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東京都在住。結婚後に京都、アメリカ、ドイツを経て再び都内へ。会社員(看護師)。夫、娘2人。趣味は旅行、着物、ピラティス、音楽鑑賞。フットワーク軽くアクティブに過ごしながら発信を楽しみたいです。

【代官山 T-SITE・9/13まで】20年ぶりの新刊『マーガレット・ハウエルの暮らしと仕事』刊行記念展

マーガレット・ハウエル、20年ぶりの新刊「マーガレット・ハウエルの暮らしと仕事 Margaret Howell Life and Work」が刊行されました。

発売を記念して、代官山T-SITE GARDEN GALLERYでは、書籍の世界を体感できるエキシビションを開催中。

今回ご縁をいただき、一般公開に先駆けて行われた内覧会へ伺いました。

contents

『マーガレット・ハウエルの暮らしと仕事』刊行記念展

日常に寄り添う、憧れのブランド

マーガレット・ハウエルは、私にとって若い頃から憧れのブランドのひとつです。

「憧れのブランド」というと、非日常の華やかさや、身につけることで得られる高揚感を思い浮かべることもあります。

けれど、マーガレット・ハウエルへの憧れは、もう少し日常に近いもの。

シャツやニット、コートなど、毎日の暮らしに寄り添う服を、素材や仕立て、使いやすさによって上質な一着へと変えていく。

若い頃から惹かれてきたのは、その服だけでなく、何気ない日常を心地よく整えてくれるような、ブランドの静かな佇まいだった気がします。

代官山で開催中の刊行記念エキシビション

会場となったのは、代官山T-SITEの一角にあるGARDEN GALLERY。

緑に囲まれたガラス張りの空間に一歩入ると、服や写真、道具、資料などが静かに並び、マーガレット・ハウエルの世界観が広がっていました。

派手な演出があるわけではないのに、一つひとつのものが印象に残る。

それは、日常の中で使われるものの美しさを大切にしてきた、彼女らしい展示だからかもしれません。

TSUTAYA BOOKSの店舗外観。全面ガラス張りの建物で、入り口には自動ドア。窓からは本棚が並ぶ様子が見え、温かい光が灯っている。建物の外観は白とグレーを基調としたモダンなデザイン。

会場のある代官山T-SITE。蔦屋書店を中心に、カフェやショップが緑豊かな敷地に点在する複合施設です。「T」をモチーフにした白い外壁が印象的。今回の会場となるGARDEN GALLERYは、蔦屋書店の奥にあります。

白い建物に面したガラス張りのショーウィンドウ。中に男性と女性の服が展示され、Margaret Howellのロゴがある。ショーウィンドウの前に立て札があり、緑豊かな木の葉が背景に茂る。

蔦屋書店からさらに奥へ。木々の間に佇むGARDEN GALLERYから、あたたかな灯りがこぼれていました。

展示されていたのは、彼女が「見ていたもの」

美術館で、2人の女性が壁に飾られた3枚の写真を見ている様子。左から、風景写真、人物写真、洗濯物が干された風景写真。女性たちは鑑賞に熱心な様子。

Akikoさんと写真を鑑賞。日本の懐かしい風景が印象的でした。

エキシビションで特に印象に残ったのが、マーガレット・ハウエル自身が撮影した写真です。

写っているのは、日常の風景や建物、光、何気なく置かれたもの。

同じ場所を歩いても、何に足を止め、どこを切り取るかは人によって違います。

写真を眺めているうちに、ここに展示されているのは、彼女が見た風景であると同時に、彼女が世界をどのように見ているか、その「視点」そのものなのだと思えてきました。

本に綴られた暮らしや仕事も、会場に並ぶ服も、この視点から生まれているのでしょう。

白い壁に掛けられた服と絵画。左から、白いシャツ、黒のストライプのワンピース、青色のボタンダウンシャツ。それぞれの服は木製のハンガーに掛かり、壁には様々な絵画が飾られている。
展示ケースと壁に並んだ、マーガレット・ハウェル(Margaret Howell)の衣料品と雑貨。壁には写真が飾られ、ケース内には靴、バッグ、ノートなどが展示されている。
白いテーブルに並べられた書籍とトートバッグ。書籍は様々なデザインで、写真集やアート関連のものと思われる。トートバッグは茶色で、白い文字で「Margaret Howell Life and Work」と表記されている。背景には、人々の姿が見える。
白いテーブルに、マーガレット・ハウエルカフェの書籍や雑貨が並んでいる様子。書籍は数冊積み重ねられ、包装箱や布製バッグ、コースターなども配置されている。
美術館で写真作品を鑑賞する3人の女性。左は白いシャツに赤い襟巻き、黒いズボン、右は白いワンピース。中央の女性は黒いベストと白いブラウスを着て、赤いタブレットを持っている。背景に白黒写真が飾られている。

私の本棚にもある前作『マーガレット・ハウエルの「家」』その編集を担当された水谷さんから、取材当時の貴重なお話を伺いました。熱心にメモを取るキャリゆかさんと、お母さまから受け継いだ美しいワンピースで参加されたKaedecoさん。

路面店の前で笑顔で写っている。黒い帽子とジャケット、帽子と黒いワンピース姿。それぞれがショッピングバッグを持っている。

akkoさんとツーショット。偶然にも二人とも、コーディネートの仕上げにキャスケットをプラス。秋を先取るトラッドなリンクコーデになりました。

美術館のような場所で、7人の女性が笑顔で写っている集合写真。木目調の壁に白黒の絵画が飾られ、女性たちはカジュアルな服装で身を寄せ合っている。

内覧会でご一緒した皆さまと。前列右は「éclat」編集長、左は編集部の神野さん。展示作品を背景に、記念の一枚。

前作「家」から、今作「暮らしと仕事」へ

2006年に刊行された前作『マーガレット・ハウエルの「家」』は、1989年から17年間にわたって取材された住まいやインテリアを通して、彼女のもの選びや暮らしの美意識を伝えた一冊でした。

それから20年。

今回の「マーガレット・ハウエルの暮らしと仕事」では、2024年に移り住んだロンドンの住まいやサフォークの家に加え、ものづくりの現場、ブランドを象徴する服、素材、職人、家族との記憶などへと世界が広がっています。

前作が「彼女は何を選び、どう暮らしているのか」を見せた本なら、今回は、その美意識がどのように育まれ、仕事やデザインへつながってきたのかをたどる本。

暮らしと仕事は別々にあるのではなく、一人の人間の視点から自然に生まれ、つながっていることが伝わってきます。

Margaret Howellの書籍「Life and Work」の表紙。左ページには女性と男性が笑顔で写り、右ページには白黒写真がコラージュされている。下部には日本語のテキストが見られる。

服の本であり、暮らしの本であり、一人の女性の本

 
ページをめくると、住まいに差し込む光、使い続けてきた家具や生活道具、仕事場、素材に向き合う職人の姿が現れます。

そして、ブランドの原点となったシャツやリネン、コート、ニットなど、時代が変わっても作り続けられてきた服たち。

それらは「美しいもの」として並べられているだけではありません。

なぜそれを選んだのか。
なぜ長く使い続けているのか。
なぜこの服は、今も作り続けられているのか。

マーガレット・ハウエルが大切にしてきたものと、その背景にある時間まで感じられる構成になっています。

ファッションが好きな人は、服が生まれる背景に。
インテリアが好きな人は、住まいやもの選びに。
これからの働き方や暮らし方を考えている人は、彼女が積み重ねてきた人生に。

読む人によって、心に留まるページが違う本だと思います。

一度読んで終わるのではなく、ときどき開いては、そのときの自分と照らし合わせたくなる。そんな一冊です。

マーガレット・ハウェルの書籍「HOUSES」の表紙。女性が椅子に座り、背景には家具や装飾品が配置された部屋の様子。黄色い帯には日本語のキャプション。

“おすすめ”が溢れる時代に、自分の目を持つ

AIやアルゴリズムが、好みに合いそうなものを先回りして「おすすめ」してくれる時代。とても便利な一方、その中だけで自分らしいセンスや美意識は育つのでしょうか。感性はむしろ、予想外のものに足を止め、「なぜか気になる」と感じるところから広がるのかもしれません。

マーガレット・ハウエルの揺るがないスタイルも、自分の目で見て、選び、使い、考えることを長い時間積み重ねた結果なのだと思います。

誰かが自分好みに整えてくれる便利な時代だからこそ、自分の中に生まれた小さな違和感や心の動きを、見逃さないこと。

この本とエキシビションは、「何を選ぶか」だけでなく、「私は何を見ているのか」を考えるきっかけになりました。

美しい写真や服、インテリアを眺めながら、自分の暮らしやものの見方へと、静かに思いが返ってくる。

「マーガレット・ハウエルの暮らしと仕事」は、センスの正解を教える本ではなく、自分の目でもう一度、身近な日常を見てみたくなる本でした。

木製のテーブルに置かれた複数のグラス。オレンジ色のミモザ、ビール、透明な飲み物が入っており、手でグラスを持ち、乾杯している様子。

エキシビションの後は、同じくT-SITE内の IVY PLACEへ。余韻に浸りながら乾杯し、お互いの撮った写真をシェア。楽しい時間はあっという間でした。

このような素敵な機会をくださった関係者の皆さま、「éclat」編集部の皆さま、そしてご一緒したJマダムの皆さま、ありがとうございました。

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