【眼瞼下垂手術の体験談】術後の腫れや痛みは?見た目はどう変わる?

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「眼瞼下垂の手術を受けたら、見た目はどう変わる?」「術後の腫れや痛みは?」「本当に受けてよかったと思える?」そんな疑問を持つ人のために、手術を受けた体験者のリアルなレポートを紹介します。さらに、眼瞼下垂手術を成功に導くために大切なポイントや、後悔しないための考え方について、専門医の対談をもとにわかりやすくまとめました。

【教えていただいた方】

高田尚忠さん
高田尚忠さん
高田尚忠さん

眼科医。高田眼科(静岡県浜松市)院長、フラミンゴ眼瞼・美容クリニック(愛知県名古屋市)主宰。眼科医と形成外科医の知識、豊富な眼瞼手術の術者としての経験をもとにファシアリリース法を考案。保険適用手術にこだわり、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上。全国から患者が来院。メールでの眼瞼下垂相談も可能。

眼瞼下垂手術の体験レポート

実体験! 眼瞼下垂に気づいてからのつらい日々

この記事の担当ライター蓮見が「私も眼瞼下垂かもしれない」と思い始めたのは数年前のこと。
「疲れてるの?」「眠いの?」などと心配されることが多くなったうえ、おでこのシワが急に増えたからでした。

さらには涙が止まらない症状が続き、眼科で診てもらうと、ドライアイとの診断。 そのうち、長時間パソコンに向かっている日の夕方には、目をちゃんと開けていられなくなり、重いというか視野が狭いというか眠いというか…、仕事にも支障が出る状態になっていました。
それでも周囲からは「目はパッチリ開いているし、眼瞼下垂には全然見えない」と言われ続け、このつらさは人にはわからないものなのね…と感じていたのです。

その頃、眼瞼下垂について調べていると、かなりの確率でヒットする眼科医のブログ記事がありました。私が知りたいことは、ほぼこの先生が知っているのね…。でも、先生のクリニックは浜松と名古屋だから、手術は難しいのかな?
そう思っていたのと同じ時期。
友人がSNSで「眼瞼下垂の手術をしてきた」と投稿しているのを目撃! その後の経過を報告しているのをみると、保険診療での手術のうえ、手術時間は両目で30分。術後1週間ですでに目立たなくなっている!
何より「めちゃめちゃ自然〜♪」と、皆さん絶賛しています。

どこで手術したの? なぜそこにしたの? いくらかかったの?
カウンセリングに行ったの? 根本的に治すには手術しかないのよね?
などなど、質問を浴びせまくったことは言うまでもありません。

すると、友人を執刀した先生は、まさに私が何度も見ていたブログの眼科医、高田尚忠先生ではありませんか!
これはホンモノだ。私も診てもらいたいかも! と急激に治療したいモードに突入したのでした。

OurAge×Webエクラ  順序は逆になりますが、高田先生に手術をしてもらった直後の写真です。唯一のツーショット

順序は逆になりますが、高田先生に手術をしてもらった直後の写真です。唯一のツーショット

多くの人が当てはまる可能性のある「隠れ眼瞼下垂」とは?

そんなとき、タイミングよく眼瞼下垂をテーマにした記事を作る機会がやって来ました。 待ってましたと高田先生に取材を申し込み、お話を聞いたついでに、自分の症状についても質問すると…「隠れ眼瞼下垂症」とのこと。

隠れ眼瞼下垂? 聞いたことがない症状です(後からわかったことですが、ネーミングしたのは高田先生だそう)。
それは、いわば「眼瞼下垂の代償期」といえます。

具体的には、腱膜が緩んできたばかりだったり、外れかけているような状態。眼瞼下垂が軽度の場合は、ミュラー筋や前頭筋などがまぶたの開閉をバックアップしてくれるため、なんとか正常な開瞼ができているように見えます。
実際は目の開きが悪くなっているのに、パッと見た目にはわからない。
でも本人はもうまぶたの力が弱くなり、眉の力で目を開いて見ていたり、おでこの力を使って目を開けている状態なのです。

素人目には眼瞼下垂には見えないけれど、専門家が診れば、私がおでこの力を抜いたふとした瞬間に、まぶたの縁が瞳孔にかかってしまっていることがわかるようでした。

OurAge×Webエクラ  Before 手術前の目元

長年おでこに力を入れて目を開けていたせいで(本人はそのつもりなし)、おでこにはもはや深いシワ! 右目には「サンケン・アイ」と呼ばれる引きつれたようなシワがくっきり入り、しかも二重がよれてしまっていました。

「人の体はよくできていて、上まぶたの筋肉が衰えてまぶたが上がらなくなったとしても、カバーする機能があります。
おでこの筋肉を使って眉を上げることで、まぶたの働きを助け、一見して眼瞼下垂ではないような状態に見えるんですよ。

これが眼瞼下垂の代償期、隠れ眼瞼下垂です。眼瞼下垂に伴う症状、肩こり、頭痛、眼精疲労などは、この代償の働き、おでこにある前頭筋の過緊張によって引き起こされるものなんです。

医療機関で眼瞼下垂ではないと診断される人もいますが、私は眼瞼下垂手術を行うかどうかを考えるうえでは、この代償を考慮した診断が大事だと思っています。
当院では眼瞼下垂が軽度であっても、特有の症状に悩まされていて、それが眼瞼下垂手術により改善される見込みがあるのであれば、保険適用の手術対象としています。

ただ、手術は最終手段ですから、術前の診察や説明をきちんと理解したうえで選択すべきでしょう」と高田先生。

OurAge×Webエクラ  正常 軽度 中度 重度

MRDチェック。おでこを動かさないようにして慎重にこのテストをやると、私も確かに「中度」。疲れていたら「重度」にもなりそう。

自分は眼瞼下垂の症状があると思っているのに、眼瞼下垂と診断されなかった人の中には、私と同じ隠れ眼瞼下垂の人がたくさんいるのだろうと確信!

治療とともに自然な二重になる⁉ 保険適用の「TKD切開法」

トントン拍子に手術したように見えますが、実際には手術法について慎重に予習をしていました。
というのも高田先生の手術法は、他の医療機関にはない「TKD切開法」というオリジナル手法だったからです。
高田先生は眼科医でありながら形成外科を学んできたという珍しい医師。眼科医ゆえ、手術は“顕微鏡下”で行われます。

眼瞼下垂の手術にはいくつか代表的な術法があり、その中で最も一般的で安定した仕上がりが期待できるのが、新しい考え方の「挙筋腱膜前転法」。「ファシアリリース」を用いた挙筋腱膜前転法がそれです。
高田先生の医院では、「TKD切開法」という手法を加えた独自の手術を行っています。「TKD切開法」とは、不自然に二重が広くなりすぎないようにするための皮膚切開デザインのことです。

挙筋腱膜前転法は、まぶたを切開して挙筋腱膜を引き出して前転させ、瞼板に再固定する方法ですが、傷つきやすく再発もしやすいミュラー筋には触らないので、安心な術法といえます。

OurAge×Webエクラ 上眼瞼挙筋
OurAge×Webエクラ  手術前写真

手術の直前に撮ってもらった写真です。治療用のリクライニングチェアに座り、笑気麻酔。これから局所麻酔に入るところ。ドキドキ… 

で、TKD切開は何が違うのか?

「眼瞼下垂の手術に求められるのは、まぶたの機能を正常にするだけでなく、できるだけ人相を変えないこと、不自然な印象を与えずに美しい目にすることだと思っています。
当院は、保険診療の眼瞼下垂手術に特化したクリニック。保険診療だと、どうしても仕上がりに配慮しないと思われることが多いのですが、私は決してそうではありません。

美容外科での手術では、幅の広い二重にしたい人が多いでしょう?
ところが、当院の患者さんの中には他院の手術で二重の幅が広くなりすぎてしまい、それを狭めてほしいという人がとても多いんです。

そこで考え出したのがTKD切開法でした。切開するのは通常よりずっとまつ毛の根元に近いライン。まぶたのきわに近いほうが傷あとが目立ちにくく、不自然な二重になる心配もありません。その分、技術は難しいですが…。

保険診療なので皮膚自体の切除は3~4㎜程度で、眼輪筋や眼窩脂肪も二重幅をつくるだけの最小限の切除にします。
さらに、ファシアリリース(結合組織による癒着を剥がす)を追加して腱膜をフリーにするため、負荷の少ない状態で前転・固定することができ、それが自然な二重につながるんです」

こんな説明をしてくれた高田先生。信頼しないわけにはいきません。
そして、私もいよいよ手術にこぎ着けました。

もちろん、TKD切開法+ファシアリリース。
はたして、目は開けやすくなるのでしょうか? どれくらいで目立たなくなるのでしょうか?

イラスト/かくたりかこ 取材・文・画像制作/蓮見則子
初出:OurAge 2024/7/11

手術ははたして痛いのか、怖いのか? 現実は…

職業柄、長年目を酷使していたせいか、眼瞼下垂が気になって仕方なかったライター蓮見。
実際はまぶたが瞳孔にかかるほど落ちてきているのに、おでこや眉の力で目を開けているので、パッと見た目にはわからない「隠れ眼瞼下垂」でした。

OurAge×Webエクラ  Before 手術前の目元

当時、高田尚忠先生は浜松と名古屋のクリニックでしか手術を実施していなかった(*)のですが、それでも高田先生を選んだのは以下のような理由から。
① 眼瞼下垂の専門ドクターであること(眼科医のため顕微鏡手術)
② 保険診療が主体であること(私は治療がしたいのであり、美容整形をしたいわけではなかったので)
③ 先生の執筆しているブログ記事が多数あり、その内容に納得できたこと
④ 手術件数がとにかく多いこと(症例もSNSでたくさん見られる)
⑤ 仕上がりが不自然にならない、印象が変わらないことを大切にしていること
⑥ 翌日の状態チェックから始まり、アフターフォローが明確なこと
⑦ 何より、友人が実際に手術を受けたドクターであること
*2024年7月現在、東京の提携先のクリニック(あさ美皮フ科亀戸駅前)で定期的に手術を執刀されています。

そして、手術当日がやって来ました(手術までの経過は、前回参照)。
東京から名古屋へ向かい、予約の時間にクリニックへ。術前のカウンセリングでは、手術の内容、術後のセルフケアの重要性などの説明があります。すでに前々から知っていたことだったのでオールOK。

もともと保険診療が主体なので、カウンセリングで自費診療をすすめられることもありません(実は過去に、他院で自費での手術をすすめられた経験あり)。

手術中も術後も、まったく痛みがないことに驚き!

呼ばれて治療室に入り、リクライニングの施術チェアに座ると、もう笑気麻酔+局所麻酔が始まります。まぶたへの麻酔注射は、思いのほか痛かった!
とはいえ、麻酔の針がとても細いのでチクッとほんの一瞬。そんな麻酔だけで、術中はまったく痛みなし。顕微鏡下での高周波メスのためか、皮膚を切開していることもわからない。血が出ているかどうかすらわからないのです。

手術の最中、鏡を渡されて「あとはもう縫うだけ。今こんな感じです」と確認されました。縫合する前、必ずこのように確認してもらうそうです。 私の場合、いつもおでこの筋肉を使って目を開けていたため、無意識に勢いよくまぶたを開けてしまったようです!

OurAge×Webエクラ その後、先生の声からして「今、縫っているのかも」と想像できましたが、縫う感触すらありません。術後に縫合糸を見せてもらうと、ほとんど目には見えない細〜い糸! まさにミクロの世界です。

その後、先生の声からして「今、縫っているのかも」と想像できましたが、縫う感触すらありません。術後に縫合糸を見せてもらうと、ほとんど目には見えない細〜い糸! まさにミクロの世界です。

そんなこんなで手術は35〜40分ほどで終了。
高田先生は、手術時間は「両目で約30分」と決めているそう。手術時間が短いということは、使用する麻酔量が少なくてすみます。麻酔による組織の膨らみが抑えられ、炎症反応による腫れも少なく、組織の変形が最小限に抑えられるのがメリット。
手術時間が長いほど出血量も多くなり、内出血により組織が膨らむことが多いのだそうです。

麻酔が切れたら痛いのだろうと思っていたら、なんと「麻酔は30分で切れてますよ」と言われました。つまり、術後はすでに麻酔が切れている。にもかかわらず、痛みも何も感じないのです(これは夜になっても翌日になっても同じでした)。

OurAge×Webエクラ 手術直後 痛みはまったくなし。右は、いただいた薬類です

あとはガーゼを当ててテープを貼られ、処方箋をもらって帰るのみ。
薬は5日分の抗生物質、1日分の痛み止め(痛みはなくても腫れ止めのつもりで飲むようにとのこと)、2週間分のタリビッド眼軟膏(まぶた用の塗り薬)、同じくトランサミン錠(女子にうれしいトラネキサム酸/傷の治りを早くする目的)。
これらに加え、まぶたを冷やすアイマスク的なもの(中に保冷剤が入っている)も。とにかく「暇さえあればまぶたを冷やし続けてください」とのことでした。

ダウンタイムを短くするポイントとは?

ガーゼを貼られているので、ホテルまでサングラスをかけて帰ります。
手術の翌日に状態確認チェックがあるので、遠方から手術を受けに行く人は近隣に1泊するのが必須。外に出ず、ホテルの部屋にこもって冷やしていました。

手術の翌日。クリニックでガーゼを剝がしてもらい、先生の確認です。「特に問題はないです。あとはもうとにかく冷やして、セルフケアを頑張って」とだけ指示されました。
高田先生のクリニックでは、ダウンタイム(回復するまでの時間のこと)を短くするために、術後のセルフケアが重要視されます。患者に渡される指示書を要約すると…

●腫れが引くまでの数日間はまぶたを冷やすこと
●2週間後の抜糸までは軟膏を塗り続けること
●数日間は可能な限り安静に
●数日はシャワーだけで入浴は禁止(血流をよくしない)
●抜糸まで洗顔や洗髪でまぶたを濡らさないこと
●1、2カ月はできる限りアイメイクはしないこと
●マツエクやパーマは3カ月間禁止
●1カ月は禁酒(キビシ〜!)
●1カ月は激しい運動も禁止(キビシ~!!)
●ともかく触ったりこすったりしないこと

ざっとこんな感じ。
これらを守らないと炎症が治まらずに回復が遅れるだけでなく、腫れが長引いた結果、傷あとがよれたりして不自然な仕上がりに、なんていうトラブルにも…。

前夜、目を冷やすアイマスクのジェルがホテルの冷蔵庫でうまく冷えず、さらに新幹線で帰京したため、きちんと冷やすに至りませんでした。
帰宅して鏡を見てみると、まぶたはじわじわ腫れてきていて、明らかに炎症と思える赤みが出てきているではありませんか!

OurAge×Webエクラ 術後1日目 熱を持って、じわじわ晴れてまいりました!
OurAge×Webエクラ 術後1日目 黒い線が縫合した部分。二重の線上です
OurAge×Webエクラ 術後1日目 黒い線が縫合した部分。二重の線上です

これはマズい! と慌てて家にあったアイスノンベルトも動員し、まぶたを冷やし続けます。
が、まぶたを冷やすということは目を閉じることになります。
要するに、まぶたを冷やしている間は何もできないのです。
これは想定外でした。「あーもうこれは数日間、安静にしていなければならないのだな」と自覚した瞬間でした。

また、軟膏をまぶたの際に塗るということは自然に目の中にも入ってしまい、ぼやけてかすんでよく見えない。まぶたにのせているアイマスクやアイスノンなどに軟膏がくっついて汚れてしまうのも困る。この問題に関しては、手術経験者の友人から「軟膏を塗ったあと、台所用ラップを貼る」というアイデアを伝授してもらいました。

そもそも傷を早く治すには、なるべく乾かさない「湿潤療法」がいいので、覚悟を決め、家にいる間中ずっとまぶたにラップを貼りつけていました(笑)。

3日目。
いちばんひどく腫れていたのは、この頃です。まぶたから頬のあたりまで、日によっては顔全体がむくんで腫れていました。傷はまったく目立たないのだけれど、腫れたまぶたでは外に出る気にもなれません。

OurAge×Webエクラ 術後3日目 3日〜4日目が、腫れのピークでした
OurAge×Webエクラ 術後4日目 軟膏を塗ってラップを貼り、上から冷やします

【回復を早めるための私の工夫】

●数日間は、寝ている間もアイスノンベルトや保冷剤で冷やす
(冷たくなくなると夜中でも取り替えていた)
●家にいる間は軟膏の上からラップを貼り、その上から冷やす
●なるべく触らない、メイクしない
●洗髪はシャンプーハットをつけ、まぶたを濡らさない
●暖かくしすぎない(冬だったが、血流がよくなりすぎてはいけないと思ったので)
●高タンパク質&低糖質の食事(傷がある場合、これは基本!)
●腫れを見るとストレスになるので、あまり鏡を見ない

OurAge×Webエクラ 術後5日目 腫れや赤みが少し落ち着いてきました

頑張ってケアした結果、1週間でほぼわからない程度に

冷やしている間は仕事にもならないので、1週間くらいは引きこもっていました。

OurAge×Webエクラ 術後8日目 知人に「全然わからない」と言われた日

8日目。
知人に会うと「知らない人が見たら全然わからない」という感想。それでも、まだその頃は二重の幅の間が腫れ、必然的に幅広い二重になり、血行がよくなるとさらに腫れたり、朝起きるとパンパンに腫れたりしていました。
よく言えば二重の幅がすごーく広い時期で「これも悪くないじゃん」な時期でした。
その後、日に日に二重の間の腫れが引き、むしろ奥二重に近づいてきました。軟膏を塗り続けているせいで、目がぼやけてピントが合わない。遠くも近くも見えにくくて想像よりもちょっと大変な時期でした。

OurAge×Webエクラ 術後15日目 抜糸直後のバスの中。違和感はまだまだ…

2週間後(正確には術後15日目)。
ようやく抜糸です。
高田先生からは「きれいで問題ないです。視力は、軟膏を塗るのをやめたら戻りますからね」とのこと。確かに抜糸から数日して、視力がようやく戻ってきました。

OurAge×Webエクラ 術後1ヵ月 腫れも引き、やっと視力も戻ってきた頃

1カ月後。
ようやくまぶたの赤みもなくなりました。友人らが見ても「何もわからない」と言います。
そして1カ月後から毎月1回は、高田先生が提携している都内の皮膚科で、術後の状態をチェックしてもらいました。

OurAge×Webエクラ 術後2ヵ月 日によって、まだまぶたのむくみがあります
OurAge×Webエクラ 術後3ヵ月 ゴロゴロするなどの違和感もなくなってきた

3カ月後。
まだ続いていたのは、朝起きると日によってまぶたがむくんでいること。先生からは「3カ月後でもまだ状態は変化している最中なので、最終的な完成は6カ月後だと思ってください」と聞いていたので、心配はしていませんでした。

結局、術後半年は目元は何もメイクしませんでした。もともと眉毛がしっかり生えているので、普段から眉も描かずマスカラくらいでしたが、誰もそんなことに気づきはしません。
「え? もしかして私、アイメイクしなくても変わらないのね!」と、良くも悪くも悟ってしまいました。
意外なことは、ビューラーもマスカラも使わなくてもまつ毛が上に向くようになったこと。手術によって生え際の角度が変わったと思われます。

「最終的な完成は6カ月後」は本当だった!

4カ月後。
傷は完全にわからなくなり、二重の幅はほぼ元通りに近づきました。以前と同じように長時間PC作業をしていても、まぶたが重くなってこないことをようやく実感できました。
そして、あれだけ気になっていたおでこのシワが、やや気にならなくなっていました。そういえば涙目(ドライアイの症状)にもならなくなっている!

OurAge×Webエクラ 術後半年 気がつけば、おでこのシワも減ってきてる!?

半年後。
現在、ちょうど6カ月が経過したところ。見た目が術前とほとんど変わらないため、「眼瞼下垂の手術をしたよ」と伝えても、誰も気にとめません。
よく知っている友人からは「前より二重の幅が狭くなった気がする」とは言われます。それもまた想定内。手術前に比べてまぶたが軽く、目が開けやすくなったので、それはよしとしなければ!

【術後の変化のまとめ】

◎おでこや眉の力を借りずに目が開くようになった
◎長時間のPC作業でもまぶたが重くならなくなった
◎おでこのシワがやや減った(前髪を短くしたくなった)
◎まぶたの引きつれたシワや二重のヨレが緩和した
◎ドライアイの症状、涙目が起きなくなった
◎術前より二重の幅は狭くなったかもしれない
◎まつ毛が上向きになった(ビューラーなしでもOK!)
最後に、高田先生にライター蓮見の治療について解説していただきましょう。

「蓮見さんの場合は、総合的に代償期の眼瞼下垂症と診断しました。本人が望まれていたように保険診療で手術を行う場合、私は皮膚切除の量は一律3mm以下と決めています。皮膚の余剰を改善させる目的ではなく、術野(手術を行っている、目に見える部分のこと)の確保のために必要な皮膚切除を行っています。
彼女の手術はまったく問題なく、滞りなく終了。術後もご自分で管理をしっかりしていただけたので回復は順調でした。

人の体は、自らを自動的に調整して最適化する機能があります。
術後の状態が落ち着き、眼瞼挙筋の機能が回復するにつれて、それまでサポートしていた前頭筋の作用が弱まっていきます。そのため、蓮見さんのようにおでこや眉間のシワが薄くなるというのは大きなメリットですね。
その反面、前頭筋が緩んだ結果、眉が下がったりまぶたの皮膚のたるみが増え、結果として二重の幅が狭くなってくる場合も…。半年経過した彼女のまぶたにもその変化が見られると思います。さらに目尻の皮膚のかぶりが強くなっていくようであれば、眉下切開も視野に入れられるといいと思いますよ」

OurAge×Webエクラ Befoer After

↑見た目は大きく変わっていないけれど、以前、どれだけ頑張って目を開けていたかがよくわかります。おでこや眉にやたら力が入ってる!

【手術にかかった費用:ライター蓮見の場合】

両目の手術費と初診料などを含め、3割負担で約55000円。
処方薬代1600円。その他、交通費・手術当日の宿泊費。
*医療保険に入っていたので「日帰り手術」に該当し、後日150000円ほど給付金が出ました。

撮影・取材・文・画像制作/蓮見則子
初出:OurAge 2024/7/4

【医師の本音対談】眼瞼下垂の手術を成功させるには?

眼瞼下垂(がんけんかすい)に詳しい医師の二人が繰り広げてくれた、ぶっちゃけトークの後編です。メディアにも多数出演している形成外科医・美容外科医の麻生泰先生。そして、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上という眼瞼下垂のエキスパート、眼科医の高田尚忠先生。ズバッと本音を隠さない二人のやりとりに注目!

今回は、手術の実際についてです。眼瞼下垂を治しつつも、美しい目元にしてあげたいと思うがゆえの先生方の苦労話、必読です!

OurAge×Webエクラ 東京美容外科クリニックの統括院長で、メディアにも多数出演している形成外科医・美容外科医の麻生泰先生(左)と、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上という眼瞼下垂のエキスパート、この連載の監修、眼科医の高田尚忠先生(右)

東京美容外科クリニックの統括院長で、メディアにも多数出演している形成外科医・美容外科医の麻生泰先生(左)と、手がける眼瞼下垂手術は年間2000件以上という眼瞼下垂のエキスパート、この連載の監修、眼科医の高田尚忠先生(右)

きれいな目元の鉄則は、「二重は狭く黒目はぱっちり」

高田 眼瞼下垂の手術はとにかく奥深いですね、いろいろな要素があるので難しいし、患者さんの希望もありますし。

 

麻生  もともとの目の個性、個人差もあるのに、仕上がりが自然か不自然か、それも患者さんによって見方がだいぶ違いますしね。

 

高田  僕らが自然で美しいと思う二重と、患者さんがきれいと思うものが違いますから。

 

麻生  美容外科に来る患者さんで勘違いしてるのは、「二重の幅を広くしたら美人に見える」と思ってる人。そうじゃないんですよね。「黒目が全部バッチリ見えるのが美人なんですよ」と、僕はずっと言ってます。

二重の幅が広いと、不自然な二重になるだけ。二重を広くしてアイラインを引けば目元はなんとなく大きく見えますけど、黒目がちゃんと見えていなかったら意味がない。

 

高田 それに芸能人の方々は、一般の方がイメージしているほど、実際に二重が広いわけでもない。

 

麻生 そう。やや下向いてるときの写真なのに「これぐらい広いんですよ、この子」とか言って見せられたりして。正面から見たら全然広くないんです。

目を開いた状態だと二重の上から皮膚がかぶって奥二重ぎみになっている。その代わり、黒目はちゃんと全部見えているからぱっちり見える。それが美しい目の決め手ですよ。

 

高田 そのとおりです。もともと患者さんと感覚が違うのがとても困る。

 

麻生 眼瞼下垂で「二重の幅を広くして」って言う人は、もうお断りします。広くすればするほど、まぶたの開く高さに限界があるので。

患者さんの言いなりになって幅広い二重を作れば、不自然なだけじゃなく、医原性の眼瞼下垂(二重まぶた術の切開法や埋没法を受けたあとにまぶたが開きづらくなる症状)になってしまうこともありますから。

 

高田 埋没法もですけど、皮膚を縫って作る溝で、無理やり二重を作ろうとしている場合がある。本来は上からかぶった皮膚で二重の線ができてるのに。

単純に折り目の二重じゃなくね、かぶっているのが本当の二重でしょう。

 

麻生 例えば、二重のラインに沿って皮膚を大きく取ると、眉毛に近いほうの厚い皮膚が下に下がるので、ポテッとした二重ができます。言ってみれば「やりました二重」ですね、「切ったな」「美容整形したな」ってけっこうわかる二重。

それが嫌じゃない人はそうしたらいいと思うんですけど、僕がやるなら、切る場合は二重の幅は絶対に狭めでいく。二重は狭く黒目はぱっちり、が鉄則です。

 

高田 そもそも眼瞼下垂になると、上まぶたが落ちてくるわけだから、二重は広くなるのが普通。

つまり眼瞼下垂の手術をして開けやすくすれば、二重の幅は絶対狭くなるはずなんですよ。

 

麻生 目はぱっちり開くけど二重は狭くなる。でもきれい。これが正解なのに嫌だっていう人がいるんです。

それけっこうありますよね。「二重が狭くなるんだったら手術しません」って帰っていくんです。

 

高田 わかります。二重幅が狭くても黒目が完全に出たほうがきれい。僕は、広めにと言われたら「僕の中の広めにしますよ」って言いますね。

人気の眉下切開も、眼瞼下垂の治療法のひとつだけれど…

OurAge×Webエクラ 人気の眉下切開も、眼瞼下垂の治療法のひとつだけれど…

自身も眼瞼下垂の手術を体験した、麻生先生

麻生 眉下切開が流行ってますよね、このところ。

眉下切開しかできない先生が「眉下切開で眼瞼下垂を直しました」と言ってることもよくあります。それなりに結果が出ることもありますけど。

 

高田 それはいわゆる「偽眼瞼下垂」の場合にはいいですよね。本当の眼瞼下垂というよりも、皮膚のたるみでまぶたが下がってきている人。それなら眉下切開で皮膚を取ればいい。

 

麻生 眉下切開でも、自然に見せたかったら皮膚はそんなにたくさんは取れない。だから、二重まぶたの余剰分と眉下の皮膚と、両方取る必要がある人はいます。

 

高田 普通の眼瞼下垂の手術でちょっと取っておいて、眉下でも皮膚を取る。下で3mm、上で4mm、それで7mm取れたりすると自然。1カ所だけで皮膚を取ろうとすると絶対ひずみが生じるので。

 

麻生 二重の幅を広くしたければ眉下切開で調整する場合もありますし、後でそれが必要になる人もいますと、説明します。 でも、そうすると2カ所の手術になるでしょう。今度は金儲け主義だなんて言われるんですよ。

一度にはやるけど、眼瞼下垂手術と眉下切開手術と、ふたつすると値段が上がるじゃないですか。

 

高田 僕の保険診療の手術でも、上から皮膚がかぶさった場合は、後日、眉下切開の追加手術の場合もありますよと、話はしておきます。その考え方を患者さんと先生と合わせておかないと、話が違うって言われたりしますよね。

 

麻生 初回はシンプルにして、次の手が打てるっていうのはいいですよね。ただ、次のことまで言うと「この先生は一発で決められない人なんだ」と思われたり。 誰しも左右差があるのでね、1回で決めるっていうのはなかなか難しい。決まる人もいますよ。左右差なくバチーン、すっきり、みたいな。

 

実は僕自身も、眼瞼下垂手術を2回やってます。

1回めは10年くらい前に、ミュラー筋タッキング(挙筋腱膜とミュラー筋の間を剝がしてミュラー筋のみたぐり寄せて瞼板に固定する術式)で。

OurAge×Webエクラ 眼瞼下垂手術

次もまたできるしと思ってやったんですけど、ちょっと弱いと思って2回目をやった。一発では決まらないんですよね。

OurAge×Webエクラ

今もまだ左右差があるな〜と思って。今度は左側だけ眉下切開したいなと思ってます。左右差はね、ほんと難しいですよね。

もともと片方だけ眼瞼下垂の人なんかだと、直したことによって左右差がより目立ってしまったり。

けっこう工夫が必要でしょう。もう正解がないですよね。

ほとんどの人にある左右差をどうするか、医師の工夫のしどころ

OurAge×Webエクラ 保険でも術後の満足度が高いことで評判の、高田先生

保険でも術後の満足度が高いことで評判の、高田先生

高田 そもそも左右で筋力の差があるわけだから、それを調整して帳尻合わせしなきゃいけない。一発合わせはほんとに難しい。

眼瞼下垂ではヘリング現象(片方の下垂を修正すると、今度は反対側のまぶたが下がる生理現象)ってありますよね。

手術中でもあるんです。ヘリングも計算してやらないといけないし。 もともとの左右差の写真を撮っておかないと、差があるのを本人が気づいていない。

手術後に気になるんです、目が開いたためにより顕著に左右差に気づく。

 

麻生 なかなか難しいと思います、自分で気づくのは。ビフォーアフターの写真を見せて初めて「あ、左右差あったんですね」なんて言われることも多いです。

高田 それに、みんな年を取っていくので、手術をしてももう1回やり直す人はいます。特にミュラー筋は緩んできますからね。

だから僕は、最初から挙筋腱膜前転法(二重ラインで皮膚を切開した後、緩んだ挙筋腱膜を瞼板から切り離し、挙筋腱膜~眼瞼挙筋を引き出して、適切な目の開きが得られる位置で挙筋腱膜と瞼板を縫合する術式)をやったほうがいちばん安定すると考えているのです。

このほうが、再発が少ないなと思ってます。

OurAge×Webエクラ 高田先生の症例

高田先生の症例:保険適用の挙筋腱膜前転法による手術をした40代女性。高田先生オリジナルの術式、ファシアリリースを加える“TKD切開法”です

 

麻生 眉下切開はほんの数mm切るだけで、傷あともほとんどわからないから人気なんですよね。でも、人にもよります、眉毛の形にもよるし。

あと、皮膚ののび方って人によって違うんですよ。

 

高田 そうそう、ぶよぶよでのびる人もいれば、硬くて分厚い人もいるんです。女性でも個人差が大きいですが、男性なんかすごく硬い。

どちらにしても、60代、70代になってからだと筋肉も痩せちゃうし硬くなるし。まぶただけでなく顔面筋も硬くなるんですよね。鳥の若鳥と親鳥で硬さが違うようにね。

手術は30歳でも40歳でも早いほうがいいですね。

 

麻生 先天性の眼瞼下垂もありますしね。気づいたら、20代でもやったほうがいいですよ。そうしないと、目を開けるためにおでこにシワが寄っちゃうから。

 

高田 本当のことを言うと、若いほうが経過がいいんですよ。総じて、年をとった方にはやらないといけない操作が増えるから、より手術は難しくなる。

上げることはできるけれど自然に上げるのが難しいし、術後のダウンタイムも長くなる。

まぶたが上がっただけですごく喜んでもらえるのは、医者としてはとてもうれしいんですけどね!

眼瞼下垂が気になっていたり、手術を考えているなら、早めに相談に行くのもひとつの選択ですよね。

イラスト/かくたりかこ 取材・文・画像制作/蓮見則子
初出:OurAge 2024/6/1

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