農園レストラン、薪火料理、そして鮨。新潟ガストロノミーの今を知ることができる、3年以内にオープンした最注目店をご紹介。今回は、薪火料理を味わえる『宇呀(うが)』へ。
宇呀(うが)
山の環境保全、林業のサステナビリティのため、間伐材を活用できる薪火料理を選んだ
新潟の食を未来へつなぐ薪火料理
長岡市出身の諏佐尚紀シェフが’25年に開業し、早くも話題店に名を連ねる薪火料理『宇呀』。新潟市の中心、本町通りの脇道を進んだ細い路地のアプローチ、築140年の古民家のたたずまいが、ここでの時間の導入だ。メニューは数編の詩のようにつづられ、10皿のコースを通じ、新潟全域の食材を味わいながら、過去から未来を旅するような食体験が待つ。
アユのひと皿は、澄んだ川の情景を思い出させる。薪火で焼かれたジビエは、山の植物の香りと火の気配をまとい、思考は狩猟の時代に誘われる。味わいや香りを重ねながら、理にかなった取り合わせと繊細な仕事で、主役となる食材の味わいが増幅する。なんと、陶器の器も自作。地元の土を用いた究極のテロワールを表現だ。
稚鮎。三面川を躍動するイメージで、苔に見立てた春菊のペーストとともに。料理はすべて¥16,500のコースより(内容は時季替わり)
諏佐シェフ。滋賀「SOWER」(現在は閉店)で、デンマーク「noma」の系譜に連なるシェフに師事。ほか全国のレストランで研鑽を積んだ
狩りで肉を得て、火を囲み食した太古の祝宴を表現した「山の獣 畑の実 炎の宴」。ウコンやネズの実など、山が香る
新潟市「すずまさ農園」のトウモロコシ、「味来」のジューシーな甘味と鮮烈な香りをスープに。あおさの香りを添えて
Data
新潟県新潟市中央区本町通9番町1326
☎非公開
昼(土・日曜のみ)12:00~、夜18:30〜(ともに一斉スタート)
不定休
https://www.instagram.com/restaurant_uga/
かつては刃物屋、包丁屋として営まれていた「古山正房商店」という大正建築の古民家長屋をリノベーションして、レストランへと生まれ変わった
撮影/宮濱祐美子 取材・原文/佐々木ケイ ※エクラ2026年10月号掲載