッションも「新しい自分を更新しつづけたい」という君島さん。日常に寄り添い、自分が心地よいと思うジュエリーをシリーズで重ねづけ。
物そのものよりも主役はあくまで”自分”!
ジュエリーや時計を選ぶとき、30代のころは“一生使えるか”という観点でしたが、50代になった今、大事なのは〝毎日つけたいと思えるか〟。特別な日のためだけでなく、日常の中で自然と手がのびるものを選ぶ。そのほうが結果的に長く愛せるし、自分らしさの一部になっていく気がするんです。
例えば、今日の撮影で選んだエルメスのシェーヌ・ダンクル。ラグジュアリーさと抜け感、エレガンスとクールさのバランスが今の自分にちょうどよくて、組み合わせを変えてほぼ毎日身につけています。以前は甘くて華やかなモチーフのジュエリーが多かったのですが、この2〜3年で好みが変わり、ファッションもより軽やかでリラクシーに。ジュエリーも、自然と今の自分に心地よいバランスに変化しました。
つい、憧れの存在として物にフォーカスしがちですが、あくまで主役は自分! 年齢を重ねるほど、アイテムそのものではなく、自分との相性やバランスを見ることが大切になってきました。私にとってジュエリーや時計は、その時々の自分を表す存在。それから、これが似合う自分であろうという、約束のようなものでもあります。
Necklaces : HERMÈS
Watch : HERMÈS
Bangle & Bracelets : HERMÈS
Rings : HERMÈS
Earrings : HERMÈS
Blouse & Skirt : HERMÈS
Shoes : BOTTEGA VENETA
ジュエリーは今の自分を思い出させてくれる存在。“こうありたい”という約束のようなものでもあります
マローネカラーの着こなしに、ジュエリーもすべてエルメス。あえて同じブランドでまとめることで、たっぷり重ねても統一感が生まれ、上品な印象に。
「同じモチーフでも微妙に表情が違うので、重ね方によって自分らしいバランスが生まれます」。お気に入りのシェーヌ・ダンクルは、ご主人がつけていたブレスレットがきっかけで、バングルを手にとったのが始まりだったそう。
「好きになるとつい集めてしまう性格で。そこから少しずつ買い足すようになりました」。少しハードな印象のシェーヌ・ダンクル パンクの3連ネックレスも、夏はシンプルなシャツに、冬はニットにと季節を問わず愛用中。世界地図になったデュアルウォッチもエルメス。
「パリと仕事をすることが多いので、複数の時間が同時に表示でき、自分の生活に寄り添う機能性に惹かれました」。時計は、季節や気分によってベルトを変えて楽しんでいるそう。
「エルメスはいつ身につけても古い感じがしないタイムレスさが魅力。その人のたたずまいを引き立てて、洗練してくれるところが好きなんです」
きみじま とわこ●’66年生まれ。モデル・俳優を経てスキンケアブランドFTCクリエイティブディレクター、美容家として活躍。自身の美容体験をもとに発信するインスタグラムやYouTubeなど、SNSも人気。
佐田真由美
自身でブランドを手がけていたこともあるほど、ジュエリーを愛する佐田さん。インティメートなコレクションから"今の私らしい"アイテムをレイヤードして。
ヴィンテージも、ラグジュアリーもジュエリーはその人の人生を映し出すもの
「ジュエリーや時計は、ずっと同じものをつけるより、気分で毎日つけ替えたいタイプ。今は華やかなゴールドよりも、シックなホワイトゴールドやシルバーに惹かれます」。そんな静かな輝きが主役になるよう、洋服はモノトーンですっきりと。ゾウやホースシューなど、ラッキーモチーフを選びがちという佐田さん。リングは年齢を重ねるごとに、ボリュームのあるものが似合うようになってきた。時計は「小ぶりのロレックスをブレスレット感覚で。ぴたっと手首に添う女性らしいサイズ感もポイントです」
Necklace(Elephant) : enasoluna
Necklaces(Silver ball) : Indian jewelry
Necklace(Heart) : Tiffany & Co.×Supreme
Watch : ROLEX
Bracelet : HERMÈS
Ring(Right hand) : FRED
Ring(Left hand/Triple) : Cartier
Ring(Left hand/Horseshoe) : TENDERLOIN
Earrings : enasoluna
Top : TODAYFUL
Pants : ENOF
Shoes : Repetto
想いやストーリーがつまったジュエリーは”PEACEのかたまり”
ジュエリーに惹かれるようになった原点は、16歳で訪れたシアトルのアンティークショーでした。そこで出会った小さなパールのリングが、忘れられないほどかわいくて。当時の私には決して安いものではなかったけれど、思いきって手に入れました。その輝きが、洋服とはまた違うかたちで心を豊かにしてくれることを知ったんです。
自分のジュエリーブランドでも、ただ着飾るためのものではなく、つける人の想いや物語に寄り添うものを作りたいと思っていました。ジュエリーや時計には“受け継いでいける”という魅力もありますよね。自分の娘たちにそんな想いを残せるのもうれしい。
今改めて、ジュエリーって“PEACEのかたまり”だと思っています。新しいもの、ヴィンテージのもの、手に取りやすいもの、憧れて手に入れたもの、大切な人から贈られたもの……そのすべてが特別で幸せで、それらを自由にミックスすることで、自分だけのジュエリーの表情が生まれる。全部"いいもの”である必要はなくて、何をつけているか以上に、どう重ねて、どう自分らしく見せるか。そこに、その人のセンスや人生が映るのだと思います。
佐田さんにとって大切なジュエリー。
「時代を越える名品も、ヴィンテージも、ラグジュアリーなダイヤモンドも、それらを手に入れたストーリーもひっくるめて、全部が自分らしくて愛いとおしい」。クラッチバッグ型チャーム(左)は、佐田さんが手がけたジュエリーブランド、enasolunaの10周年で制作したもの。中に入った女性の必需品のミニチュアは、すべて本物の天然石が使われた贅沢な逸品。ダイヤモンドを敷きつめたリング(右下)は、ジュエリーの制作技術を競う大会で日本人初の金メダルを獲得したジュエラー「HIROUMI」が制作。「今の自分にはまだまだ憧れの存在。これが似合う女性になるのが目標です」
Bone cuff : Tiffany & Co.
Ring : enasoluna
Necklace : Chrome Hearts
Charm necklace : enasoluna
さだ まゆみ●’77年生まれ。3歳からモデル活動をはじめ、雑誌から広告まで幅広く活躍。俳優のほか、現在はコスメブランド「THE FLOWER SHOP」のディレクターも務めている。
撮影/赤尾昌則(whiteSTOUT) ヘア/Dai Michishita(beauty direction ) メイク/佐々木貞江 ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris) モデル/長谷川京子 君島十和子 佐田真由美 取材・原文/東原妙子 ※掲載アイテムは私物のためショップへの問い合わせはお控えください ※エクラ2026年6月号掲載