【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」

エクラの美容記事でもおなじみのライター・山崎敦子がお届けする韓流ドラマナビ。韓流ドラマブームを牽引している「愛の不時着」や「梨泰院クラス」のほかにも、緊迫感溢れるサスペンスや社会現象まで巻き起こした話題作など幅広く人気作品をご紹介。各ドラマの見どころや人気の秘密に迫ります!

 

ナビゲートしてくれる人

山崎敦子

山崎敦子

旅行記事に人物インタビュー、ドラマ紹介、実用記事から、着物ライターとさまざまな分野を渡り歩き、今では美容の記事を書くことも多くなったさすらいのライター。襲いかかるエイジングと闘いながら、ウキウキすること、楽しいことを追い求め続ける日々を送る。

 
①社会現象を巻き起こした衝撃作「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」

富裕層が暮らす高級住宅街を舞台に繰り広げられる、アラフィー世代の妻たちの欲望と幸せを描いた衝撃作をご紹介!!
【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」_1_2
主人公の専業主婦ハン・ソジン(ヨム・ジョンア)

爆発的ヒット作は、セレブ階級舞台のお受験ドロドロもの⁉

韓国では社会現象を巻き起こしたほどの爆発的な大ヒット作。なのに、セレブ階級舞台のお受験ドロドロものと聞いて、これまであえて観るのを避けてきた作品です。ご存知の通り、ドロドロものといえば、韓国ドラマのお家芸のひとつ。愛憎、妬み、差別、足のひっぱりあい……、いったいどうなるこの結末!?と、手に汗握り生唾をごくりごくりと飲みながら観続ける醍醐味ももちろんあるのですが、仕事で疲れ切ってしまった頭には少々重苦しいときもありまして……。なかには、臓腑にドーンと響く、油っこいものもあって、そうなると1回観終わるごとにぐったりと疲れ切り、胃もたれ感半端なく……。実際、登場人物すべてがイヤなヤツばかりの猛烈に油っこいドラマを視聴し終わったばかりという事情もあって、こりゃ当分“ドロドロ”は受けつけられないかも、と手を出すのに躊躇していたという次第。
【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」_1_3
ソウル医大を目指す、ソジンの長女カン・イェソ(キム・ヘユン)
ところがです。この「SKYキャッスル」です。ご存知の方も多いとは思いますが、タイトルに使われている“SKY”は、韓国の超名門3大学のソウル大<S>、高麗大<コリョ=K>、延世大<ヨンセ=Y>(頭のよき学生たちが入りたい大学ナンバー3。日本で言えば東大、早大、慶大にあたるといわれてます)の頭文字をつなげたもので、遥か高いところにある“空”とかけあわせて作られた略語。
知っての通り、韓国は日本以上の学歴偏重社会。超名門大学に入学すること=人生の成功者……、みたいな風潮がいろんなドラマでちょいちょい描かれていることも多く、そのため、お受験戦争も私たち日本人が想像する以上にかなり熾烈。このドラマもそんな韓国の世相を反映したお受験を巡る物語で、小高い丘に広がる「SKYキャッスル」と呼ばれる高級住宅街を舞台に、超難関といわれる医大に娘や息子を入学させるためにヒステリックなまでに躍起となる家族にまつわるお話なのです。
【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」_1_4
息子をソウル医大に合格させたイ・ミョンジュ(キム・ジョンナン)(左)とソジン(右)
で、のっけからしてスゴイ。ソウル医大に子供を入学させた母親はSKYキャッスルにあっては、いわば花形スターのようなもの。なぜ、合格を勝ち取ることができたのか。なんとしてでもその秘訣を教えてもらおうと、ほかの親たちは、おもてなしにプレゼント攻勢にと、ご機嫌取りに必死になるわけですが、ドラマは、その花形スターであるはずの母親イ・ミョンジュ(キム・ジョンナン)が銃で自殺してしまう!!という始まり。いや〜ドロドロの匂いが半端なくしてきますよねぇ。なのに、胃もたれも癒えぬ身でありながら、このドラマには一気にのめり込み、いつしかドロドロ恐怖症からも抜け出せたという。さて、それにはどんなからくりが……。
【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」_1_5
主人公のソジンと長女のイェソ

SKYキャッスルに住む、4つの家族をめぐる物語

物語は4つの家族を巡って展開されます。主人公となるのは2人の娘を持つ専業主婦ハン・ソジン(ヨム・ジョンア)一家。賢く優雅でスタイリッシュという完璧に見える上流階級ママのソジンですが、大学病院の整形外科医をする夫とは実は略奪結婚。かなりな策略家。長女のソウル医大受験に人生の全てをかけるほどの教育ママで、その目的のためならマジで手段を選ばないし、しかも自分の出自をご近所にはもちろん、娘にまで偽るほどの階級意識バリバリで、半端なく気も強い。そう、結構イヤなタイプ。
【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」_1_6
ソジンの次女カン・イェビン(イ・ジウォン)
そんな彼女をオンニ(お姉さん)と慕うチン・ジニ(オ・ナラ)家は、ソジンの夫の部下となる整形外科医の夫と、勉強が苦手で成績もイマサンな中学生の息子という家族構成。いかにもセレブ風派手派手美人のジニは、策略家ソジンの受験情報のおこぼれを頂戴しようといつも顔色をうかがっている噂好き専業主婦。こちらも、ちょっと好きになれない感じ……。
双子の息子の大学受験に力を入れるのは、ノ・スンへ(ユン・セア)一家。大学のロースクールの教授の夫は、ピラミッドの頂点に立てない息子は息子と認めないと公言する野心満々のスパルタ教育パパ。こちらも間違いなく嫌いな部類。スンへはそんな夫に疑問を抱きつつも、おとなしく従っているという上流階級のよき妻な体。
【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」_1_7
利己主義な夫の教育方針に疑問を抱くノ・スンヘ(ユン・セア)
4つめの家族は、新しく越してきた童話作家で主婦のイ・スイム(イ・テラン)一家。SKYキャッスルでは珍しく階級や学歴にこだわらないニュートラルな感覚を持つスイムは、気さくで愛情深き女性。優秀な神経外科医の夫は、こちらも患者を第一に思う心優しいキャラ。夫の連れ子の高校生の息子(ソジンの長女、スンへの双子と同級生)との仲も良好で、家族3人が愛情と信頼で強く結ばれている感があり、かなりな好印象。
【韓流ドラマ】見始めたら止まらない!絶対ハマる「人気ドラマ8選」_1_8
チン・ジニ(オ・ナラ)(左)と、童話作家で主婦のイ・スイム(イ・テラン)(右)
この4家族を巡って熾烈に繰り広げられるお受験ストーリーは、主人公のソジンがキム・ジュヨン(キム・ソヒョン)という秘密に包まれた冷徹な入試コーディネーター(こいつがまたスゴイ!)を雇ったところから、事件をはらんだ思いも寄らない方向へとヒートアップしていくという展開。

■Netflixオリジナルシリーズ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』配信中

https://www.netflix.com/jp/title/81030062

 

■『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』U-NEXTにて配信中

https://www.video.unext.jp/title/SID0045041

 
②ファン待望の続編・サスペンスドラマ「秘密の森2」

'17年に韓国で放送され大ヒットしたサスペンスドラマ「秘密の森」の、待望の続編「秘密の森2」('20年)をご紹介!
秘密の森2

ファン待望の「秘密の森」シーズン2も、昨年韓国で大きな話題に

 最初のリーク情報は、韓ドラ好きが集うLINEによるものでした。
このドラマを楽しみたいなら「検察と警察の関係性が韓国と日本では異なることを知っておく必要がある」というのです。日本では警察自ら捜査令状を裁判所に請求することができますが、そのリーク情報によると、韓国では令状の請求は検察しか行うことができないというルールが長年続いてきているのだそう。つまり、韓国においての捜査に関する権限は、圧倒的に検察が握っているということ(そのため、検察と、財閥などの権力者との癒着が多くなりやすいのだとか)。
秘密の森2
 この捜査権をめぐって、これまでの制度を改革しようと動く警察側とそれを阻止しようとする検察側。で、このドラマはその2者による対立を主軸に構成されているというのです(実は、この検察・警察の捜査権調整をはじめとする警察改革はムン・ジェイン大統領がかなり力を入れてきた案件で、実際に昨年1月にこの改革案が国会を通過、今年の1月から本格的に施行が開始されています)。
 ほら、これを聞くだけで、なんだか霧の中に足を踏み入れてしまったかのようにもやもやとしてきませんか? 
 そうなんです。このリーク情報こそ、その後の私が一寸先も見通せない深い深い霧に包まれた“秘密の森”にさまよい続けることとなる完璧なる序章だったのです。
秘密の森2
検事ファン・シモク役のチョ・スンウ
 さて、この「秘密の森」というドラマ、Netflixですでに配信されているので、もう2シーズンまとめて観たという方も多いのではと思いますが、シーズン1が韓国で放送されたのは2017年のこと。もう3年以上も前になりますね。放送されたtvNのその年の最高傑作と称されたほど韓国では大ヒット。
 検察の闇に鋭く斬り込んだ最後まで展開の読めないスリリングかつずっしり心に響く内容で、私のまわりの韓ドラ好きはもちろんですが、韓国でもシーズン2を求める声がとっても多かったのだそう。
 とはいえ、カメラアシスタントをする韓国人の友人の話では、「シーズン2を期待されても、韓国ではなかなか実現しない」ことが多いのだそうで、半ばあきらめていた時に、このシーズン2配信のニュース(「シグナル」や「ハイエナ」もぜひプタケヨ<お願い>)。日本の2時間サスペンスドラマなら全て、最初の10分もあれば犯人を言い当てられるほどのサスペンス好きとしては(つーか、それ、誰でも当てられるから)、はやる心を抑えつつ、その森へと足を踏み入れたという次第。
秘密の森2
捜査構造革新団の団長を務めるチェ・ビッ役のチョン・ヘジン

検察と警察の捜査権対立を軸にした、サスペンスドラマの名作

 物語は、主人公の検事シモク(チョ・スンウ)が霧の深い統営(トンヨン=釜山からバスで1時間ほどのところにある韓国のナポリと呼ばれる港町。シモクはこの町の地方検察庁に2年間赴任していたという設定)の夜の海岸で、規制線が切られているのを見かけたところから始まります(のっけから不安を煽るような深い霧に包まれた映像が印象的)。
 気には留めたものの、そのまま別の約束の場へと向かったシモクですが、その現場で、酔っ払った2人の大学生が、規制線を超えて海岸に入り溺死するという事故が発生してしまうのです。
 一方、シーズン1でシモクとともに事件の真相を解明した龍山(ヨンサン)署の刑事ハン・ヨジン(ペ・ドゥナ)は、警察の捜査権独立のため結成された警察庁の捜査構造革新団の主任に任命され、その団長を務めるチェ・ビッ(チョン・ヘジン)のもと、警察に有利となる情報集めに奔走する日々を送っています。
 その日、統営の海岸で自撮りしたカップルの写真をSNSで見つけたハン刑事は、事故との関連性を疑い、統営に赴任中のシモクに事故の詳細を聞こうと連絡を入れるのですが……。
秘密の森2
龍山署の刑事ハン・ヨジン役のペ・ドゥナ
 事件性のない溺死事故として簡単に処理されようとしていたこの事件は、やがて件の捜査権をめぐる検察と警察の対立が激化するきっかけとなり、過去の単純な事故死として扱われた事件までがクローズアップされるようになっていきます。
 ドラマは、検察と警察の対立に焦点を当てつつ、再会したシモクとハン刑事が、隠蔽された事件の真実を追うという形で展開。捜査権問題と事件と、それをめぐる人物たちのそれぞれの思惑が、複雑に絡み合いながら物語が進んでいくせいか、シモクよりも早く事件の真相を突き止めようと、必死で目を凝らし、耳をすませ、「そのミスリードには騙されないぞ」と細心の注意を払って見進めるものの、慎重をきたせばきたすほど、霧の深みにどんどんハマっていってしまう……、という構成力の緻密さは、シーズン1に引き続き、見応えずっしり(私の友人は、ドラマ途中でシモク以外は誰も信用できない!と叫んでおりました)。
秘密の森2
 もちろん見どころも数々ありますが、シーズン1からのファンとしてはやはりシモクとハン検事の久しぶりに復活したコンビが、どう真実に迫っていくかというふたりの動きに注目せずにはいられません。
 ミュージカル俳優としても活躍する実力派チョ・スンウ演じるファン・シモクは、幼い頃の脳の手術の影響で感情を失ってしまったという設定。そのため、周囲の思惑や組織の中の暗黙のルールなどに惑わされることなく、原理原則にのっとって理性だけで行動できるというところがミソ。
 つまり、いつでもどんなときでも冷静に真実に向かって物事を見極めることができるということで、それはとてつもなく素晴らしい能力なのだけれど、権力社会のなかでつい日和見的な生き方をしてしまう人間にとっては、かなり煙たいキャラクターでもあるわけで。
 一方、ペ・ドゥナ扮するハン刑事は、不正に対しては少しの妥協も許さず突き進む、人間味あふれる行動派。シモクとは違って、感情豊かでありながら、正義感の強さは人一倍で、今回は、所轄の刑事から警視庁へと出向したという微妙な立場で孤軍奮闘するのですが、そんなふたりだからこそ、霧の奥深くに隠されている本当の真実に辿り着けるという……。

■『秘密の森2』U-NEXTにて独占配信中

https://www.netflix.com/jp/title/80187302

 
③青春ドラマの秀作「十八の瞬間」

“演技ドル”の若手注目株NO.1との呼び声も高い、オン・ソンウ主演の「十八の瞬間」をご紹介。
十八の瞬間
チェ・ジュヌ役のオン・ソンウ(元Wanna One)

いい意味で期待を裏切る、“18歳”を描いた青春ドラマの秀作

 それほど期待して観始めたわけではないのです。お目当ては、主演のオン・ソンウ君。大好物のサバイバルオーディション番組のひとつ「PRODUCE 101 シーズン2」で勝ち残った11人によるボーイズグループWanna One(ワナワン ※2019年1月に解散)出身です。韓国では演技ドルと呼ばれる、俳優や女優としてドラマでも活躍するアイドルが結構多いのですが、彼もそのひとりとでもいいましょうか(ワナワン解散後はソロとして活動)。
 あぁ、アイドルね……と思ったあなた、アイドルといえどもあなどれないのが韓国です。人気&美ビジュアルだけに終わらない演技派が結構多く、それゆえ、涙涙のグループ解散後の彼の初めての主演作ということもあって、これはちょっとチェックしておかなきゃね……とばかりに軽い気持ちで観始めたのがこのドラマという次第。
十八の瞬間
 ところがです。これが意外にも大当たり。後半に進むにつれてじんじんと胸に響いてくるかなりな秀作でして、韓流ドラマの記事を書いている友人も、今季のベスト5に入る!と声を大にしていっていたくらい。
タイトルの「十八の瞬間」からも推察されるように、お目当てのオン・ソンウ君が演じるのは18歳の高校2年生。……、え、ちょっと待って、18歳なら高校3年生じゃないの、とつっこみ入ってますよね、今。
 まるで、私の凡ミスのようでありますが、間違いではありません。韓国の年齢は数え年で表すのが一般的。数え年とは、生まれた年が1歳で、毎年、お正月を迎えるごとにみんな一斉に1歳ずつ年を取るという数え方です(12月31日に生まれた赤ちゃんは、翌日の元旦にはすでに2歳!)。
 日本では、生まれ年を0歳としてお誕生日ごとに年を取る満年齢方式がいまや常識。なので、厄年を確認するときぐらいしか、数え年の年齢と遭遇することはめったになく、それゆえ、韓流ドラマやK-POPを追っていると、時々きつねにつままれたようにその年齢マジックに混乱してしまうこと(多い場合は、満年齢と2歳差ある)もあるので、あらかじめ知っておくと便利です。韓国人の年齢を聞いて、あ、同い年だ!と思っても実は年下だったということも多々。まあ、少々余談ではありますが、つまりは、韓国では18歳と言えば、ほぼ高校2年生となるわけです。
十八の瞬間
マ・フィヨン役のシン・スンホ(右)
 ドラマは、オン・ソンウ演じる18歳の主人公ジュヌが、ソウルの高校に転校してくるところから始まります。このジュヌですが、校内暴力の加害者として強制転校させられてきたという設定(実は加害者ではなく仕立てられてしまったのですが……)。それゆえ、学校側も生徒たちも保護者も彼を見る眼差しはほとんどが偏見の塊……。私的にはタイトルから察するに軽いノリで観られる高校生の胸キュン初恋モノを期待していたのですが、初っ端からちょっと重苦しい雰囲気です……。
 しかも、ジュヌが転入したクラスの超優等生の委員長マ・フィヨン(シン・スンホ=人気webドラマ『A-TEEN』で注目されたモデル出身の期待の新人)によって時計泥棒の汚名まで着せられるという展開。実は、ジュヌは母親とも離れて暮らす私生児という事情も抱えており、このマ・フィヨン事件により再び強制転校か……という状況に追いやられていきます。転校したばかりなのに、いきなりの絶体絶命。
 なのに、ジュヌといえば、汚名を晴らすことも抵抗することもせず、ただ流れに身を任す至ってクールな姿勢。自分が抱える事情に対する世間の態度を嫌というほど体感しつくしてきたがゆえの諦観とでもいいましょうか。18歳にして誰にも心を許すことなく、孤独になれきってしまっているジュヌ。う、う、なんか切ないぞ。
十八の瞬間
 さて、18歳(満年齢なら17歳)という年齢ですが、みなさんはその頃のことって覚えています? 私たちエクラ世代でいえば、もう30年(ゲゲッ)くらい前のこと。遠い昔といえば遠い昔だけれど、ちょっと目をつむって回想すれば、その頃の記憶が鮮やかに戻って来くるやもしれません。子供ではもうないけれど、でも、まだ大人とも言えない……そんなあいまいなお年頃。
 私的には自分がとびきりの美人でもなければ(どちらかといえばオヘチャ寄り)、ずば抜けた天才でもない(どちらかといえばクラスのビリから数えたほうが早い)ことを改めて思い知ったのがちょうどこのくらいの年齢だったかと思われます。輝ける未来があるはずなのに、自分というものの現実も徐々に知り始めてくる年代。だからこそ、これからの進路や自分というものの価値に純粋なまでに思い悩み、揺れ動き、なのに親からは自分を遥かに超える過度な期待……。

■『十八の瞬間』U-NEXTにて配信中

https://www.video.unext.jp/title/SID0051232

 
④韓国で高視聴率を記録「賢い医師生活」

韓国で2020年春に放送され高視聴率を記録し、日本でも配信以来じわじわとファンを増やし続けている「賢い医師生活」をご紹介。
賢い医師生活

韓国の人気ドラマ『応答せよ』シリーズの名コンビが手がける“医療もの”

 命つきるその瞬間、自分の過去のエピソードが走馬灯のように蘇ってくるって、よく言われますよね。だとしたら、その時、自分はどんなシーンを思いだすのだろう? 
 
 そう、思ってちょくちょく疑似体験してみるのですが(もちろん、ただ、目をつぶって過去を思い出すだけですが)、心に浮かんでくるものといえば、例えば、小学1年生のとき、隣に住んでいた仲良しの同い年の女の子から「大嫌い」と書かれた手紙をもらったな、とか、お彼岸の母親お手製のおはぎが美味しくて毎回お腹が痛くなるまで食べてたな、とか、20代のとき、帰途につく電車の中で数年ぶりにばったり再会した男友だちから、ずっと密かに思いを寄せていた男子が明日結婚式なのだと聞き、御茶ノ水から西荻(当時住んでいた)まで、ひと目もはばからず号泣し続けたなとか……、まあ、どれも他愛のないものばかりです。
 
 ひとつぐらいは韓流ドラマっぽい人が羨むような劇的な物語があってもよさそうですが、つくづく、私の人生ってドラマチックとは無縁なのね、と思います。とはいえ、苦い思い出も、平凡極まりないストーリーも、他人にとってはどうでもいいような出来事かもしれないけれど、自分のなかではそれなりのドラマがあったりして、こんな日常を積み重ねてきて今なんだなあ、と意外にも感慨にふけったりなんぞするわけでして。
賢い医師生活
 で、このドラマ『賢い医師生活』です。タイトルを見れば、もうおわかりですよね。そう、医療もの。病院を舞台にしたドラマって、日本でも大人気ですよね。私の友人なんぞは「日本のドラマは医師ものと刑事ものしかないのか!」と怒っていたくらい医師ものオンパレードなシーズンもあったほど。
 
 だいたい医師ものって、生死をわける大手術、権力と金とプライドと欲望、そこに、一人の優秀な医師が救世主のように現れて、くんずほぐれず……なんて設定多くないですか。いうなれば、私の日常を180度ひっくり返したような波乱に満ちたドラマチックな展開。腕も心も一般人にはありえない崇高なスキルをもったヒーローやヒロイン(演じるのは必ずスター役者)がひたすら活躍しまくり、命を題材にする物語だけに感動は必至というスタイル。私的には、それが少々食傷気味で、あまりよろしくない固定概念がバリバリあったのですが、さて、あなたは?
賢い医師生活
 ドラマの主人公となるのは、ソウル大学医学部を優秀なる成績で卒業した(’99年入学)、5人の医師たち。ソウル大といえば、韓国の名門中の名門。物語は、その5人が、ソウルの一大総合病院「ユルジェ病院」会長の死をきっかけに、その大病院でともに働くことになったことから始まります。うぬ? 大病院? 会長の死? 名門ソウル大出身の医師たち? う〜む、何やら初っ端からきな臭い匂いがしてきます……。
 
 演出と脚本を担当するのは、韓国の人気ドラマ『応答せよ』シリーズの名コンビ、シン・ウォンホ監督とイ・ウジョン脚本家。この『応答せよ』のシリーズですが、実を申せばこの作品こそ、私のベスト韓流ドラマ(3シリーズ目の『応答せよ1988』です。まだ、観てない人はぜひ!)。全部で3つのシリーズがあり、それぞれ1997年、1994年、1988年を振り返り、当時高校生だった主人公たちの初恋と、家族や友人、隣人同志の絆をほのぼのとユーモラスに描いた傑作で、その時代のカルチャーをふんだんに盛り込みながら、中心人物は、ほとんど無名の新人をキャスティングしていることでも話題を集めたもの。
賢い医師生活
 実は、今やトップスターとなったソ・イングク(この連載でも紹介した『空から降る一億の星』ほか多数の作品で主演)やユ・ヨンソク(『賢い医師生活』でも主演5人組のひとりを演じている)、パク・ボゴム(言わずと知れたもはや若手の大トップスター。只今Netflixで配信中の『青春の記録』でも主役を演じている)もこのシリーズ出身。「ヒロインが結婚した夫は、高校時代のどの男子?」という夫探しがどのシリーズもベースになってはいますが、それぞれ天地がひっくりかえるような大事件も、胸震わせるようなドラマチックな設定もなく、その時代を織り交ぜた日常の他愛ないエピソードの数々をウィットに富んだ演出と脚本で巧みに丁寧に積み上げながら、めちゃくちゃ笑わせつつ、ホロリとさせたり、じ〜んとさせたりという、かなり高度な良質テクニシャンな湯たんぽドラマなのです。
 
うぬ? ドラマチックな設定なく? 他愛ないエピソードを積み上げる? これって、私の頑固おばば的な固定概念とは、まさに真逆。

■Netflixオリジナルシリーズ『賢い医師生活』独占配信中

https://www.netflix.com/jp/title/81239224

 
⑤骨太な時代劇「私の国」

制作費200億ウォンともいわれる映像美も圧巻の、骨太な時代劇をご紹介。

私の国
左からソ・フィ(ヤン・セジョン)、ハン・ヒジェ(ソリョン<AOA>)、ナム・ソノ(ウ・ドファン)

朝鮮王朝建国の激動の時代を、歴史ドラマ仕立てで描き出す

 時代劇が大好きです。子供の頃は、連続時代劇の再放送を祖母と一緒に見たいが一心で、お友だちとのお遊びも振り切り、一目散におうちに帰る毎日。最近は、時代劇の連ドラがめっきり少なくなって、日曜の夜に大河ドラマをほそぼそと見ては心なぐさめている次第。寂しいばかりです。
 
 ひと口に時代劇といってもさまざまなジャンルがありますよね。私的には、最後に必ず正義が勝つという安定感をベースにドキドキハラハラの末の一件落着、というエクスタシーを感じさせてくれる勧善懲悪ものも捨てがたいですが、圧倒的に心惹かれるのは、史実をベースにフィクションを絶妙に挟み込んだ歴史小説風時代ドラマ。
 
 歴史という絶対に抗うことができない大きな渦のなかで、もみくちゃにされ、翻弄されながら自分の生を生きぬいていく……なんて、ほら、やっぱり萌えずにはいられません。なにせ、時代ものって禁止事項も山ですからね。厳密なる身分制度、絶対的な男尊女卑などなど、自由がまったくきかない世界。いうなれば、がんじがらめの状態でもがいているようなもの。だからこそ、よりドラマチックでよりエモーショナルでよりセクシー、と感じるのですが、どうでしょう。
私の国
武将イ・ソンゲの部下として活躍した高麗最強の武将の息子役ソ・フィを演じるヤン・セジョン
 と、また、前置きが長くなってしまいましたが、このドラマです。前に一度、この連載でも時代ドラマを取り上げたことがありますが(ド・ギョンス主演「100日の郎君様」)、そちらはどちらかといえばフュージョン系ラブコメ時代劇で、ほぼほぼが創作。で、このドラマも史実には登場しない3人の若者が主人公ではありますが、朝鮮王朝建国の激動の時代を描き出したもので、ちょっと骨太な歴史ドラマ仕立てになっているのが特徴です。
 
 古朝鮮時代、三国時代、南北国時代、高麗時代、朝鮮王朝時代と長い歴史を持つ韓国。なので、韓流ドラマでも、さまざまな時代を舞台に数多くの物語が描かれていますが、なかでも、高麗王朝から朝鮮王朝に移り変わるこの時代は、建国の祖イ・ソンゲ(初代朝鮮王・太祖)、朝鮮王朝の基礎を築いたチョン・ドジョン(民のための建国を夢見た功臣)、イ・ソンゲの覇業を補佐するイ・バンウォン(イ・ソンゲの5男で朝鮮王朝第3代王・太宗)などなど歴史的スター役者が揃っていることもあり、これまでも度々ドラマ化されてきているようです(ユ・アイン主演の「六龍が飛ぶ」もこの時代を舞台にしたドラマで見応えたっぷりでした)。
私の国
イ・ソンゲの5男、のちの朝鮮王朝第3代王・太宗となるイ・バンウォン役のチャン・ヒョク

主演は同い年若手実力派コンビ、ヤン・セジョン&ウ・ドファン

 そんな建国の混沌とした時代を背景に、無実の罪で処刑された武将の息子で武術に秀でるソ・フィ(ヤン・セジョン)と、両班(高麗や朝鮮時代の支配階級)の父と奴婢の母の間に生まれたナム・ソノ(ウ・ドファン)、妓生の母を何者かに殺され妓楼で育ったハン・ヒジェ(ソリョン<AOA>)の、三人三様の“私の国”をかけた壮絶なる戦いを描いたのがこの作品。
 
 歴史上に名を連ねる人物だけでなく、その歴史に携わる人たちは無数に存在する。人知れず生き、人知れず散っていく歴史に名を残さぬ人々。でも、実は、その彼らのなかにも胸締め付けられるドラマチックな物語の数々があるはず。そんな歴史の脇役たちにスポットを当てて描かれているのがこのドラマで、歴史上のスター人物を主演に華々しく演じきる王道ドラマとはまた違った、陰に埋もれた知られざる歴史が楽しめるのが面白いところ。
私の国
武術に長け、一本気で正義感が強いソ・フィ
 制作費に200億ウォン、撮影に9ヶ月かけたという映像美も素晴らしく、特に物語冒頭に描かれる、歴史に名高いイ・ソンゲ威化島回軍へとつながる遼東征伐の先発隊が繰り広げる(主人公ソ・フィが送り込まれています)戦場シーンが圧巻。斬っては捨て、斬っては捨て、でも終わらない……そんな果てしなく繰り返される戦いという名の殺戮場面は、まるで地獄絵を見ているような鬼気迫る印象です。
私の国
若手注目株の俳優、ナム・ソノ役のウ・ドファン(左)と、ソ・フィ役のヤン・セジョン(右)
 そして、なんといっても最大の見どころは、そんな戦国の世の若者を演じるヤン・セジョン、ウ・ドファンという同い年若手実力派コンビのイケメン競演。
 
 ひとりは罪人の息子、ひとりは庶子の息子という、世間から疎まれ、虐げられる過酷な運命を背負い、それぞれの“私の国”の建国を夢見ながら、互いに磨きあった武術を最大の武器として歴史の渦の中に身を投じていくという役柄設定。3ヶ月ものトレーニングを積んだという本格的時代アクションと鍛え上げられた肉体美の競演は、もちろん垂涎ものですが(冒頭の水浴びのシーン必見)、親友でありながら食うか食われるかの戦国の世のなかで揺さぶられ続ける男同士の友情や、ハン・ヒジェを巡るそれぞれの恋の行方など、壮大な歴史を背景に繰り広げられる青春人間ドラマとしての見応えもたっぷり。

■『私の国』U-NEXTにて配信中

https://www.video.unext.jp/title/SID0048522

 
⑥痛快な復讐劇「梨泰院クラス」

「愛の不時着」とともに大ブームとなった「梨泰院クラス」。痛快な復讐劇はあなたのモヤモヤを吹き飛ばしてくれること間違いなし!
梨泰院クラス

原作は、韓国の人気ウェブ漫画。日本でドラマリメイクの話も⁉

 「愛の不時着」のヒョンビンに続き、「梨泰院クラス」の主演パク・ソジュンも週刊朝日の表紙を飾りましたね。ご覧になった方も多いのではと(しかも、続いてチャン・グンソクも表紙に!来てるぞ来てるぞ、韓流!)。で、もちろん、今回はその「梨泰院クラス」のご紹介。
 
 その前に、みなさんに質問! コミックはお好きですか? 例えば、もはや伝説のように語り継がれている少年ジャンプの3大テーマ「友情」「努力」「勝利」。ジャンプの全ての作品はこの要素(少なくともどれかひとつ)がベースに描かれているそうで(その真偽はさておきますが)、だからなのか、読み始めた途端、その展開に固唾を呑みつつ一喜一憂し、興奮し、気がつけば夢中になってのめり込んでいる自分がいる……なんてことがよくありませんか。少年だけでなく、青年だって、中年だって、女子だって、エクラ世代だってたちまちに虜にしてしまう揺るぎない吸引力……やっぱりこの3つのテーマは、時代も年代も性別も超えた感動の原点なんですね〜しみじみ。と、このドラマを観始めると同時に改めて思ったのでした。
 
 そう、実はこのドラマも、少年ジャンプでこそありませんが漫画が原作(韓国の人気ウェブ漫画)。
梨泰院クラス
ソウル地下鉄6号線にある梨泰院駅。昔も今もホットなエリア。
 ドラマのタイトルにもなっている梨泰院は、大使館や米軍基地が点在するソウルの中心にある、おしゃれな若者たちに人気のナイトスポットとしても有名な街(そういえば、六本木を舞台に日本でリメイクされるという噂も。まあ、日本でいうと、東京・六本木というイメージなのかもしれません)。ドラマは、この梨泰院の小さな居酒屋「タンバム」を舞台に、主人公の青年パク・セロイが社会的にははみ出しものとされる仲間たちとともに幾度となく襲いかかる苦難を乗り越えながら、夢と復讐をかけて飲食業界の大ボスチェーン店「長家」に立ち向かっていくというサクセスストーリー。
 
 まさに、「友情」「努力」「勝利」という感動の原点が三つ巴となってくんずほぐれつぐるぐると渦巻きながら展開されていくという具合。コミック好きならずとも夢中になれる要素満載です。
  • 梨泰院クラス

    「長家」の会長でグンウォンの父であるチャン・デヒ(ユ・ジェミョン)

  • 梨泰院クラス

    高校時代のパク・セロイ(パク・ソジュン)

1話目から目が離せない、怒涛の復讐逆転劇

 物語は、主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)の高校時代に遡って始まります。転校した高校で、同級生を執拗なまでにいじめる「長家」の長男グンウォン(アン・ボヒョン)を目の当たりにしたセロイは、その正義感から彼を殴ってしまいます。圧倒的権力を握る「長家」の会長であり、グンウォンの父であるチャン・デヒ(ユ・ジェミョン)は、そんなセロイに土下座を要求(日本でも韓国でも土下座は最も屈辱的な謝罪ということですかねぇ……)。
 
 ところが、自分の信念を貫き、セロイはそれを絶対的に拒否し、結果、自分は退学となり、「長家」に勤めていた父までも退職処分に。さらに、グンウォンが起こしたひき逃げ事故により最愛の父は死亡。怒りに任せてグンウォンに暴力をふるったことから殺人未遂の罪で刑務所に収監されてしまったセロイ。その服役中に「長家」への復讐を決意、7年後、梨泰院で「タンバム」という小さな居酒屋を開店し、「長家」を超える一大チェーン店へとのし上がることを目標に、怒涛の復讐逆転劇の幕が切って落とされるというわけです。
梨泰院クラス
セロイの高校の同級生で初恋の相手でもあるオ・スア(クォン・ナラ)との恋の行方にも注目
 ほら、もうワクワクでしょ。どのようなサクセスストーリーが展開されていくのか、そして、エクラ世代が最も注目すべき、ドラマの見どころとは? その続きは【後半】にて、じっくりお伝えいたしますね〜。

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⑦法廷ドラマの傑作「ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-」

話題の韓国ドラマ「愛の不時着」をも凌ぐ(⁉️)見応えと、エクラ世代女優であるキム・ヘスの魅力にどっぷりハマれる法廷ドラマの傑作
ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-
 美容の記事に携わっていると、いつもぶつかる難問があります。それは“エイジレス”という問題。目指すのは「年齢にとらわれない美しさ」とでも言うのでしょうが(気にした時点ですでにとらわれている感ありありですが)、う〜む、これがなかなか難しい。見た目だけが若く見えればいいというわけでもなく……。
 
 美容の観点から言えば、その大きなカギとなるのは“肌”の印象ですが、もちろんエクラ世代が10代や20代の肌に戻ることは不可能。でも、皮膚科学や化粧品科学がめざましく進歩した今、最新のコスメや美容医療を賢く味方につければ、誰でも年齢を感じさせない肌を手に入れることは全然不可能なことではなくなっているのです(エクラ本誌の美容記事をぜひ、参考にしてくださいね!)。美しい肌はエイジレスビューティのポイントのひとつですが、でも、本当に私たち世代が求めているものって、それだけではないのでは……と常日頃もんもんとしていたところ、このドラマに格好のロールモデルを見つけちゃいました。
ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-
 金のためなら手段を選ばず“勝ち”を取りにいく“ハイエナ”女弁護士が今回のドラマのヒロインです。
 
 演じるのはキム・ヘス。韓流好きなら知らない人はいないほどの韓国を代表する大女優さんで、今年の9月で50歳を迎える1970年生まれ。そう、紛れもなくエクラ世代ど真ん中。韓国の裏社会を描いたサスペンス映画「コインロッカーの女」(拙い鑑賞数ではありますが、私の韓国映画ベスト1)や日本でもリメイクされたヒット作「シグナル」などで見せる変幻自在の演技力には舌を巻くほどですが、それにしてもハイエナ弁護士とは物騒キワマリない感じだけど、なぜに彼女がロールモデル? 
 
 その前にまずは物語を見てみましょう。これがかなりの傑作。私的には前回紹介した大ヒット作「愛の不時着」超えのお気に入り。
ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-

超エリート×雑草魂。そのスリリングな攻防戦が痛快

 韓国トップクラスの大手法律事務所「ソン&キム」の弁護士ユン・ヒジェ(チュ・ジフン)は最年少でパートナー弁護士となった超エリート。ソウル大学を首席で卒業し、家系も元大法院長の祖父、部長判事の父、同じく判事の兄という法曹界のサラブレッド。世間で話題の民情首席ホワイトスキャンダル(汚職事件)を無罪判決に持ち込むなど飛ぶ鳥を落とす勢いのヒジェですが、昼夜を問わず仕事に励む、かなりな努力家タイプでも。
 
 そんな彼の唯一の憩いの時間は、仕事を終えて向かう午前5時半のコインランドリーでのひととき。国内トップクラスの財閥企業「イシュム」の代表の離婚訴訟を任されたヒジェは、ある時そのコインランドリーでひとり読書をする女(キム・ヘス)と出会います。この時間になぜ? と、興味を向けると、読んでいる本から何から何まで自分好み。運命の女性に巡り会えたとばかりに彼女の虜となるヒジェは、生まれて初めての“本気”の恋愛を成就させます。そんななか、離婚訴訟の裁判が開廷。ところが、そこに現れたのは、なんと“かの人”。運命の彼女はあろうことか訴訟相手の弁護士チョン・グムジャだったのです……。
ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-
ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-
 知性と情報を駆使するエリート弁護士ヒジェと、相手の弱みを武器に畳みかけるハイエナ弁護士グムジャの、訴訟を巡って展開されるバトルがこのドラマ最大の見どころで、やるかやられるかの生き残りをかけたスリリングな攻防戦は、それだけでも見ていて痛快。さらに、ヒジェとグムジャの簡単にはすまされない男と女の複雑なる想いが絶妙に絡み合って、単なる法廷ドラマに終わらない見ごたえ深い作品に仕上がっているところがさすが。
ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-
 キム・ヘス演じるグムジャに対するサラブレッドなエリート弁護士ヒジェを演じるのは、映画「神と共に」やドラマ「キングダム」(朝鮮王朝を舞台に圧倒的なスケールで描かれるゾンビサスペンス。謎の感染症によって次々と増幅するゾンビに立ち向かう孤高の世子役を熱演。これも超オススメなので、時間があるかたはぜひ!)など、今ノリにノッているチュ・ジフン。
 
 日本でも大ヒットした、あの「宮(クン)~Love in Palace~」(韓国に王室制度が残っていたらという設定で描かれるラブロマンス。2006年韓国放送)のツンデレ王子も彼の当たり役なのでご存知のかたも多いとは思いますが、今回演じるヒジェは、エリート然としていながらハイエナ弁護士グムジャに手玉に取られまくるちょっと間抜けなところがなんともキュートで、幾度となくしてやられてしまうのにも関わらず、憎きグムジャを愛さずにはいられない“微妙な男心”を抜群のセンスで表現していて、これまでにない魅力もたっぷりと見せてくれています。
ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-
 そして、なんといってもロールモデルにしたいキム・ヘスです。彼女が演じるハイエナ弁護士グムジャは、温室育ちのヒジェとは対称的な踏まれても踏まれてもたくましく前に向かう強靭な雑草育ち。人に疎まれる後始末的な仕事も請負い、手段を選ばずひたすら勝訴を勝ち取るために貪欲に突き進む強引な辣腕さが売り。でも、その生い立ちはというと、人に言えない過去を抱え、それが彼女の弱点であり、かつ貪欲さのルーツとなっている……というような役どころです。

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⑧'20年上半期で最も話題のドラマ「愛の不時着」

'20年上半期で最も話題のドラマといっても過言ではない「愛の不時着」。韓国ドラマに馴染みのないかたにも入門編として超絶オススメ。ツンデレ男にキュンキュン、愛の行方にドキドキの真実の愛を描いたドラマをご紹介。
愛の不時着

財閥令嬢がパラグライダーでまさか本当に不時着するとは!!

 新型コロナ感染拡大の収束が遅々として進まない中、テレワークや自粛生活を続けていらっしゃる方が大半だと思いますが、今はただただ明るい明日を祈りつつ粛々と頑張るばかりですね。韓流ドラマが少しでもそんな毎日の力となることを願って。
 
 さて、そんななか、唐突ではありますが、格闘技はお好きですか? 柔道にレスリング、相撲にボクシング……などなど。2人が相対して戦うスポーツ。特に大ファンではなくても、中継などが始まるとつい見入ってしまうという人も多いのではないでしょうか。もちろん、私もそのひとり。圧倒的な力の差を見せつける横綱相撲にはやっぱりスカッとさせられちゃいますし、優勢を取られながら、終了間際に逆転の1本!なんていう力の拮抗した同士の対戦も、特に詳しいルールなんて知らなくても、台本のないドラマはやっぱり違う!と文句なく感動してしまうタチなのですが、あなたはいかが?
愛の不時着
 で、今回のドラマ。タイトルは「愛の不時着」……。テレサ・テンか! と思わずツッコミが入りそうな懐メロ感にかえってそそられますが、注目なのがこの“不時着”。何かの象徴か?もしくは深〜い伏線か?とつい裏読みしたくなりそうですが、実はタイトルのそのまんま、ドラマヒロインがパラグライダー事故によってあの38度線を越え、北朝鮮へと不時着してしまうことから始まる物語なのです。マジか。で、北朝鮮で格闘技でも始めるの?という質問がやってきそうですが、そうではありません。
愛の不時着愛
 主人公は韓国の財閥令嬢で、自らのブランドを立ち上げ、事業家としても成功しているユン・セリ(ソン・イェジン)。高慢ちきで仕事にも部下にも厳しく、イケメン俳優を相手に数々のスキャンダルを重ねる韓国の超有名人。その彼女が新しく参入するスポーツウェアのテストのため自ら試着を兼ねてパラグライダーに乗ることになったのがそもそもの始まりです。
 
 その少し前、セリは財閥グループ総裁となる父に呼び出され、末娘でありながらグループ後継者に指名されます。冷遇されていた財閥家を離れ10年、ひとりで頑張ってきた努力が報われたと感慨にひたりながら、優雅にパラグライダーを操るセリですが、そこに突然の竜巻が! あれよあれよという間に突風に巻き込まれ、気づいてみれば見知らぬ深い森の中。折しも、近くをパトロール中だった北朝鮮のエリート軍人リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)に発見され、セリは自分が北側に不時着していることを知るのですが……。
愛の不時着

北と南を舞台に王道のキャラクターが繰り広げるラブストーリー

 ご存知のように、いまだ鉄壁の境界線によって隔てられている韓国と北朝鮮。同じ民族でありながら自由に行き来することはもちろん、手紙や電話での連絡さえもままならない間柄。そう、一度離れてしまったら、また逢うことはなかなか難しい……(ロマンスの萌えどころですね〜)。
 
 そんな北と南を舞台に、片やエリート軍人、片や財閥令嬢という王道のキャラクターを配して繰り広げられるロマンティック・ラブストーリー。すでにわくわくという鼓動が聴こえてきそうですが、物語の前半の舞台となるのはもちろん北朝鮮。セリは非武装地帯の近くの小さな町に迷い込み、そこで、運良くリ・ジョンヒョクの住まいに匿われることになります。
 
 これまで超セレブライフを送ってきたセリですが、シャワーを浴びるにもお湯は出ないし、洗顔フォームもシャンプーもなし。一息ついたと思ったら停電で真っ暗。そんな不便極まりない生活のなかに、なぜかすんなり溶け込んでむしろ生き生きとしているセリの姿がコメディ要素たっぷりに描かれます。
愛の不時着
 実は、前半のこうした北朝鮮での風景は大きな見どころのひとつで、実際ドラマ化するにあたってかなり綿密な取材を重ねたらしく、現在の北朝鮮の普通の人々の暮らしぶりや町並みが細部にわたってリアルに再現されているのだそう。
  
 日本にとっても国交のない北朝鮮は、異国というよりむしろ異空間。まるで、不思議の国のアリスのごとく、未知の世界を旅しているような楽しさに包まれます。町の主婦たちのファッションや家の中のインテリアは、古き良き昭和の田舎町を彷彿とさせて、なんだかファンタジック。素朴で愉快な町の人々とのやりとりも、バカバカしいほどに面白おかしく大いに和ませてくれます。
愛の不時着
 とはいえ、なんといっても一番の見どころは、やっぱり、セリとリ・ジョンヒョクの愛のストーリー。セリを演じるのは、この連載でも登場した「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」のソン・イェジン。相対する北朝鮮の軍人リ・ジョンヒョクは、高官の息子で元天才ピアニストという設定で、まあ、いうなればセリが南のセレブなら、ジョンヒョクは北のセレブというところ。スイス留学中に兄が突然事故によって亡くなり、家を継ぐために軍人となるのですが、以来、家族にも心開くことなく、黙々と任務を遂行するためにだけ生きているという感じ。そんな彼が、セリを守るために、自分の命さえかける愛に生きる男へと変わっていく……というのがラブストーリーの大きな流れ。
 
 命をかけて守られるなんて、女と生まれたからにはぜひとも体感したいものですが、現実の日本では叶いそうにもありません、残念ながら。で、そのジョンヒョクを演じるのが、大ヒット作「シークレット・ガーデン」や「私の名前はキム・サムスン」(この2つもぜひ、チェックを!)などの主演で日本でもファンの多いヒョンビン。ソン・イェジンといい、ヒョンビンといい、つまりは韓国を代表する2大トップスターで、そのふたりががっぷり四つに組んでラブストーリーを展開するわけですから面白くないわけがない! 
愛の不時着

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