人気ドラマが集結!50代女性が夢中になる「韓国ドラマ」総集編
見始めるとつい夢中になってしまう韓国ドラマ。胸キュン必至のラブストーリー、思わず笑ってしまうラブコメ、涙なしには見れないヒューマンドラマ、緊迫感溢れるサスペンスや社会現象まで巻き起こした話題作など幅広く人気作品をご紹介。各ドラマの見どころや人気の秘密に迫ります!
【目次】
ラブロマンス
ラブコメディ
ヒューマンドラマ
時代劇
ファンタジー
青春ドラマ
復讐
サスペンス・ミステリー
法廷
サバイバル・アクション
ラブロマンス
①愛の不時着
第4次韓流ブームのきっかけとなった恋愛ドラマの大ヒット作。韓国の財閥令嬢がパラグライダー中に南北軍事境界線付近に不時着し、北朝鮮の将校と出会い、恋に落ちる物語。
北と南を舞台に王道のキャラクターが繰り広げるラブストーリー
主人公は韓国の財閥令嬢で、自らのブランドを立ち上げ、事業家としても成功しているユン・セリ(ソン・イェジン)。高慢ちきで仕事にも部下にも厳しく、イケメン俳優を相手に数々のスキャンダルを重ねる韓国の超有名人。その彼女が新しく参入するスポーツウェアのテストのため自ら試着を兼ねてパラグライダーに乗ることになったのがそもそもの始まりです。
その少し前、セリは財閥グループ総裁となる父に呼び出され、末娘でありながらグループ後継者に指名されます。冷遇されていた財閥家を離れ10年、ひとりで頑張ってきた努力が報われたと感慨にひたりながら、優雅にパラグライダーを操るセリですが、そこに突然の竜巻が! あれよあれよという間に突風に巻き込まれ、気づいてみれば見知らぬ深い森の中。折しも、近くをパトロール中だった北朝鮮のエリート軍人リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)に発見され、セリは自分が北側に不時着していることを知るのですが……。
その少し前、セリは財閥グループ総裁となる父に呼び出され、末娘でありながらグループ後継者に指名されます。冷遇されていた財閥家を離れ10年、ひとりで頑張ってきた努力が報われたと感慨にひたりながら、優雅にパラグライダーを操るセリですが、そこに突然の竜巻が! あれよあれよという間に突風に巻き込まれ、気づいてみれば見知らぬ深い森の中。折しも、近くをパトロール中だった北朝鮮のエリート軍人リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)に発見され、セリは自分が北側に不時着していることを知るのですが……。
■Netflixオリジナルシリーズ『愛の不時着』独占配信中
②よくおごってくれる綺麗なお姉さん
年上彼女と年下彼氏の恋のはじまりから結婚に向けての過程をリアルなタッチで描いているもので、女子が年上、男子が年下ということ以外、ごくごく普通の設定です。そうなんです。韓流というと、財閥だの不治の病だの殺人鬼だのを思い浮かべる方もまだまだ多いと思いますが、最近は普通の男女を描くドラマのほうがむしろ主流だったりして、これはまさにその代表作とでもいいましょうか。
互いに好意以上の気持ちをもちながら、幼なじみゆえになかなかそれを言い出すことができない2人。相手の気持ちを面と向かって確かめるのもなんだか憚れる感じだし、手に触れたいけれど、肩を寄せたいけれど、寸でのところで手がだせない…。誰もが経験してきたそんな恋のはじまりの揺れながら高まっていく等身大の姿が、ジナのその世代が背負う現実的な日常と絡められながら、ややアンバーめの洒落た映像で上質なドキュメンタリーフィルムのように丁寧に繊細に紡ぎ出されていく。
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③ボーイフレンド
パク・ボゴム演じる年下男子とソン・ヘギョ演じる年上女子のせつなく甘いピュアな恋を描く。初回の美しいキューバロケも話題に。
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④空から降る一億の星
17年前に日本のラブロマンスの名手と言われる脚本家の北川悦吏子さんが脚本原作で大ヒットした名作ドラマの韓国リメイク版。同じ傷を持つムヨンとヒロイン・ジンガンの切なく狂おしい恋と、ジンガンを溺愛する兄ジングクを交えた3人の衝撃的な運命が、心揺さぶるサスペンスメロドラマ仕立てで描かれています。登場人物やその基本的な背景はほぼ日本のドラマと同じですが、時代を現在に移し変え、キャラの設定や感情の微妙な動きに至るまでより繊細に丁寧に描きこまれているので、実際には非現実的な物語ではありますが、観ているものにずしりとリアルに迫ってくところは、さすが韓流といったところ。
ドラマはある女子大生の転落殺人事件からスタート。ヒロインのジンガンは、その事件を捜査する兄ジングクと親友スンアの陶芸展に出席。そこで危険な男ムヨンと出会い、3人の運命の歯車が回りだすといった具合。兄ジングクは、25年前のある事件をいまだ引きずる出世とは無縁の刑事で、妹ジンガンが幸せになることだけを望んで日々生きているのですが、年頃を過ぎてもいまだに恋人もできずにいるジンガンに、実直でやさしい自分の同僚の後輩刑事チョロンを紹介します。一方、ムヨンに対しては女子大生殺人事件に関与しているとの疑念を募らせていき…。
ドラマはある女子大生の転落殺人事件からスタート。ヒロインのジンガンは、その事件を捜査する兄ジングクと親友スンアの陶芸展に出席。そこで危険な男ムヨンと出会い、3人の運命の歯車が回りだすといった具合。兄ジングクは、25年前のある事件をいまだ引きずる出世とは無縁の刑事で、妹ジンガンが幸せになることだけを望んで日々生きているのですが、年頃を過ぎてもいまだに恋人もできずにいるジンガンに、実直でやさしい自分の同僚の後輩刑事チョロンを紹介します。一方、ムヨンに対しては女子大生殺人事件に関与しているとの疑念を募らせていき…。
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④最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜
2011年に韓国で大ヒットしたこのドラマは、元アイドルの落ち目タレント(29歳女子)と韓国スーパースター俳優(37歳男子)の純な愛を描いたラブコメディといういかにもな物語。しかし、いつの間にか、こっちが“ドゥグンドゥグン”。
チャ・スンウォン氏演じるトッコ・ジン(役名)が人生初めての恋をするというのがドラマの主軸を担う展開です。自分のなかで、芽生えるかつてない感情に、戸惑ったり、喜んだり、悲しくなったり…その滑稽かつ愛すべき姿は本当に胸キュンもの。ある意味世間知らずでピュアなスーパースターのそのカッコ悪くも純粋な恋ごころに、いつしか、私の心の中にもどんどん切なさがあふれていき、思わず胸が「ドゥグンドゥグン」。そう、「ドゥグンドゥグン」は、韓国語で「ドキドキ」の意味。
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⑥椿の花咲く頃
ドラマは、椿(韓国語ではドンベク)という名の、でも、花言葉とは真逆の、常に不運に見舞われながら愛情薄き生活を送ってきた女性の物語。テーマは「愛」と「絆」。
舞台となるのは、オンサンという小さな田舎町(実際には存在しない架空の町ですが、ロケ地は釜山の近くにある昔日本人が多く住んでいたところなのだそう。ノスタルジックな町並みが私たち世代にどこか懐かしく、それだけでも親近感バリバリ)。ここに、シングルマザーのドンベク(コン・ヒョジン)が引っ越してきたところから物語が始まります。
幼い頃は母親に、成人しては最愛の恋人に捨てられ、ひとり産んだ息子と生きていくため、ドンベクはオンサンで「カメリア」という居酒屋を始めます。町の男たちで店は大繁盛するものの、ドンベクに対する女たちからの風当たりは当然きつく、あからさまにのけものにされたり、さんざ嫌味を言われたり。でも、母親から捨てられたという過去を持つドンベクは、自分に自信がもてず、女性陣に言われるがままいつも口ごもってばかり…。
幼い頃は母親に、成人しては最愛の恋人に捨てられ、ひとり産んだ息子と生きていくため、ドンベクはオンサンで「カメリア」という居酒屋を始めます。町の男たちで店は大繁盛するものの、ドンベクに対する女たちからの風当たりは当然きつく、あからさまにのけものにされたり、さんざ嫌味を言われたり。でも、母親から捨てられたという過去を持つドンベクは、自分に自信がもてず、女性陣に言われるがままいつも口ごもってばかり…。
一途な想いが、ドンベクを変え、ドンベクの想いが、また、人のココロを変えていく。特別な力を持たずとも、想いさえあれば、人は人の奇跡になれる、というこれはそんな物語。つい、いろいろと裏読みしては疲れてしまいがちな大人のひねくれ心もじんわりほんわりほぐしてくれる湯たんぽみたいな優しい温かさ。愛と絆っていいものね、なんて久しぶりに心素直にさせてくれる名作です。
■Netflixオリジナルシリーズ「椿の花咲く頃」配信中
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ラブコメディ
①イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~
Netflix配信の最新作映画「キル・ボクスン」での半端ない殺しっぷりもめちゃカッコよかったですが、私的には映画「男と女」(‘16年)で見せたタバコを深く燻らせるラストのショットが強く記憶に残っているといいましょうか。コン・ユとの美しすぎるベッドシーンも話題ではありましたが、ああ、男って、ああ、女って……、なんて感じの感慨の湖にどっぷり浸らせていただいたというか。大ヒット作「プラハの恋人」(ハ・ジョンウとも共演)とか、近々では「人間失格」とかドラマ出演もありますが、やっぱり活躍の中心は映画。大人ロマンスの職人とも称される、あのカンヌでも女優賞に輝いたアラフィー演技派映画女優チョン・ドヨンが選んだ2年ぶりのドラマは、なんとラブコメ。
チェ・チヨル(俳優チョン・ギョンホ)は芸能人ばりの人気を誇る予備校の数学講師(タイトルの“イルタ”は 一番のスターの略語で韓国では人気講師のことをイルタ カンサと呼ぶ)。わずか10分で1700万ウォン稼ぐと豪語するほどなのだけど、実は過去のトラウマがあって不眠や摂食障害に悩まされているというキャラクター。食べるもの食べるもの全て吐いちゃうチヨルですが、唯一吐かずに美味しく食べられる惣菜を売る店を発見。その店を営んでいるのが、そう、チョン・ドヨン扮するナム・ヘンソンというわけです。ヘンソンには、受験を控えた成績優秀な娘ヘイ(ノ・ユンソ)がいるのですが、最初は受験なんてと無関心だったヘンソンも、ヘイがチヨルの授業を受けたがっていたと知って、にわかに受験生親バトルに参戦、ということであーだこーだといろんな問題が立ち上がりつつ、チヨルとのラブコメが展開されるという塩梅。
最初は反発しながらも次第に、という流れは韓国ラブコメあるあるではありますが、私的には二人のラブの展開よりも女優チョン・ドヨンと俳優チョン・ギョンホというベテラン演技派同士の、永遠に続く小技の応酬ラリーに魅せられて目が離せなかったというか。さらに、ドラマを面白くするのがサスペンスまで絡めた受験にまつわるそれぞれの親と子のストーリー。ああ、親って、ああ、子供って……、なんて感じで、アラフィー女性ならジーンと身につまされる物語も多々あるので必見です。さらにさらに、ヘンソンの娘ヘイと、同級生ボーイズ二人が織りなす微笑ましい三角ラブも。ヘイ役のノ・ユンソは「私たちのブルース」でデビューしたばかりの多分今最も注目度の高い新人女優さん。「私たち〜」でもデビュー作とは思えない存在感でしたが、本作もかなりいい味出してますので、ぜひチェックを。
■Netflixシリーズ「イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~」独占配信中
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②その恋、断固お断りします
3作品の中でもイチオシがこのドラマ。私の韓ドラ先輩から「あまりに面白くて一晩で観ちゃった」と言われ、慌てて一気見。実は、主演のキム・オクビンにも相手役のユ・テオにもそれほどなじみがなく、迷わずスルーしようとした作品ですが、なんと今ではNetflixランキング上位の常連。蓋を開けてみれば、キャラクターも設定もストーリーも振り切りまくっていて、“こりゃあ大人向け少女漫画だ絶対”と思うような久々の抱腹絶倒“ド”韓流ラブコメでして。何度も何度も爆笑しちゃうわ、終盤には不覚にもジーンと目頭熱くしちゃうわと、何もかも忘れて手放しで楽しい気分にさせられちゃうので、日頃の憂さを晴らしたいアラフィーのリフレッシュサプリとしても超絶おすすめです。
とにかく、キム・オクビン扮するヒロインの弁護士ヨ・ミランのキャラが最高。幼い頃から女が男に一歩譲る的なことにキリキリと理不尽さを感じて育ったのがこのミラン。例えば、小学生時代。狭い通学路に女子たちを追いかけ回す変態爺さんが出現。父に訴えると「違う道を遠回りせよ」との忠告。そこでミランは燃えちゃうのですね。「悪いことをしているのは向こうなのに、なぜ、こっちが避けなければいけないのか。弱いから? 女だから?」。で、テコンドーや空手を習い出し、徹底的に鍛えて、そのエロ爺さんを撃退してしまうという。以来、男に負けじと闘い続け、かくして腕っぷしも度胸も恋愛遍歴も男以上に男らしくたくましい超絶男前な女弁護士が出来上がったという次第。
一方、そのミランの恋のお相手となるのが、ユ・テオ扮するトップ俳優のナム・ガンホ。“キス職人”と称されるほど恋愛ドラマに引っ張りだこのガンホですが、実は過去のトラウマから大の女性アレルギー。女優との触れ合い必須なロマンスシーンは薬(医師処方による精神安定剤的な)を飲まずにはこなせない程の重症で、女と言えば、“自分の価値を上げて一番高く買ってくれる男に売ることばかり考えている”という偏見に凝り固まっているわけでして。いやあ、こちらの役もかなりの振り切り度。
ということで、ドラマは、そんなミランがそんなガンホの担当弁護士になるところからラブ要素が展開し、突如浮上したガンホのスキャンダルをもみ消すために二人が契約恋愛をするハメになり……という安定の“あるある”ラブコメで、二人が互いに惹かれていく過程も笑いなくしては観られない小技が随所にバシバシ挟み込まれていて、それはそれは楽しすぎるぅ〜〜〜わけなのです。
で、かのキム・オクビンですが、私的にはなじみ少ない女優さんではありますが、あの名匠パク・チャヌクの映画「渇き」では体を張った演技でソン・ガンホの相手役を務めたり(吸血鬼役!)、2018年の映画「悪女」では復讐に燃える女殺し屋に扮して注目を集めたり(アクションシーンもほぼスタントなしで演じ切った!)という、どちらかといえばハードな役柄が主流の36歳。
■Netflixシリーズ「その恋、断固お断りします」独占配信中
で、かのキム・オクビンですが、私的にはなじみ少ない女優さんではありますが、あの名匠パク・チャヌクの映画「渇き」では体を張った演技でソン・ガンホの相手役を務めたり(吸血鬼役!)、2018年の映画「悪女」では復讐に燃える女殺し屋に扮して注目を集めたり(アクションシーンもほぼスタントなしで演じ切った!)という、どちらかといえばハードな役柄が主流の36歳。
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③海街チャチャチャ
田舎が舞台の“ヒーリング系”が注目
田舎の小さな港町で開業した歯科医(シン・ミナ)とみんなの人気者ホン班長(キム・ソンホ)のサスペンスなしのロマンス。疲れた心にしみわたってほっこり。
■Netflixシリーズ『海街チャチャチャ』独占配信中。
④社内お見合い
ルックス、知性、財力を兼ね備え仕事もできる完璧な財閥3世の社長と、ひょんなことから財閥令嬢の友人の代わりに勤務先の社長とお見合いをすることになった女性会社員の社内恋愛物語。
韓国本社の社長就任のため久しぶりに帰国する空港でのシーンがドラマの初っ端となるのですが、テムのせいで持っていたコーヒーをぶちまけてしまった女性(ヒロインとなるシン・ハリ)が文句を言おうとテムの顔を見た途端に、そのイケメンぶりにポーっとなる……。
帰国早々テムは、会社の会長(テムの祖父)から、早く跡継ぎをとばかりに見合いを強要されるのですが、その見合い相手の財閥娘ヨンソ(ソル・イナ)は政略結婚とんでもハップン(古っ)とばかりに、今回のヒロインとなる友人シン・ハリ(キム・セジョン)に代打を頼むところからスタート(“あるある”ですねこの展開も)。見合いをぶち壊すべく、厚化粧のロングヘアに変身して「私は八股女よ」などとふしだらさをアピールするものの、その後ハリがヨンソの代打と知ったテムが、もう見合いはうんざりとハリに契約恋愛を提案、でも、実はハリはテムの会社に勤めていて、食品開発研究員として仕事熱心で、バレたらクビかもとジタバタ……、とすったもんだのドタバタ・ツンデレ・胸キュン・ラブコメが展開するのです。
帰国早々テムは、会社の会長(テムの祖父)から、早く跡継ぎをとばかりに見合いを強要されるのですが、その見合い相手の財閥娘ヨンソ(ソル・イナ)は政略結婚とんでもハップン(古っ)とばかりに、今回のヒロインとなる友人シン・ハリ(キム・セジョン)に代打を頼むところからスタート(“あるある”ですねこの展開も)。見合いをぶち壊すべく、厚化粧のロングヘアに変身して「私は八股女よ」などとふしだらさをアピールするものの、その後ハリがヨンソの代打と知ったテムが、もう見合いはうんざりとハリに契約恋愛を提案、でも、実はハリはテムの会社に勤めていて、食品開発研究員として仕事熱心で、バレたらクビかもとジタバタ……、とすったもんだのドタバタ・ツンデレ・胸キュン・ラブコメが展開するのです。
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⑤ユミの細胞たちシーズン1・2
主人公の女性、キム・ユミが生きる現実世界を実写で、ユミの頭の中の細胞を3Dアニメーションで描いた新感覚ラブストーリー。シーズン1(’21年)とシーズン2(’22年)からなる。
平凡な会社員ユミとゲーム開発者ク・ウン(演じているのがアン・ボヒョン)の恋愛を、頭の中に住む細胞たち(理性、感情、愛、食いしん坊、下心などなど、ユミの思考と行動をコントロールするさまざまな細胞が住んでいる)の視点と重ね合わせながら綴っていくのがシーズン1の大筋。
ウンの面影に思いっきり後ろ髪引かれている中、新たな恋をするのは、もとい、ユミの新たな恋愛を覗くのは、到底気分ではないのですが、なんと、なんとです。シーズン2の始まりは、噴水の下でのユミとウンの別れのあのシーン。こんなところで、ウンと再会できるとはホント予想外。またまたいきなり胸締め付けられてしまうわけなのですが、その思いは、当然ユミも同じだったらしく、別れ話を撤回しようとウンに電話をかけてみたり(でも、通じず……)、気がつくとウンの友人のSNSをチェックしてウンの動向を探ってみたり、失恋の痛手でユミの心もズタボロの模様。
失恋の痛みにどっぷりと浸るユミに一本の電話。「ケンチャナ? ヒムネヨ(大丈夫? 元気出して)」。そう、バビからです。シーズン1で、ユミの文才を見つけてマーケティング部に引っ張ったあのイケメン同僚のユ・バビです。こうした男子からかけられる何気ない言葉って、実は失恋という病の何よりの特効薬。それをきっかけにユミの心が、少しずつ癒され始めていく。
失恋の痛みにどっぷりと浸るユミに一本の電話。「ケンチャナ? ヒムネヨ(大丈夫? 元気出して)」。そう、バビからです。シーズン1で、ユミの文才を見つけてマーケティング部に引っ張ったあのイケメン同僚のユ・バビです。こうした男子からかけられる何気ない言葉って、実は失恋という病の何よりの特効薬。それをきっかけにユミの心が、少しずつ癒され始めていく。
■「ユミの細胞たち」、Amazon Original「ユミの細胞たち - シーズン 2」Prime Videoで独占配信中
⑥九尾の狐とキケンな同居
大人に響く“ウェブ漫画原作”急増中
999歳の九尾の狐(チャン・ギヨン)×女子大生(イ・ヘリ)のラブコメディ。人間になれるラストチャンスを逃したら消滅するギヨン狐。そのせつなくもかっこいい姿は必見。
■Amazon Prime Videoで配信中。
ヒューマンドラマ
①ウ・ヨンウ弁護士は天才肌
自閉スペクトラム症の弁護士ウ・ヨンウが主人公の法廷ドラマ。身近に起こる小さいが切実な難問を彼女ならではのひらめきで解決する様に心温まる。同僚や上司など脇役陣も魅力的。
自閉スペクトラム症の弁護士が主人公の、毎回毎回ジーンとさせられる感動のヒューマンドラマ。ウ・ヨンウは自閉スペクトラム症を持つ韓国初の弁護士。だから、いわゆる“普通”の弁護士とは違います。ソウル大は主席で卒業、わずか5歳にして刑法を全て暗記するという天才的な頭脳を持ちながら、普通の人が何の疑問も抱かず簡単に通りぬけできる回転ドアは通ることができない……、という特性がウ・ヨンウにはあるわけです。
ウ・ヨンウの、その素晴らしき特性が最も発揮されるのが“法廷”というわけで、世間的なしがらみや偏見・感情などに左右されないウ・ヨンウならでは独特の視点や正義感、生真面目さで、普通の人が見落としがちな本当に弁護するべき真実を膨大な法律の中から探し出し、真の解決へと導いていく。
■Netflixシリーズ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」独占配信中
②39歳
39歳という微妙な年齢を迎えた女3人。それぞれに複雑な事情を抱える彼女たちの友情と愛を描く。友人の余命がわずかと知った女友だちの絆がアツい
■Netflixシリーズ「39歳」独占配信中。
③まぶしくて ─私たちの輝く時間─
幼い頃に砂浜で時間を巻き戻せる時計を拾うが、巻き戻す分、早く歳をとるため、与えれた時間を失っていく女性と、毎日を無気力に送る男性。同じ時間にいながら、異なる時間を生きていく男女のヒューマンストーリー。
■U-NEXTにて配信中
④私たちのブルース
豪華キャスト! 名優たちの貴重な演技に要注目!
のどかでエネルギッシュな済州島の港町を舞台に、そこで暮らすさまざまな人々の悲喜こもごもを美しい映像とともにオムニバスでつづる感動作。イ・ビョンホンなど韓国を代表する名優の共演が豪華。
のどかでエネルギッシュな済州島の港町を舞台に、そこで暮らすさまざまな人々の悲喜こもごもを美しい映像とともにオムニバスでつづる感動作。イ・ビョンホンなど韓国を代表する名優の共演が豪華。
■Netflixシリーズ「私たちのブルース」独占配信中。
⑤私の解放日誌
くすぶりがちな日常からも人生からも自分からも解放されたい、3きょうだいの物語。田舎町からソウルに通勤する三きょうだいの変わり映えしない日常をユーモラスに詩的につづりながら心が解放されるまでを描く。
舞台は、ソウルから電車で1時間半かかるサンポ村(架空の村です)。3人は、この村にある実家で暮らしながら、職場のあるソウルへと通勤しているのですが、毎日往復3時間もかけて通うって、それだけでもかなりなうんざり度数高めなわけで、加えて、3人が3人とも鬱々しちゃうようなそれぞれの葛藤を抱えているというわけです。
会社と家の往復、辟易する職場、会話のない家族との夕飯、友人や同僚たちとの建設的でないお喋り、そして、満たされない日々。そんな誰もが感じるうんざりとするような日常から彼らはどう解放されていくのか。
会社と家の往復、辟易する職場、会話のない家族との夕飯、友人や同僚たちとの建設的でないお喋り、そして、満たされない日々。そんな誰もが感じるうんざりとするような日常から彼らはどう解放されていくのか。
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⑥賢い医師生活
大病院を舞台にした、5人の医師たちの愛おしい日常の物語
ドラマの主人公となるのは、ソウル大学医学部を優秀なる成績で卒業した(’99年入学)、5人の医師たち。ソウル大といえば、韓国の名門中の名門。物語は、その5人が、ソウルの一大総合病院「ユルジェ病院」会長の死をきっかけに、その大病院でともに働くことになったことから始まります。うぬ? 大病院? 会長の死? 名門ソウル大出身の医師たち? う〜む、何やら初っ端からきな臭い匂いがしてきます……。
大病院が舞台とはなっていますが、主人公の5人は決して華やかなるヒーローでもヒロインでもありません。胸締めつけられるようなドラマチックな設定のラブロマンスもありません。そこにあるのは、5人の医師たちと、彼らをとりまく人々の病院が舞台の日常の物語。くすりと笑いながらジーンと心が温かく満ちてくること必至。
■Netflixオリジナルシリーズ『賢い医師生活』独占配信中
⑦SKYキャッスル~上流階級の妻たち~
富裕層が暮らす高級住宅街を舞台に繰り広げられる、アラフィー世代の妻たちの欲望と幸せを描いた衝撃作。
韓国では社会現象を巻き起こしたほどの爆発的な大ヒット作。セレブ階級舞台のお受験ドロドロもので愛憎、妬み、差別、足のひっぱりあい……。
タイトルに使われている“SKY”は、韓国の超名門3大学のソウル大<S>、高麗大<コリョ=K>、延世大<ヨンセ=Y>(頭のよき学生たちが入りたい大学ナンバー3。日本で言えば東大、早大、慶大にあたるといわれてます)の頭文字をつなげたもので、遥か高いところにある“空”とかけあわせて作られた略語。
タイトルに使われている“SKY”は、韓国の超名門3大学のソウル大<S>、高麗大<コリョ=K>、延世大<ヨンセ=Y>(頭のよき学生たちが入りたい大学ナンバー3。日本で言えば東大、早大、慶大にあたるといわれてます)の頭文字をつなげたもので、遥か高いところにある“空”とかけあわせて作られた略語。
知っての通り、韓国は日本以上の学歴偏重社会。超名門大学に入学すること=人生の成功者……、みたいな風潮がいろんなドラマでちょいちょい描かれていることも多く、そのため、お受験戦争も私たち日本人が想像する以上にかなり熾烈。このドラマもそんな韓国の世相を反映したお受験を巡る物語で、小高い丘に広がる「SKYキャッスル」と呼ばれる高級住宅街を舞台に、超難関といわれる医大に娘や息子を入学させるためにヒステリックなまでに躍起となる家族にまつわるお話なのです。
■U-NEXTにて配信中
⑧ミセン-未生-
熾烈な競争繰り広げられる大手総合商社で奮闘する会社員の悲哀を描くお仕事ヒューマンドラマの傑作です。プロ棋士の夢を断念し、契約社員として入社した主人公グレ(イム・シワン)の懸命な姿を追う本筋のストーリーが涙を誘うのはもちろん、彼の同期となる新入社員3人のサイドストーリーも、立ちだかる壁の前で悪戦苦闘するそれぞれのあり様が、働く身にとってみればリアルにギュンギュン胸に迫る。
例えば、カン・ハヌル演じるチャン・ベッキ。文句なしの学歴と頭脳で、エリート街道まっしぐらと自信満々だった彼ですが、望んだ部署には配属されず、先輩から与えられる仕事は事務処理ばかりで、手腕を発揮できる仕事は一向にさせてもらえない。きっと、自分を嫌っているのだと思い詰め、さらにはグレが仕事で注目されると焦りは募るばかりで、転職を考えるほどの挫折感を味わうし、紅一点のアン・ヨンイ(カン・ソラ)は、語学堪能な優秀なスキルでエリート部署に配属されるも、プライド高き先輩や上司たちは“女ごときが”という偏見の塊。仕事はコピーなどの雑用ばかりなのはもちろん、プライベートな用事までいいつけられる始末で、一向に戦力として迎え入れるような気配なし。
例えば、カン・ハヌル演じるチャン・ベッキ。文句なしの学歴と頭脳で、エリート街道まっしぐらと自信満々だった彼ですが、望んだ部署には配属されず、先輩から与えられる仕事は事務処理ばかりで、手腕を発揮できる仕事は一向にさせてもらえない。きっと、自分を嫌っているのだと思い詰め、さらにはグレが仕事で注目されると焦りは募るばかりで、転職を考えるほどの挫折感を味わうし、紅一点のアン・ヨンイ(カン・ソラ)は、語学堪能な優秀なスキルでエリート部署に配属されるも、プライド高き先輩や上司たちは“女ごときが”という偏見の塊。仕事はコピーなどの雑用ばかりなのはもちろん、プライベートな用事までいいつけられる始末で、一向に戦力として迎え入れるような気配なし。
そして、もう一人がピョン・ヨハン演じるハン・ソンニュル。陽気な情報通で、一見調子良さそうに見えるけど、工場経営をする父の影響で現場を大切に思うロマンと情熱も持ち合わせているのですが、そんな彼も、適当な仕事ぶりの先輩上司に仕事を押し付けられたり、手柄を横取りされたり。上司に訴えても相手にされず、悶々とする毎日。大企業に入社したプライドも夢もズタズタにされながら、それでも少しずつ成長していく若き彼ら。最初は自分のことだけで精一杯だった4人が、同じ仲間として繋がっていく姿もジーンとなるというか。
今ほどの厳密なコンプライアンスがなかった10年前のドラマではありますが、学歴差別、女性差別、契約社員の限界、上司VS部下の構図とか、表立ってはいないけれど、実は今でも脈々と続いているさまざまな理不尽は思い当たる節も満々。踏み躙られても、何度も心折れながらも、前を向いて歩もうとする彼らに、なんだか明日への勇気をもらえるようで。そして、やっぱり泣けるのはイ・ソンミン演じるオ課長。こんな上司、マジで欲しいぞ。
■U-NEXTにて配信中
今ほどの厳密なコンプライアンスがなかった10年前のドラマではありますが、学歴差別、女性差別、契約社員の限界、上司VS部下の構図とか、表立ってはいないけれど、実は今でも脈々と続いているさまざまな理不尽は思い当たる節も満々。踏み躙られても、何度も心折れながらも、前を向いて歩もうとする彼らに、なんだか明日への勇気をもらえるようで。そして、やっぱり泣けるのはイ・ソンミン演じるオ課長。こんな上司、マジで欲しいぞ。
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⑨ヒーローではないけれど
派手なアクションもサスペンスも一切なし。ラスト2~3話はただただ感涙の連続!
ドラマはそれぞれの家族の思惑と想いを交錯させながら、ギジュとト・ダヘの過去と未来が交錯するちょっぴり奇妙なロマンスが展開されていきます。そして、次第に見えてくるわけです。一家の持つ超能力と、それを失ってしまった理由にはそれぞれ必然があり、意味があり、さらに、ポク家&ト・ダヘ一家のそれぞれの存在にもカラクリがあるということが。ドラマの至るところに伏線として仕込まれていたそれら全てのピースがギューッと一つにまとまってラストの深い感慨へと誘ってくれるその展開は見事としかいいようがありません。過去と今と未来と、不幸と幸せと、嘘と真実と、人と人の繋がりと、そして、生まれてきた意義と。もう、ラスト2〜3話は感涙の連続。派手派手しいアクションもサスペンスも一切なしの感動作。
ドラマはそれぞれの家族の思惑と想いを交錯させながら、ギジュとト・ダヘの過去と未来が交錯するちょっぴり奇妙なロマンスが展開されていきます。そして、次第に見えてくるわけです。一家の持つ超能力と、それを失ってしまった理由にはそれぞれ必然があり、意味があり、さらに、ポク家&ト・ダヘ一家のそれぞれの存在にもカラクリがあるということが。ドラマの至るところに伏線として仕込まれていたそれら全てのピースがギューッと一つにまとまってラストの深い感慨へと誘ってくれるその展開は見事としかいいようがありません。過去と今と未来と、不幸と幸せと、嘘と真実と、人と人の繋がりと、そして、生まれてきた意義と。もう、ラスト2〜3話は感涙の連続。派手派手しいアクションもサスペンスも一切なしの感動作。
もう一度繰り返しますが、とにかくいい、じわじわといい。チャン・ギヨンは作品選びも上手いなあと、つくづく。彼と演技派チョン・ウヒの抑制効かせながら、確実にきゅ〜んとさせてくる大人ロマンスもたまりません。ちなみにチャン・ギヨンの娘役でちょっと大きくなった名子役のパク・ソイ(役名はポク・イナ)が登場するのですが、そのエピソードも泣けるんですよね。つーか、全ての登場人物にじわんと泣けちゃう、そんな作品です。
■Netflixシリーズ「ヒーローではないけれど」独占配信中
■Netflixシリーズ「ヒーローではないけれど」独占配信中
⑩サムシクおじさん
舞台となるのはクーデターによって軍部が政権を握る以前の世界最貧民国の一つといわれていた1960年前後の韓国。ソン・ガンホが演じる主人公のドゥチルは、貧困極める朝鮮戦争の間も、家族を飢えさせないために一日三食(韓国語でサムシク)を与えたという逸話をもち、そのことから“サムシクおじさん”と呼ばれるようになった人物です。お腹いっぱい食べさせてあげること、そのためには人殺しさえも厭わないドゥチルは、今では政治の裏で暗躍するフィクサーとなっているのですが、そんな韓国を三食食べられる富める国にしたいという夢を持っているわけです。
ピョン・ヨハンが演じるのはアメリカで経済学を学び、帰国後は内務省国家再建局に勤務するキム・サン。彼もまた貧しき韓国を産業国家にするという野心を抱いているのですが、現実に阻まれてなす術なしという現状。そんな中、あることから突如演説をすることになった彼は自分が抱く夢についてこう叫びます。「誰もが1日三食、腹いっぱいに食べる国を」と。自分が富むことしか頭にない政治家たちばかり見てきたドゥチルはこの演説を聞き、やっと同じ夢を持つ同志に会えたと心躍らせます。その姿は永遠の恋人を見つけた、ちょっと年のいった少年のようでもあり、さりげなくそんなニュアンスと頃合いを感じさせる演じ方の上手さはやっぱり名匠ならでは。
ドラマは、そんな二人をさまざまな思惑はびこる政治の中に描いていくわけですが、探り合い、騙し合い、談合し合い、貶め合い、そして、邪魔な人物は抹殺するという政治の世界の凄まじさに加えて、迫りくるクーデターの気配。はたして二人は夢を果たすことができるのか、それとも海の藻屑と消えるのか。過去、現在、その後が並行しながら描かれる構成もちょっとわかりづらくはありますが、人物相関図を手元に最後まで二人の夢の行方を見守ってほしい。ドゥチルが何度か目を輝かせながら口にする「ピザを食べたことがあるか」というセリフが私には今なお忘れられないのです。
■ディズニープラス スターで全話独占配信中
ドラマは、そんな二人をさまざまな思惑はびこる政治の中に描いていくわけですが、探り合い、騙し合い、談合し合い、貶め合い、そして、邪魔な人物は抹殺するという政治の世界の凄まじさに加えて、迫りくるクーデターの気配。はたして二人は夢を果たすことができるのか、それとも海の藻屑と消えるのか。過去、現在、その後が並行しながら描かれる構成もちょっとわかりづらくはありますが、人物相関図を手元に最後まで二人の夢の行方を見守ってほしい。ドゥチルが何度か目を輝かせながら口にする「ピザを食べたことがあるか」というセリフが私には今なお忘れられないのです。
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⑪クイーンメーカー
財閥家の汚い裏側を知る主人公が、清廉な弁護士を支える構図にシビれる!
舞台となるのは、ソウル市長選。富も権力も自在に操る巨大グループ・ウンソン財閥を相手に、後ろ盾のない2人の女性が市長の座をかけて敢然と立ち向かう壮絶なる攻防戦が描かれるのですが、キム・ヒエが演じるのは、もちろん、そのひとり、タイトルロールとなるクイーンメーカー、ファン・ドヒ。
もともとは数あるコネなし平社員の中からウンソングループ戦略企画室のエースとして這い上がってきた生え抜きなのですが、エリート然としているものの、やっていることといえば、パワハラ、セクハラ、横領などなど、ウンソン財閥家の数々の醜聞事件をもみ消す汚れ仕事。
舞台となるのは、ソウル市長選。富も権力も自在に操る巨大グループ・ウンソン財閥を相手に、後ろ盾のない2人の女性が市長の座をかけて敢然と立ち向かう壮絶なる攻防戦が描かれるのですが、キム・ヒエが演じるのは、もちろん、そのひとり、タイトルロールとなるクイーンメーカー、ファン・ドヒ。
もともとは数あるコネなし平社員の中からウンソングループ戦略企画室のエースとして這い上がってきた生え抜きなのですが、エリート然としているものの、やっていることといえば、パワハラ、セクハラ、横領などなど、ウンソン財閥家の数々の醜聞事件をもみ消す汚れ仕事。
ハイブランドファッションに身を包み、汚いこととは無縁ですとでもいうような華奢&おすましビジュアルとは裏腹に、自ら汚物を拾い上げては、どんな手を使ってでも、なかったことに消し去ってしまう凄腕。それゆえ、ウンソングループ会長(女優ソ・イスク)の厚い信頼を勝ち得るものの、裏では“ウンソンの水洗トイレ”とまで陰口を叩かれているのですが、あふれんばかりの成り上がりエネルギーを感じさせながら、見た目がとことん上品。
ところが、そのドヒの直属の部下がある日突然、転落死。ウンソン財閥の娘婿ジェミン(リュ・スヨン)のレイプが発端なのですが、人の死を目の当たりにしたドヒはこれまで行ってきた自分の罪の重さに押し潰されるように突然改心、その一件のもみ消しを命令されるものの敢然と拒絶してしまうんですね。
となると、財閥家なんて実に冷たいものです。もともと、社員を単なる捨て駒としてしか考えていないから、あれだけ手を汚させて自分達の窮地を救わせてきたエースの首だって、何の逡巡もなく、あっさりと切り捨ててしまうわけです。まあ、そこまではいいとして、土砂降りヒエ・ドヒを本気にさせたのは、あろうことか、そのスレギ(クズ)ジェミンがウンソン財閥を後ろ盾にソウル市長に立候補するというニュース。しかも、市民の味方、女性の味方と銘打って。胸の内の雨霰は、荒れ狂う嵐と化し(見た目はあくまでスマート然としているところも凄い)、ドヒはジェミンを当選させてなるものかと立ち上がるわけですね、人権派女性弁護士オ・ギョンスク(女優ムン・ソリ)を対立候補として出馬させて…。
■Netflixシリーズ「クイーンメーカー」独占配信中
となると、財閥家なんて実に冷たいものです。もともと、社員を単なる捨て駒としてしか考えていないから、あれだけ手を汚させて自分達の窮地を救わせてきたエースの首だって、何の逡巡もなく、あっさりと切り捨ててしまうわけです。まあ、そこまではいいとして、土砂降りヒエ・ドヒを本気にさせたのは、あろうことか、そのスレギ(クズ)ジェミンがウンソン財閥を後ろ盾にソウル市長に立候補するというニュース。しかも、市民の味方、女性の味方と銘打って。胸の内の雨霰は、荒れ狂う嵐と化し(見た目はあくまでスマート然としているところも凄い)、ドヒはジェミンを当選させてなるものかと立ち上がるわけですね、人権派女性弁護士オ・ギョンスク(女優ムン・ソリ)を対立候補として出馬させて…。
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⑫良くも、悪くも、だって母親
スパルタ教育で息子を一流裁判官にする……、いき過ぎた母の愛の行方は?
日本以上に家族の絆が深い韓国ですが、ましてや女手ひとつで育て上げた母と息子の関係は想像を超える想い(愛?)があるに違いありません。ラ・ミラン演じる母ヨンスンは、その想いの度が超えて息子にとっては、かなりなナップン オンマ(悪い母)になってしまった代表例とでもいいましょうか。
日本以上に家族の絆が深い韓国ですが、ましてや女手ひとつで育て上げた母と息子の関係は想像を超える想い(愛?)があるに違いありません。ラ・ミラン演じる母ヨンスンは、その想いの度が超えて息子にとっては、かなりなナップン オンマ(悪い母)になってしまった代表例とでもいいましょうか。
ことの始まりは、イ・ドヒョン演じる息子チェ・ガンホがまだ、母ヨンスンのお腹の中ですやすやと成長している最中のこと。互いに惹かれあって結婚した夫のチェ・ヘシク(チョ・ジヌン)は養豚場を営んでおり、貧しいながらも助け合いながら、ガンホが生まれてくることを心待ちにしている微笑ましい夫婦なのですが、ある日、養豚場の前の通りがオリンピックのマラソンコースとなったため、景観が悪いからと撤去を迫られてしまうのですね。夫へシクは理不尽な決定に断固闘う姿勢を崩さないのですが、暴力団まがいの建設会社社長ソン・ウビョク(チェ・ムソン)は、養豚場を焼き払った挙句、火事の真相を探ろうとした夫へシクをなんと自殺に見せかけて殺害。その真実を明らかにしたいヨンスンは検察官のオ・テス(チョン・ウンイン)に託すのですが、裁判はあっけなく自殺と結審されてしまうという。
お腹のガンホを一人で立派に育てようと決意した母ヨンスンは、チョウ里という村に引っ越してガンホを出産、小さな養豚場を営みながら、女手一つでガンホを育て上げていく。ヨンスンは、その私さえも慄くほどのかなりなスパルタで、亡き夫の事件によって貧しく力がないことが、どんなに人を不幸にしてしまうかを身を持って味わっているため、ガンホを一流の裁判官にすべき決意を強固に心を鬼にするわけです。
そうしてガンホは見事、難関を突破してヨンスンが望んだ通りのエリート検察官となるのですが、穏やかで純粋な少年ガンホの面影は完全に消え去り、まるで自分の利だけを追求しているかの如く冷徹な検察官になってしまう。
そんなある日、ガンホは突然の交通事故に遭い、なんと意識不明の重体に! 母ヨンスンの懸命の看病もあってか、奇跡の如く意識を回復するガンホなのですが、知能は7歳の子供のまま。息子に厳しすぎた自分の愚かさを省みた母ヨンスンは、掛け違えてしまったボタンをもう一度正そうと、7歳の子供にかえったガンホと二人で新たに歩み始めて……。
そんなある日、ガンホは突然の交通事故に遭い、なんと意識不明の重体に! 母ヨンスンの懸命の看病もあってか、奇跡の如く意識を回復するガンホなのですが、知能は7歳の子供のまま。息子に厳しすぎた自分の愚かさを省みた母ヨンスンは、掛け違えてしまったボタンをもう一度正そうと、7歳の子供にかえったガンホと二人で新たに歩み始めて……。
⑬アンナ
ドラマは、チョン・ハンアの長編小説『親切な異邦人』をモチーフに、アンナ(ユミ)の“嘘”がどう始まり、どう膨れ上がっていき、そして、どんな未来へと繋がっていくのかを見事なまでの脚色で紡いでいきます。面白いのは、アンナを単なる悪女として描いてない点。虚栄心も人間としての誠実さも実は持ち合わせている、どこにでもいるひとりの人として映し出している……だから、つい嘘を重ねてしまうアンナも、それに陶酔していくアンナも、人間的誠実さとの間で揺れ動くアンナも、どこか自分と重なる部分があって、ドキドキしながら固唾を飲んで見守ってしまうのです。高校生時代の初々しい色香、嘘をつき始めた浪人時代の揺れ、落ちぶれた使用人時代のやつれた姿、そして、虚構の世界で磨き上げられる美貌。幼い頃に身につけたポーカーフェイスの奥に潜むユミの心情の変化一つ一つを能弁に表現するすスジの演技、そしてそれぞれの時代のそれぞれの美しさ(ほぼすっぴんの汚れ姿さえも美しい!)。
実はこの作品、全6話のものと全8話ディレクターズカット版の2タイプがあるのですが、編集を変えるだけで全く違う作品に仕上がっているのにはある種の感慨を覚えるというか。よりハラハラのサスペンス仕立てに近い6話ものと、ユミの生き様に焦点を当て、じっくりと時を追いながら繊細に紡いでいくどちらかというとドキュメンタリータッチのヒューマン仕立ての8話ものと。見比べてみるのも一興ですが、いずれにしろすごいのはぴーんと研ぎ澄まされた緊張感という細い糸に最初から最後まできゅう〜っと引っ張り上げられていくような感覚にさせられること。人の嘘がこれほどまでにスリリングなものとは知りませんでした。
■Prime Videoにて独占配信中
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⑭ラケット少年団
父の転勤で、ソウルからド田舎の中学校に転校することになった主人公ヘガン。もともと野球をやっていたが、父の赴任したバドミントン部が廃部の危機と聞き、一緒に奮闘することに。少年少女たちの青春ヒューマンコメディ。
■Netflixシリーズ「ラケット少年団」独占配信中
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⑮D.P.─脱走兵追跡官─ シーズン2
軍隊が舞台の骨太人間ドラマ待望のシーズン2
脱走兵を追う若き追跡官“D.P.”の苦悩を描く。
脱走兵を追う若き追跡官“D.P.”の苦悩を描く。
韓国の軍隊が舞台。扱われる内容はいじめやパワハラ、自殺といった問題と、軍上層部や国家組織の隠蔽体質などですが、徴兵制度のない国に暮らす私たち自身にも、今現在、身近に感じられる社会問題。ストーリーの巧みさ、映像の迫力に加え、D.P.役のふたりがすばらしい。
■Netflixシリーズ「D.P.-脱走兵追跡官-」シーズン1~2 独占配信中
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時代劇
①恋慕
王位継承者だった双子の兄の死により、男装して世子(王の世嗣ぎ)として生きていくことになる宮女と、初恋の相手で、のちに学問の師となる男性との宮廷ロマンス。
パク・ウンビンと、今や俳優としても大活躍のボーイズグループSF9のロウンによる王宮ロマンス。パク・ウンビンが演じるのは、暗殺された双子の兄に代わり、女であることを隠して男装の世子イ・フィとして生きることになったタミ役。そのタミの初恋の相手となるのがロウン演じるジウンで、成人してからイ・フィ(実はタミ)の司書(教育係)なり、二人のロマンスが展開されるという具合。通常の時代ロマンスは世子×身分の低いヒロインという組み合わせが鉄板ではありますが、世子(実は女子)×仕える男子という立場逆転のロマンスがこのドラマのミソ。
イ・フィがタミであることはもちろん、女子であることも知らずに惹かれていく自分に戸惑い、それでも好きを貫こう決めるジウンがめちゃ健気で反対にヒロインのように見えるし、韓服に身を包んだパク・ウンビンは決して大柄とはいえずむしろ華奢なタイプであるにも関わらず、その堂々とした立ち振る舞いや低く重いトーンの声などは本物の王にしか見えないという。そんな二人の間に立ちはだかるのが熾烈な権力争いと、親と子というしがらみと情愛。果たして二人はその試練を乗り越えて初恋から続く恋慕を成就することができるのか。世子として男子として気丈に振る舞うパク・ウンビンの秘めた恋心も切なく響きます。
■Netflixシリーズ『恋慕』独占配信中
イ・フィがタミであることはもちろん、女子であることも知らずに惹かれていく自分に戸惑い、それでも好きを貫こう決めるジウンがめちゃ健気で反対にヒロインのように見えるし、韓服に身を包んだパク・ウンビンは決して大柄とはいえずむしろ華奢なタイプであるにも関わらず、その堂々とした立ち振る舞いや低く重いトーンの声などは本物の王にしか見えないという。そんな二人の間に立ちはだかるのが熾烈な権力争いと、親と子というしがらみと情愛。果たして二人はその試練を乗り越えて初恋から続く恋慕を成就することができるのか。世子として男子として気丈に振る舞うパク・ウンビンの秘めた恋心も切なく響きます。
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②還魂
歴史上にも地図上にも存在しないテホ国を背景に、魂を入れ変える“還魂術”によって運命を左右された人々を描くファンタジー時代劇。
舞台となるのはテホ(大湖)国という地図にも歴史にも登場しない架空の国。高麗や朝鮮王朝同様にテホ国も王が治めているのですが、国を守ったり商業をまとめたりと実際に国を取り締まっているのは、術士(この国を治めるために必要な水の気を操る術を持っている)と呼ばれる人たち。
そんな術士を悩ませているのが還魂人という存在です。危険な邪術として禁術されている“還魂術”により魂を入れ替えて生きている存在で、つまり肉体が死にそうになっても還魂術を使えば、健康な身体の魂と入れ替えながら生きながらえることができるという。ところが、ひとたび還魂人が暴走してしまうと、人の魂を吸い取る怪物になってしまううえ、遥か昔、この還魂術を巡る権力争いが激化し、テホ国が滅びる寸前まで陥った過去があるため、術士たちは血眼になって還魂人を取り締まっているわけなのです。
で、イ・ジェウクです。彼が扮するのは、テホ国の術士の4大名家の一つ、チャン家の跡取り息子チャン・ウク。通常なら若き術士のエースとなるべき家柄ではありますが、実は、ウクには、世継ぎのいない余命わずかな前王が、一時的にウクの父に還魂して生まれたという出生の秘密が。そのため、父はその事実を隠し、ウクを普通の自分の息子として生かすために、彼の気門(術を使うための“気”を出し入れする、体に備わっている出入口のようなものと思われる)を封じ、術士の名家に生まれながら術士になれない運命を背負っているわけなのです。本人は知らないとはいえ、還魂術によって生を受けていること自体が禁令中の禁令。つまり、この世に本当は存在してはならない存在なのです。
そんな術士を悩ませているのが還魂人という存在です。危険な邪術として禁術されている“還魂術”により魂を入れ替えて生きている存在で、つまり肉体が死にそうになっても還魂術を使えば、健康な身体の魂と入れ替えながら生きながらえることができるという。ところが、ひとたび還魂人が暴走してしまうと、人の魂を吸い取る怪物になってしまううえ、遥か昔、この還魂術を巡る権力争いが激化し、テホ国が滅びる寸前まで陥った過去があるため、術士たちは血眼になって還魂人を取り締まっているわけなのです。
で、イ・ジェウクです。彼が扮するのは、テホ国の術士の4大名家の一つ、チャン家の跡取り息子チャン・ウク。通常なら若き術士のエースとなるべき家柄ではありますが、実は、ウクには、世継ぎのいない余命わずかな前王が、一時的にウクの父に還魂して生まれたという出生の秘密が。そのため、父はその事実を隠し、ウクを普通の自分の息子として生かすために、彼の気門(術を使うための“気”を出し入れする、体に備わっている出入口のようなものと思われる)を封じ、術士の名家に生まれながら術士になれない運命を背負っているわけなのです。本人は知らないとはいえ、還魂術によって生を受けていること自体が禁令中の禁令。つまり、この世に本当は存在してはならない存在なのです。
そんなウクの前に現れる女性がムドク(チョン・ソミン)。実はこのムドク、貧しい盲目の娘なのですが、ナクス(コ・ユンジョン)という誰もが恐れる凄腕暗殺者(女性)が落命の寸前、還魂術によって魂を入れ替えたという経緯が。還魂で目は見えるようになったものの、ムドクの身体がひ弱過ぎて、ナクス(落首=彼女が通るだけで首が落ちるという意味)という名には全くもってそぐわない運動音痴に成り下がるわけです。凄腕の術は全く使えずに還魂人になってしまったナクスの魂を宿すムドクは自分自身を守る術もなく……。ナクスが暗殺者になったのには切ない過去もあるのですが、還魂人であるムドク(というか魂はナクス)もまた、この世に存在してはならない存在というわけで。
ムドクの瞳にナクスの魂が宿っていることを見抜いたウクは、彼女の術を持ってすれば気門を開くことができると読み、ムドクを表向きは自分の侍女として雇い、彼女の弟子になることを志願。無力のムドクはムドクで、術を使える力を取り戻すまではウクの立場を利用しようと考え、ウクの提案を受け入れる……。ということで、そこから、二人の運命を切り開くための命懸けの闘いとロマンスが幕を切って落とされるというわけです。
ムドクの瞳にナクスの魂が宿っていることを見抜いたウクは、彼女の術を持ってすれば気門を開くことができると読み、ムドクを表向きは自分の侍女として雇い、彼女の弟子になることを志願。無力のムドクはムドクで、術を使える力を取り戻すまではウクの立場を利用しようと考え、ウクの提案を受け入れる……。ということで、そこから、二人の運命を切り開くための命懸けの闘いとロマンスが幕を切って落とされるというわけです。
■Netflixシリーズ「還魂」パート1&パート2独占配信中
③シュルプ
世子(皇太子)選びの受験戦争を描いた異色の時代劇。共感必至!母として人としてのあるべき姿に、感涙せずにはいられない!
テーマは、王宮内の母と子が奮闘する、世子(皇太子)選びの受験戦争。朝鮮王朝の次の王を約束される世子は、順当であれば、正室である王妃の産んだ王子、“大君”(テグン。一方、側室の産んだ王子は“君”として区別された)の長子が自動的に選ばれます。
ただ、「択賢」(テクヒョン)という考え方もあり、非常事態などの異例として嫡流でない王子が王として選ばれることもないわけではありませんでした。「択賢」とは、徳と功のある最も賢い者を選ぶという意味。ドラマでは、この「択賢」を現代の受験になぞらえて、王宮内の王子選びの試験として大胆に脚色し、朝鮮王朝の架空の時代を舞台に描かれるというわけです。
それゆえ、通常なら成人すると無条件に地方に飛ばされる側室の王子たちなのですが(世子以外の大君も)、ドラマでは、我が子が世子になるチャンス!とばかりに、「択賢」が採用されるとなるや否や、君たちの母である側室たちがにわかに世子選びの受験バトルに参戦して奮闘しまくるという次第。
ただ、「択賢」(テクヒョン)という考え方もあり、非常事態などの異例として嫡流でない王子が王として選ばれることもないわけではありませんでした。「択賢」とは、徳と功のある最も賢い者を選ぶという意味。ドラマでは、この「択賢」を現代の受験になぞらえて、王宮内の王子選びの試験として大胆に脚色し、朝鮮王朝の架空の時代を舞台に描かれるというわけです。
それゆえ、通常なら成人すると無条件に地方に飛ばされる側室の王子たちなのですが(世子以外の大君も)、ドラマでは、我が子が世子になるチャンス!とばかりに、「択賢」が採用されるとなるや否や、君たちの母である側室たちがにわかに世子選びの受験バトルに参戦して奮闘しまくるという次第。
後ろ盾になる外戚がいないファリョン王妃。彼女が産んだ大君は5人いるのですが、その長子である世子(俳優ペ・イニョク)は文武に秀でたうえに、母思い、弟思いの文句なしのデキた息子。ところが、残る4人の大君といえば、軒並み問題児ばかり。宗学(チョンハク)という帝王学を学ぶ王子たちの授業にも、遅刻せずにまともに出席することのほうが稀という体たらく。
唯一の頼りだった世子が突然、血の病に倒れたところから、物語は一気に暗雲の様相に。実は、今の王(俳優チェ・ウォニョン)は、20年前に嫡流だった当時のテイン世子が同じ血の病で亡くなったことから、件の「択賢」によって、母である大妃(俳優キム・ヘスク)が側室でありながら世子に選ばれたという経緯が。そして、テイン世子の弟たちも次々と殺害されていたという事実まで。ということは、「択賢」で大君の誰かひとりが世子に選ばれなければ、息子たちの命が危うい……。かくして、愛する息子たちを守るため、ファリョン王妃の命懸けの闘いが始まるのです。
唯一の頼りだった世子が突然、血の病に倒れたところから、物語は一気に暗雲の様相に。実は、今の王(俳優チェ・ウォニョン)は、20年前に嫡流だった当時のテイン世子が同じ血の病で亡くなったことから、件の「択賢」によって、母である大妃(俳優キム・ヘスク)が側室でありながら世子に選ばれたという経緯が。そして、テイン世子の弟たちも次々と殺害されていたという事実まで。ということは、「択賢」で大君の誰かひとりが世子に選ばれなければ、息子たちの命が危うい……。かくして、愛する息子たちを守るため、ファリョン王妃の命懸けの闘いが始まるのです。
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④100日の郎君様
記憶をなくしたツンデレ王子と、行き遅れのワケあり村娘の100日間の愛を描いたロマンス時代劇
次代の権力を巡って、さまざまな世子さまへの陰謀が繰り広げられるという寸法。命を狙われる孤独な若き世子さまが、その難関をどう切り抜けていくのか…。
命を狙われる世子さまが主人公。その名はイ・ユル。幼い頃に謀反によって母を殺され、初恋の少女とも引き裂かれる残酷な過去をもち、誰一人信じることのない宮廷の中で孤独に生きてきたため、かなりな冷徹青年世子として育ちます。そして、ある時、政略結婚させられた妻との床入れを迫られて、その腹いせに「適齢期を過ぎた男女は全員結婚すべし」というとんでもないお触れを出してしまうのです。
そんな折、宮廷の陰謀で刺客に襲われたユルは、瀕死の重傷を負ったところをヨンという村人に助けられます。が、記憶を失ってしまうユル。ヨンは、世子のお触れに背いて結婚を拒否し罰せられそうになる娘のホンシムのため、ユルを娘の許嫁ウォンドゥクだと思い込ませ、2人を結婚させてしまうのです。かくして、かりそめの夫婦になった二人の“100日間”が始まる、、、という展開。
■Netflixシリーズ「100日の郎君様」配信中
⑤赤い袖先
史実が題材の時代劇「赤い袖先(原題)」は、宮女であるソン・ドクイム(のちの後宮・宜嬪成氏=ウィビン ソンシ)と、朝鮮王朝第22代王となる正祖(チョンジョ=本名はイ・サン)の切なく狂おしいラブストーリー。
名君イ・サンとドクイムの物語は、朝鮮王朝“世紀のロマンス”とも
彼女は、名君・正祖(朝鮮王朝22代王、本名イ・サン)が最も愛した女性といわれている人物(正祖が自ら求めた妻は、王妃、側室含めてもドクイム以外はいなかったとされ、ふたりの物語は朝鮮王朝世紀のロマンスとも称される)。
ドクイムの父が、正祖の母ヘビンの実家の使用人だったことから、その縁で宮女になったらしいのですが、記録には宮女のドクイムが正祖の妹である2人の王女とともに小説を筆写したという記述が残っている模様(つまり、聡明な女性であったという推測も)。で、興味深いのは王である正祖の寵愛を受けながらも、後宮(側室)の申し入れを2度も固辞しているということ(後宮になることは当時では、ある意味、宮女にとっての最高の栄誉でもあったはずなのに)。
そして、宮女身分のまま王子を出産、その2年後に後宮の最高位である嬪(=ビン)の位を与えられる(宜嬪成氏)のですが、王子(文孝世子)がわずか3歳で亡くなると、その後を追うように3人目のアガ(赤ちゃん)を身ごもったまま33歳という若さで死去。正祖は彼女の死を深く激しく悲しんだといわれています。
世子=ヒーロー、政敵の重臣たち=悪者という、勧善懲悪的な安定のなかにある切ないハラハラドキドキ、時代エンターテイメント仕立てが中心。それもそれで大好物ではありますが、動かしようのない史実のその真実を解き明かしていくような胸詰まるヒューマンミステリーとしての面白さは歴史ドラマならでは。
そういう意味でも、この作品は私好みど真ん中。余計なものはとっぱらって、歴史的事実を交えながら正祖とドクイムの“心”にぎゅうっとフォーカスするよう紡いで描いた脚本も、時代の美しさを映し出す繊細かつ力強い映像も引き込まれずにはいられません。
そういう意味でも、この作品は私好みど真ん中。余計なものはとっぱらって、歴史的事実を交えながら正祖とドクイムの“心”にぎゅうっとフォーカスするよう紡いで描いた脚本も、時代の美しさを映し出す繊細かつ力強い映像も引き込まれずにはいられません。
⑥キングダム
朝廷の実質的な支配者である領議政のチョ・ハクチュ(リュ・スンリョン)は、娘を現王の後妻として嫁がせ、男児を産ませて王室の権力をほしいままにしようと企みます。その娘王妃チョ氏(キム・へジュン)は、父の希望通りに現王の子を身籠るのですが、何やら隠された秘密がある体。そんななか、現王が謎の疫病にかかり、人を襲う化け物となってしまうのですが、ハクチュらはその事実を押し隠します。その秘密を嗅ぎつけたのが、世子イ・チャン(チュ・ジフン)。現段階では唯一の王位継承者ではあるものの、母の身分が低いために、王妃に男児が生まれるとその地位も危うく、それゆえ王室では味方のない孤独な立場。父である王がかかった疫病の真相を探るべく、チャンは医官の元に赴くのですが、すでに疫病は拡大しており、ゾンビと化した化け物が夜毎に暴れまくり、そのたびに増殖する一方。チャンは生き残った女医のソビ(ペ・ドゥナ)らとともに、ゾンビと死闘を繰り広げながら、その真相を探っていく
まわりは敵ばかりという世子を演じるチュ・ジフンの孤高とか、ゾンビとの壮絶な闘いに血に染まりながら疲れ果てていく姿とか、チュ・ジフン好きな私としてはたまらないわけですが、それにも増して心奪われるのが王妃役のキム・へジュン。野心のために手段を選ばない残忍とか、チョ一族に娘として生まれた悲哀とか。さらに、疫病の原因となる“生死草”の発端の物語が描かれるスピンオフ「キングダム:アシンの物語」もお見逃しなく。こちらは泥と汗にまみれた、女優チョン・ジヒョンの哀しみと美しさが壮絶。
■Netflixシリーズ「キングダム」シーズン1~2独占配信中
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⑦魅惑の人
清の支配下にある架空の朝鮮王朝が舞台。王イ・ソンの弟であるイ・イン(チョ・ジョンソク)は、臣下として仕えてきたが、ある日、兄が病に倒れたため、代わりに王になるも、王宮は権力争いが渦巻いていた。一方、囲碁の天才であるカン・ヒス(シン・セギョン)は、王への復讐のため、男装をして“賭け囲碁師”として暗躍するが、いつしか互いに魅かれるようになり……。
■Netflixシリーズ「魅惑の人」独占配信中
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⑧花が咲けば、月を想い
朝鮮王朝時代、王命の名のもとに禁酒令がたびたび施行されていたのをご存じですか? といっても長くても数ヶ月というのが実のところらしいのですが、このドラマは、禁酒令が発令されて10年という朝鮮王朝架空の時代を舞台にしたラブコメ時代劇です。
ウソクが演じるのは世子(王の子供)役。といっても主演ではありません。ヘリ演じるヒロイン、ロソに片想いする二番手で、一番手となるのはユ・スンホ演じる両班(特権支配階級の家柄)の子息ヨン。超堅物の真面目人間で、持ち前の才覚を発揮して科挙に主席合格するのですが、任命されたのが監察官。要は密造酒を取り締まる側です。一方、ヒロインのロソは、落ちぶれた両班の娘で、お人好しの兄が作った莫大な借金を返済するために父秘伝の酒造りを開始。要は密造酒を作る側です。でもって、追うもの、追われるもののバトルの中からロマンスが生まれていくという展開なのですが、融通の効かないヨンと、生きるためには犯罪に手を染める覚悟も厭わないロソとの、力関係男女逆転の関係性が痛快で、実はあまり期待していなかった私も、一気見してしまった作品。
時代劇にもれなく付いてくる権力争いも、権力をほしいままにする“おぬしも悪よのう”的な単純な高官像と違い、複雑なキャラになっているところも魅せてくれます。で、ウソクですが、一見、容姿端麗、文武両道の颯爽とした世子なのだけど、宮廷をたびたび抜け出し闇酒を楽しんだりしていて、これが主演の世子なら、世を欺く仮の姿で、実は庶民の暮らしを偵察している体になるのですが、ウソク世子は違います。兄の突然の死により自分が世子となった負い目や自己嫌悪、コンプレックスをその内にいっぱい抱えていて、それにちょいちょい負けそうになって悪に迎合しそうになるわけです。そんな心の弱さや線の細さを好感度を落とさず表現できるのは、ひょっとしたらウソクだからこそなのかもしれないと、このドラマでつくづく。物語の流れとしてはヒロインのロソに惹かれていくわけですが、その後登場するカン・ミナ演じるウソク世子に一目惚れするイケメン大好きの兵曹判書(軍事を統括する大臣)の娘エジンとの絡みが最高で、底抜けに明るいエジンと心の弱さを隠しきれないウソク世子との、こちらも男女逆転していく関係性がめちゃ楽しい。「ソンジェ〜」でウソクペンになった人はもちろん、時代劇好きの人もお見逃しなく。
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ファンタジー
①トッケビ~君がくれた愛しい日々~
神の力により不滅の命を生きる“トッケビ”(精霊)になってしまった高麗の武神が、約900年の時を経て、その命を終わらせることができる唯一の存在、“トッケビの花嫁”と出会い始まるファンタジー恋愛ドラマ。
■U-NEXTにて配信中
②結婚作詞 離婚作曲
世代の違う3組の夫婦のドロドロ離婚ストーリー。6年ぶりに書き下ろしたイム・ソンハンの話題作。サスペンスより夫婦の日常が怖い!
■Netflixシリーズ『結婚作詞 離婚作曲』シーズン1~2独占配信中
青春ドラマ
①二十五、二十一
IMF経済危機により苦境にさらされる5人の若者の初恋と友情を描く。金メダルを目ざすフェンシング選手ヒドをキム・テリが好演。1998年という時代のキラッキラな青春がまぶしいほど心に響く。
裕福な家庭に育つものの(大学の入学祝いがなんと真っ赤なガブリオレ)、父の会社が倒産し一家は離散。名門大学生という前途洋々たる未来を絶たれて、物置みたいな間借りの小部屋に暮らし、夢も希望も置き去りにするほかなくアルバイトを掛け持ちしつつ、それでも生きるために頑張っている。
そんなイジンの前に現れるのが、この物語の主人公ナ・ヒド。夢はフェンシングの国家代表として金メダルをとること。幼い頃に最愛の父を亡くし、TV局のアンカーを務める母は常に多忙で、ひとりぼっちの寂しさを嫌というほど味わってきたヒド。そのヒドが、彼女の町内に越してきたイジンと度々顔を合わせるようになり……、というのが物語の始まり。
そんなイジンの前に現れるのが、この物語の主人公ナ・ヒド。夢はフェンシングの国家代表として金メダルをとること。幼い頃に最愛の父を亡くし、TV局のアンカーを務める母は常に多忙で、ひとりぼっちの寂しさを嫌というほど味わってきたヒド。そのヒドが、彼女の町内に越してきたイジンと度々顔を合わせるようになり……、というのが物語の始まり。
“初恋”というにはあまりにも深いイジンとヒドのつながりは、これまでのドラマのどの初恋とも全然似てないし、なのに、どこか自分の昔を恋しく思い返すようなずっしりと響くリアルもひしひしで。
■Netflixシリーズ「二十五、二十一」独占配信中
②十八の瞬間
オン・ソンウ演じる18歳の主人公ジュヌが、ソウルの高校に転校してくるところから始まります。このジュヌですが、校内暴力の加害者として強制転校させられてきたという設定(実は加害者ではなく仕立てられてしまったのですが……)。それゆえ、学校側も生徒たちも保護者も彼を見る眼差しはほとんどが偏見の塊……。私的にはタイトルから察するに軽いノリで観られる高校生の胸キュン初恋モノを期待していたのですが、初っ端からちょっと重苦しい雰囲気です……。
ジュヌが転入したクラスの超優等生の委員長マ・フィヨン(シン・スンホ=人気webドラマ『A-TEEN』で注目されたモデル出身の期待の新人)によって時計泥棒の汚名まで着せられるという展開。実は、ジュヌは母親とも離れて暮らす私生児という事情も抱えており、このマ・フィヨン事件により再び強制転校か……という状況に追いやられていきます。転校したばかりなのに、いきなりの絶体絶命。
ジュヌが転入したクラスの超優等生の委員長マ・フィヨン(シン・スンホ=人気webドラマ『A-TEEN』で注目されたモデル出身の期待の新人)によって時計泥棒の汚名まで着せられるという展開。実は、ジュヌは母親とも離れて暮らす私生児という事情も抱えており、このマ・フィヨン事件により再び強制転校か……という状況に追いやられていきます。転校したばかりなのに、いきなりの絶体絶命。
物語はジュヌとスビンの初々しい初恋を主軸に据えて、学校や親の権力、いじめ、暴力、差別、偏見などの現実社会が抱える深刻な問題を織り込みながら、それぞれの18歳が直面する現実をきめ細やかに映し出していくといった内容。果たして、ジュヌは、そして彼を取り巻くそれぞれの高校2年生たちは、どんな選択をし、どんな18歳を生きていくのか……。そして、ジュヌとスビンの初恋の行方も気になるところ……。
■「十八の瞬間」U-NEXTにて配信中
③イ・ドゥナ!
演じるのはスジを地でいくような元ガールズグループのアイドル役。物語は、地方に住む平凡な大学生のウォンジュン(ヤン・セジョン)が、シェアハウスに引っ越してきたところから始まります。でもって、そのシェアハウスの1階に住んでいたのが、そう、スジ演じる突然引退したガールズグループ「ドリームスウィート」の揺るがぬセンター、イ・ドゥナ。
大学生ウォンジュンは真面目を絵に描いたような人物なのですが、当然アイドルなんてほぼほぼ興味なし。だから、もちろんイ・ドゥナなんて知りもしないわけなのです。なのに、地元の大親友が実はイ・ドゥナの大ファンで、ウォジュンはその日にたまたまその親友からプレゼントされたパーカーを着て行ったわけなのですね。でもって、庭でアンニュイに煙草をくゆらせる住人イ・ドゥナと遭遇するのですが、そのパーカーが何とイ・ドゥナの名前入り。当然、イ・ドゥナは思うわけです、自分のストーカーが入居してきたと。
子猫のように気まぐれで、常に上から目線で“ツン”な態度をとっているかと思えば、突然今にも壊れてなくなってしまうかのような弱さをあらわにする。前々から思っていたのですが、たとえば上品と粗野、清楚と濃艶、優しさと意地悪さ、繊細さとしたたかさ、芯の強さと崩れやすさ、そんな相反する全てを溶け合わせたかのように当然のごとく共在させている稀有な存在なのではないかと(私の個人的見解です)。ものいわずとも多くを語る眼差しの魔性は、さらに妖しさと強さを増しているのはいうまでもなく。だから、ウォンジョンならずとも、心揺さぶられずにはいられないのです。
■Netflixシリーズ「イ・ドゥナ!」独占配信中
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④その年、私たちは
学年1位女子と学年ビリ男子がいつも一緒に行動したらどうなる?というドキュメンタリー番組に出演した高校同級生の女子と男子。当然、二人は考えることも行動も正反対。番組映像では笑っちゃうほど反発し合う二人が映し出されるわけですが、なぜかそのまま付き合うことになっちゃうという。なのに、それから5年後、女子から突然の別れ宣言。で、そのまた5年後、2度と会いたくないと思っていた二人が仕事で再会、しかも再び二人のドキュメンタリー番組が作られることになり……という展開の青春ラブストーリー。
物語は、再燃しそうでなかなか燃え上がらない二人のラブをコミカルに描きながらも、それぞれが抱える内に秘めた心の痛みに少しずつ少しずつ繊細にフォーカスしていき、そこが通常のラブコメと違ってより大人が魅せられるポイントといいましょうか。二人はなぜ別れることになったのか。いや、それ以前に、なぜ二人は学年トップとビリでありながら、惹かれあったのか。そして、再会した二人は今、何を思うのか。高校時代のドキュメンタリー映像の弾けるようなみずみずしさと、心の内をさらけ出せない大人のもどかしさと優しさと。いたいけなウシクから目が離せないアジュンマとしては、彼の温かな幸せを願うばかりです。
■Netflixシリーズ「その年、私たちは」独占配信中
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復讐
①梨泰院クラス
ドラマのタイトルにもなっている梨泰院は、大使館や米軍基地が点在するソウルの中心にある、おしゃれな若者たちに人気のナイトスポットとしても有名な街(そういえば、六本木を舞台に日本でリメイクされるという噂も。まあ、日本でいうと、東京・六本木というイメージなのかもしれません)。ドラマは、この梨泰院の小さな居酒屋「タンバム」を舞台に、主人公の青年パク・セロイが社会的にははみ出しものとされる仲間たちとともに幾度となく襲いかかる苦難を乗り越えながら、夢と復讐をかけて飲食業界の大ボスチェーン店「長家」に立ち向かっていくというサクセスストーリー。
まさに、「友情」「努力」「勝利」という感動の原点が三つ巴となってくんずほぐれつぐるぐると渦巻きながら展開されていくという具合。コミック好きならずとも夢中になれる要素満載です。
まさに、「友情」「努力」「勝利」という感動の原点が三つ巴となってくんずほぐれつぐるぐると渦巻きながら展開されていくという具合。コミック好きならずとも夢中になれる要素満載です。
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「長家」の会長でグンウォンの父であるチャン・デヒ(ユ・ジェミョン)
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高校時代のパク・セロイ(パク・ソジュン)
物語は、主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)の高校時代に遡って始まります。転校した高校で、同級生を執拗なまでにいじめる「長家」の長男グンウォン(アン・ボヒョン)を目の当たりにしたセロイは、その正義感から彼を殴ってしまいます。圧倒的権力を握る「長家」の会長であり、グンウォンの父であるチャン・デヒ(ユ・ジェミョン)は、そんなセロイに土下座を要求(日本でも韓国でも土下座は最も屈辱的な謝罪ということですかねぇ……)。
ところが、自分の信念を貫き、セロイはそれを絶対的に拒否し、結果、自分は退学となり、「長家」に勤めていた父までも退職処分に。さらに、グンウォンが起こしたひき逃げ事故により最愛の父は死亡。怒りに任せてグンウォンに暴力をふるったことから殺人未遂の罪で刑務所に収監されてしまったセロイ。その服役中に「長家」への復讐を決意、7年後、梨泰院で「タンバム」という小さな居酒屋を開店し、「長家」を超える一大チェーン店へとのし上がることを目標に、怒涛の復讐逆転劇の幕が切って落とされるというわけです。
ところが、自分の信念を貫き、セロイはそれを絶対的に拒否し、結果、自分は退学となり、「長家」に勤めていた父までも退職処分に。さらに、グンウォンが起こしたひき逃げ事故により最愛の父は死亡。怒りに任せてグンウォンに暴力をふるったことから殺人未遂の罪で刑務所に収監されてしまったセロイ。その服役中に「長家」への復讐を決意、7年後、梨泰院で「タンバム」という小さな居酒屋を開店し、「長家」を超える一大チェーン店へとのし上がることを目標に、怒涛の復讐逆転劇の幕が切って落とされるというわけです。
■Netflixオリジナルシリーズ『梨泰院クラス』独占配信中
②ヴィンチェンツォ
ソン・ジュンギが伊マフィア弁護士に扮し、韓国の巨悪財閥を相手に悪をもって悪を制するブラック・コメディ。監督は女性。くせあり登場人物との爆笑シーン×人間の残虐性が斬新。
■Netflixシリーズ『ヴィンチェンツォ』独占配信中
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③マイネーム: 偽りと復讐
父を殺されたヒロイン(ハン・ソヒ)が、犯罪組織のアンダーカバーとして警察に潜入し繰り広げられる復讐ノワールもの。体を張ったハン・ソヒに注目。
父を殺された少女が、復讐のために自ら犯罪組織に入り、父殺しの犯人がいるであろうと目される警察組織に警察官として潜入、緊張感あふれる復讐劇が展開するという内容。マニアからしてみれば、多分“ノワールあるある”のストーリーだてではありますが、胸えぐられるような「切なさ」を味わえる。
韓国最大の麻薬組織の幹部構成員である父を持つユン・ジウ(ハン・ソヒ)が、このノワール物語のヒロインです。父の逮捕に躍起となる刑事は、ジウが通う高校にも自宅にもピタリと張り付き、そのせいでジウは高校で激しいイジメに遭う毎日。そんな父でも、ジウにとっては一人きりの肉親。友人もなく世間からも阻害される孤独なジウを無条件に愛してくれる唯一の心の拠りどころなわけでして。ところが、ジウの誕生日。その愛する父は、扉ひとつ隔てたジウの目の前で何者かに殺害されてしまうのです。
韓国最大の麻薬組織の幹部構成員である父を持つユン・ジウ(ハン・ソヒ)が、このノワール物語のヒロインです。父の逮捕に躍起となる刑事は、ジウが通う高校にも自宅にもピタリと張り付き、そのせいでジウは高校で激しいイジメに遭う毎日。そんな父でも、ジウにとっては一人きりの肉親。友人もなく世間からも阻害される孤独なジウを無条件に愛してくれる唯一の心の拠りどころなわけでして。ところが、ジウの誕生日。その愛する父は、扉ひとつ隔てたジウの目の前で何者かに殺害されてしまうのです。
その犯人を探すために、ジウは迷うことなく父が所属していた組織に入るのですが、ここがまたスゴイ。殺伐とした訓練施設で、組織のなかでのし上がることしか頭にない粗野な荒くれ男たちにまみれながら、その世界で生き残るために日々肉体と精神をいじめ抜くという。もちろん、ジウの心は1mmも揺れることなく、全身傷だらけになりながら自分を鍛え上げていくのですが、そのスリムな肉体の攻撃力は、紅一点でありながら、ついに荒くれたちの頂点に立つまでに。
■Netflixシリーズ『マイネーム: 偽りと復讐』独占配信中
■Netflixシリーズ『マイネーム: 偽りと復讐』独占配信中
④ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜
高校時代に受けた、もはや犯罪以外の何者でもない凄惨極まるいじめ(熱したヘアアイロンを身体中に押し当てるという凄まじさなのですが、これ、実話に基づいたエピソード。)の加害者たちを、チェスの如く着々と追い詰めていく壮絶なる復讐劇。
復讐の相棒となる相手役を演じたのが、そう、イ・ドヒョン。大病院の後継者を約束された医師役なのですが、その育ち良さげ&誠実そうな見た目の奥には、実は父を殺されたという憎悪と復讐心を秘めている。ヒロインに惹かれながらも、白馬に乗った王子様にはならずに、一緒に剣舞を舞う処刑人としてひたすら支えるわけですが、そんな愛にギラギラしていない寄り添い感もまさにドヒョンにピッタリ。
どいつもこいつも、反吐を吐きたくなるほどのクズっぷりで、それをじわじわと貶めていくのは確かに痛快ではありますが、そうした個人的な報復に走るのではなく、そんな雑魚たちに直接手を下さずに、いじめを生み出す社会というか、もっと巨大な闇を相手に闘ってくれたら、と何度も思ってしまう。
■Netflixシリーズ「ザ・グローリー~輝かしき復讐~」独占配信中
どいつもこいつも、反吐を吐きたくなるほどのクズっぷりで、それをじわじわと貶めていくのは確かに痛快ではありますが、そうした個人的な報復に走るのではなく、そんな雑魚たちに直接手を下さずに、いじめを生み出す社会というか、もっと巨大な闇を相手に闘ってくれたら、と何度も思ってしまう。
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サスペンス
①カジノ
映画「オールド・ボーイ」をはじめ、その凄まじき“悪”の表現力で韓国映画界を牽引している一人。とはいえ、私は残虐シーンがあまり得意でなく、なおかつ、ノワールに流れる悪のロマン的な特別感が、なんだか逆にくすぐったくて(個人的見解です)、その手の映画をパスしがちなので、どちらかというとなじみ少なめな俳優さん。なのに、なのにです。今は、かなりなテンションで彼に夢中。
チェ・ミンシクが演じるのは東アジアでカジノ王へと昇りつめたチャ・ムシク(実在の人物がモデル)。舞台の中心となるのは、むせかえるような湿気と熱気に包まれるフィリピンなのですが、華やかなカジノの世界でありながら、取り仕切る人たちは当然ながら裏社会的立場のかたがたばかり。つまりは、“悪のロマン”の匂いがぷんぷんするわけなのですね。なのに、なんか違う。そう、苦手派の私がこれまで抱いていた雰囲気とは、ちょっとというかかなり違うのです。
チェ・ミンシクが演じるのは東アジアでカジノ王へと昇りつめたチャ・ムシク(実在の人物がモデル)。舞台の中心となるのは、むせかえるような湿気と熱気に包まれるフィリピンなのですが、華やかなカジノの世界でありながら、取り仕切る人たちは当然ながら裏社会的立場のかたがたばかり。つまりは、“悪のロマン”の匂いがぷんぷんするわけなのですね。なのに、なんか違う。そう、苦手派の私がこれまで抱いていた雰囲気とは、ちょっとというかかなり違うのです。
突然ですが、「賢い医師生活」というドラマを覚えていますか? ソウル大医学部出身の5人の医師の日常を描いた大ヒット作で、私的にも生涯トップ5にきっと入るであろう激愛ドラマなのですが、肝臓移植や、脳神経外科手術などなど、通常のドラマだったら、かなりドラマティックなタッチで描かれがちな生死をかけた手術シーンも「顔を洗いに行ってくる」みたいな日常的テンションで描かれていて、その軽やかなノリがなんとも洗練されているというか。それゆえにかえって彼らの誠実な倫理観がリアルに際立って、素直にジーンと感動させられるというか。
で、この「カジノ」です。もちろん「賢い〜」とは、似ても似つかないクライムドラマで、カジノ王チャ・ムシクの破天荒なその人生を描いていくわけですが、ラテン調の明るい音楽をアクセントに展開されるストーリーは、すんごいことが次々と起こっているにも関わらず、テンションはなぜか飄々と軽やか。ご飯食べに行くついでに人殺してきました的な。そう、彼らにとって勝つか負けるか、成功するか転落するか、生きるか死ぬかは、ごくごく当たり前の日常とでも言いましょうか。特別感を消し去ったクライムの日常感が、なんだか「賢い〜」の裏社会版みたいだなあ〜なんて(もちろん、全然別物ですが)。だからなのか、ムシクの飄々とした生き様が、かえってどんどんドラマチックに響いてきます。
そして、このムシク。ドラマ前半はムシクの生い立ちエピソードが挿入されながらカジノ王として昇りつめていくまでのストーリーが描かれていくのですが、とにかく機転がきくというか、たくましいというか。賭博師のDV父は刑務所暮らしが多いため、ムシクは孤児院に預けられるのですね、少年時代に。そこでシュンとならないのがこのムシクのムシクたるチャーミングなところ。
裏山に生息する蟻が漢方薬としてお金になると知れば、友だち誘って全身蟻に噛まれながらしっかりお金を稼ぎ、でもって、それでは欲しかったチキンが買えないとわかれば、そこにいた少年にじゃんけん勝負を持ちかけ、挙句にはすっからかん。でも、全然へこたれない。稼いだお金に瞳キラキラさせちゃう少年ムシクのなんと可愛らしいこと。で、腕っぷしも強く、校舎の屋上でタバコなんかふかしちゃうとんがり学生になっていくのだけれど、度胸はいいくせに淡泊で状況のなすがまま流されまくっちゃう青年時代のムシクがめちゃくちゃ愉快で魅力的。
裏山に生息する蟻が漢方薬としてお金になると知れば、友だち誘って全身蟻に噛まれながらしっかりお金を稼ぎ、でもって、それでは欲しかったチキンが買えないとわかれば、そこにいた少年にじゃんけん勝負を持ちかけ、挙句にはすっからかん。でも、全然へこたれない。稼いだお金に瞳キラキラさせちゃう少年ムシクのなんと可愛らしいこと。で、腕っぷしも強く、校舎の屋上でタバコなんかふかしちゃうとんがり学生になっていくのだけれど、度胸はいいくせに淡泊で状況のなすがまま流されまくっちゃう青年時代のムシクがめちゃくちゃ愉快で魅力的。
②ナルコの神
チェ・ミンシク同様、長きに渡り韓国映画界に君臨している大スター、ファン・ジョンミンとハ・ジョンウ。このドラマが配信されたのは昨年の秋でしたが、この二人が初共演するということで、かなり話題となった作品です。「カジノ」同様、実話ベースのクライムサスペンスで、こちらはかなり過激なシーンも出てきたりして、アラフィー女性には結構刺激的ではありますが、この共演はやっぱり観てほしいなあ、なんせ、マジで痺れますから。
舞台となるのは南米の小国スリナム共和国。エイを輸入して一儲けしようぜと親友に誘われ、ハ・ジョンウ扮するカン・イングがスリナムに単身赴任するところから始まります。順調に事業が進んでいたところに、中国マフィアの脅しが入り一大ピンチに。そんなイングを助けたのが、ファン・ジョンミン演じる牧師のヨファン。
舞台となるのは南米の小国スリナム共和国。エイを輸入して一儲けしようぜと親友に誘われ、ハ・ジョンウ扮するカン・イングがスリナムに単身赴任するところから始まります。順調に事業が進んでいたところに、中国マフィアの脅しが入り一大ピンチに。そんなイングを助けたのが、ファン・ジョンミン演じる牧師のヨファン。
ところが、数日後エイをのせた船から麻薬が見つかりイングは逮捕。実は、ヨファン牧師、'09年にブラジルで逮捕された実在する韓国人麻薬王がモデル。つまりイングは嵌められたわけなのですが、無実を主張するイングの前に国家情報院の男チャンホ(パク・ヘス)が現れ、潜入捜査の協力を要請されるのです。素人相手にホンマなのかいと思わずツッコミを入れたくなりますが、実話です。で、イングは何ごともなかったように装って再びヨファンに接触していく……というかなりスリリングな展開。
まるで映画な映像も、刺激的な展開もゾクゾクものでありますが、映画「国際市場で逢いましょう」でもまんまと泣かされてしまったファン・ジョンミンの、ヨンファが乗り移ったとしか思えない憑依型演技と、映画「神と共に」シリーズでも感動必至だった、ハ・ジョンウの内に熱い情熱を潜ませた自然体演技と。騙し通せるのかハ・ジョンウ、見破るのかファン・ジョンミンというジリジリした探り合いの応酬がもうたまらなく。
まるで映画な映像も、刺激的な展開もゾクゾクものでありますが、映画「国際市場で逢いましょう」でもまんまと泣かされてしまったファン・ジョンミンの、ヨンファが乗り移ったとしか思えない憑依型演技と、映画「神と共に」シリーズでも感動必至だった、ハ・ジョンウの内に熱い情熱を潜ませた自然体演技と。騙し通せるのかハ・ジョンウ、見破るのかファン・ジョンミンというジリジリした探り合いの応酬がもうたまらなく。
もちろん、今やグローバル俳優となったチャンホ役のパク・ヘスも、チンピラ男性弁護士に扮したユ・ヨンソクも、ヨンファの信頼高き部下の男ピョン・ギテ役のチョ・ウジンも、このドラマで演じ合っているのが嬉しくて堪らないというようなワクワク感さえ伝わる名演技。全6話なので、一気見もあっという間です。
■Netflixシリーズ「ナルコの神」独占配信中
■Netflixシリーズ「ナルコの神」独占配信中
③弁論をはじめます。
かのヒョンビンの名作「私の名前はキム・サムスン」でサムスンのライバル役としてブレイクした女優さん。もちろん、私もキュンキュンしながら視聴したはずなのですが、う〜ん、チョン・リョウォン、思い出せないゾ。
2000年に女性ダンスアイドルユニット“シャクラ”のメンバーとしてデビューし、女優としての活動は2002年からというから、もちろんかなりな中堅。‘18年の「油っこいロマンス」では、2PMのジュノとチャン・ヒョクの2人から愛されちゃうヒロイン役でも注目された、そう、私的には記憶薄めですが、今年42歳の“油っこい”ならず“脂のりきる”女優さんなのであります。
その彼女が主演したのがこのドラマ。ソウルの大手法律事務所「張山(チャンサン)」で勝訴率1位という剛腕なエース弁護士ノ・チャッキというのが彼女が演じる役どころ。幼い頃に父に捨てられ、「張山」のオーナー家の住み込み家政婦として働く祖母と一緒に育ったという過去が。そんな生い立ちを振り切るようにがむしゃらに突き進むチャッキですが、とあるミスから地方の国選弁護士として左遷させられたところから物語が展開します。
2000年に女性ダンスアイドルユニット“シャクラ”のメンバーとしてデビューし、女優としての活動は2002年からというから、もちろんかなりな中堅。‘18年の「油っこいロマンス」では、2PMのジュノとチャン・ヒョクの2人から愛されちゃうヒロイン役でも注目された、そう、私的には記憶薄めですが、今年42歳の“油っこい”ならず“脂のりきる”女優さんなのであります。
その彼女が主演したのがこのドラマ。ソウルの大手法律事務所「張山(チャンサン)」で勝訴率1位という剛腕なエース弁護士ノ・チャッキというのが彼女が演じる役どころ。幼い頃に父に捨てられ、「張山」のオーナー家の住み込み家政婦として働く祖母と一緒に育ったという過去が。そんな生い立ちを振り切るようにがむしゃらに突き進むチャッキですが、とあるミスから地方の国選弁護士として左遷させられたところから物語が展開します。
高層マンションにブランド三昧当たり前の、高慢きまわりなかったチャッキが、いきなり勝訴率わずか3%の国選弁護士に成り下がり、住まいも貧しい屋根部屋。弁護料6分で4万5千ウォン払えなかったら弁護しないと豪語していたのにも関わらず、国選弁護の依頼人はお金に縁がない弱者ばかり。最初はその弁護に心ここにあらずのチャッキではありますが、次第に弱者のために身を粉にして働きながら、本来の自分を取り戻していく姿が微笑ましく愉快で、かつ痛快。リョウォンの軽妙かつハートフルな演技力&存在感に今更ながらではありますが、完全に引き込まれてしまいます。
ドラマは、これらの案件が、やがてチャッキに関わる過去の事件と繋がっていき、ミステリーとしての面白さもどんどん増していくという流れ。チャッキの同僚、国選弁護士ジャ・シベク(イ・ギュヒョン)も、敵か味方か、いい人なのかはたまた……という怪しげな存在感で、ミステリーを盛り上げてくれます。ヒューマンドラマとしてもサスペンスとしても見応えありで、彼女の今後の作品は必ずチェックせねばと心に誓った次第。
■ディズニープラス スターで独占配信中
ドラマは、これらの案件が、やがてチャッキに関わる過去の事件と繋がっていき、ミステリーとしての面白さもどんどん増していくという流れ。チャッキの同僚、国選弁護士ジャ・シベク(イ・ギュヒョン)も、敵か味方か、いい人なのかはたまた……という怪しげな存在感で、ミステリーを盛り上げてくれます。ヒューマンドラマとしてもサスペンスとしても見応えありで、彼女の今後の作品は必ずチェックせねばと心に誓った次第。
■ディズニープラス スターで独占配信中
④車輪
芸能界デビューは1996年。3人の中では一番年上の45歳。そう、もはや我らがアラフィー世代です。近々では世界的に大ヒットした「地獄が呼んでいる」の弁護士役が記憶に新しいところですが、主役も脇役も幅広く手掛けつつ、時代劇あり、サスペンスあり、人間ドラマあり、ロマンスありと、どんなジャンルもこなす、品格・知性・清潔感を持ち合わせた正統派という印象。私的にも大好きな女優さんの一人ではあるのですが(「私たちが出会った奇跡」もよかったですね〜)、なぜか、名前をなかなか記憶しないという……。
そんなキム・ヒョンジュの最新作がこのドラマ。3つの作品の中では、テーマも展開もかなり重めです。主軸となるのが、倫理の授業でよく取り上げられる「トロッコ(トロリー)問題」。ある人を助けるために、他の人を犠牲にするのは許されるのか? 正解のないその難問をベースに、ドラマは“大義のためなら多少の犠牲は厭わない”という考え方の是非を鋭く問いかける内容です。
キム・ヒョンジュが演じるのは、政治家の妻キム・ヘジュ。夫のナム・ジュンド(パク・ヒスン)は弱者の立場になって政治を考える人権派の政治家で、ヘジュ自身は子供を育てながら、本を修理する修理師として仕事をしており、人が羨むような幸せな生活を送っているわけです。しかも、夫のジュンドは静かに暮らしたいというへジュの希望を受け入れ、へジュを表舞台に出さないようにしているという。
そんな充実した日々のへジュですが、ジュンドの前妻の息子であるジフン(チョン・テギョン)が突然、遺体となって漢江の川岸で見つかったことから事態が急速に展開していきます。折りしも、性犯罪者を断罪する新たな法案を立案中の夫のジュンドは、デジタル性暴力被害に遭い自殺した女性を擁護し容疑者を糾弾したことから今度は容疑者が自殺、窮地に立たされるという。その一方で、妻のヘジュにも人にはずっと秘密にしてきた、過去のとある自殺事件があり……。
人物のキャラ設定など細かい部分で多少不自然なところもありますが、ミステリー的な面白さはもちろん、控えめなへジュが、変わりゆく周囲の状況に翻弄されながらも次第に過去と今の真実に向き合いつつ、立ち向かっていく姿は心にじんじんと響きます。へジュの変わりゆく内面を繊細に緻密に演じたキム・ヒョンジュ、やっぱりチェック必須だったとつくづく。もちろん、その名前もしっかり記憶に刻みつけたのは言うまでもありません。
■Netflixシリーズ「車輪」独占配信中
そんなキム・ヒョンジュの最新作がこのドラマ。3つの作品の中では、テーマも展開もかなり重めです。主軸となるのが、倫理の授業でよく取り上げられる「トロッコ(トロリー)問題」。ある人を助けるために、他の人を犠牲にするのは許されるのか? 正解のないその難問をベースに、ドラマは“大義のためなら多少の犠牲は厭わない”という考え方の是非を鋭く問いかける内容です。
キム・ヒョンジュが演じるのは、政治家の妻キム・ヘジュ。夫のナム・ジュンド(パク・ヒスン)は弱者の立場になって政治を考える人権派の政治家で、ヘジュ自身は子供を育てながら、本を修理する修理師として仕事をしており、人が羨むような幸せな生活を送っているわけです。しかも、夫のジュンドは静かに暮らしたいというへジュの希望を受け入れ、へジュを表舞台に出さないようにしているという。
そんな充実した日々のへジュですが、ジュンドの前妻の息子であるジフン(チョン・テギョン)が突然、遺体となって漢江の川岸で見つかったことから事態が急速に展開していきます。折りしも、性犯罪者を断罪する新たな法案を立案中の夫のジュンドは、デジタル性暴力被害に遭い自殺した女性を擁護し容疑者を糾弾したことから今度は容疑者が自殺、窮地に立たされるという。その一方で、妻のヘジュにも人にはずっと秘密にしてきた、過去のとある自殺事件があり……。
人物のキャラ設定など細かい部分で多少不自然なところもありますが、ミステリー的な面白さはもちろん、控えめなへジュが、変わりゆく周囲の状況に翻弄されながらも次第に過去と今の真実に向き合いつつ、立ち向かっていく姿は心にじんじんと響きます。へジュの変わりゆく内面を繊細に緻密に演じたキム・ヒョンジュ、やっぱりチェック必須だったとつくづく。もちろん、その名前もしっかり記憶に刻みつけたのは言うまでもありません。
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⑤秘密の森2
韓国では令状の請求は検察しか行うことができないというルールが長年続いてきているのだそう。つまり、韓国においての捜査に関する権限は、圧倒的に検察が握っているということ。捜査権をめぐって、これまでの制度を改革しようと動く警察側とそれを阻止しようとする検察側。で、このドラマはその2者による対立を主軸に構成されているというのです。
物語は、主人公の検事シモク(チョ・スンウ)が霧の深い統営(トンヨン=釜山からバスで1時間ほどのところにある韓国のナポリと呼ばれる港町。シモクはこの町の地方検察庁に2年間赴任していたという設定)の夜の海岸で、規制線が切られているのを見かけたところから始まります(のっけから不安を煽るような深い霧に包まれた映像が印象的)。
気には留めたものの、そのまま別の約束の場へと向かったシモクですが、その現場で、酔っ払った2人の大学生が、規制線を超えて海岸に入り溺死するという事故が発生してしまうのです。
気には留めたものの、そのまま別の約束の場へと向かったシモクですが、その現場で、酔っ払った2人の大学生が、規制線を超えて海岸に入り溺死するという事故が発生してしまうのです。
ドラマは、検察と警察の対立に焦点を当てつつ、再会したシモクとハン刑事が、隠蔽された事件の真実を追うという形で展開。捜査権問題と事件と、それをめぐる人物たちのそれぞれの思惑が、複雑に絡み合いながら物語が進んでいくせいか、シモクよりも早く事件の真相を突き止めようと、必死で目を凝らし、耳をすませ、「そのミスリードには騙されないぞ」と細心の注意を払って見進めるものの、慎重をきたせばきたすほど、霧の深みにどんどんハマっていってしまう……、という構成力の緻密さは、シーズン1に引き続き、見応えずっしり(私の友人は、ドラマ途中でシモク以外は誰も信用できない!と叫んでおりました)。
一方、ペ・ドゥナ扮するハン刑事は、不正に対しては少しの妥協も許さず突き進む、人間味あふれる行動派。シモクとは違って、感情豊かでありながら、正義感の強さは人一倍で、今回は、所轄の刑事から警視庁へと出向したという微妙な立場で孤軍奮闘するのですが、そんなふたりだからこそ、霧の奥深くに隠されている本当の真実に辿り着けるという……。
■Netflixオリジナルシリーズ『秘密の森2』独占配信中
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⑥ビッグマウス
イ・ジョンソク除隊後初のドラマは得意のサスペンス。天才詐欺師ビッグマウスに仕立てられた三流弁護士を熱演。妻役ユナとの相性も◎。
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法廷
①未成年裁判
ずっしり重めドラマ好きならコレ。未成年犯罪を嫌悪する女性判事が、彼らの真実に向き合いながら裁判の厳しい現実に立ち向かう様を描く。主演のキム・ヘスのこまやかかつ力強い圧巻の演技にもぜひ注目を。
■Netflixシリーズ「未成年裁判」独占配信中
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②ドーベルマン
今、最も旬な俳優のひとりアン・ボヒョン初の主演作。韓国初の軍法廷を舞台としたサスペンスで、腐敗した軍組織と軍検事役ボヒョンの対決が見もの。
■CS放送・衛星劇場で放映中
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③ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-
韓国トップクラスの大手法律事務所「ソン&キム」の弁護士ユン・ヒジェ(チュ・ジフン)は最年少でパートナー弁護士となった超エリート。ソウル大学を首席で卒業し、家系も元大法院長の祖父、部長判事の父、同じく判事の兄という法曹界のサラブレッド。世間で話題の民情首席ホワイトスキャンダル(汚職事件)を無罪判決に持ち込むなど飛ぶ鳥を落とす勢いのヒジェですが、昼夜を問わず仕事に励む、かなりな努力家タイプでも。
そんな彼の唯一の憩いの時間は、仕事を終えて向かう午前5時半のコインランドリーでのひととき。国内トップクラスの財閥企業「イシュム」の代表の離婚訴訟を任されたヒジェは、ある時そのコインランドリーでひとり読書をする女(キム・ヘス)と出会います。この時間になぜ? と、興味を向けると、読んでいる本から何から何まで自分好み。運命の女性に巡り会えたとばかりに彼女の虜となるヒジェは、生まれて初めての“本気”の恋愛を成就させます。そんななか、離婚訴訟の裁判が開廷。ところが、そこに現れたのは、なんと“かの人”。運命の彼女はあろうことか訴訟相手の弁護士チョン・グムジャだったのです……。
そんな彼の唯一の憩いの時間は、仕事を終えて向かう午前5時半のコインランドリーでのひととき。国内トップクラスの財閥企業「イシュム」の代表の離婚訴訟を任されたヒジェは、ある時そのコインランドリーでひとり読書をする女(キム・ヘス)と出会います。この時間になぜ? と、興味を向けると、読んでいる本から何から何まで自分好み。運命の女性に巡り会えたとばかりに彼女の虜となるヒジェは、生まれて初めての“本気”の恋愛を成就させます。そんななか、離婚訴訟の裁判が開廷。ところが、そこに現れたのは、なんと“かの人”。運命の彼女はあろうことか訴訟相手の弁護士チョン・グムジャだったのです……。
知性と情報を駆使するエリート弁護士ヒジェと、相手の弱みを武器に畳みかけるハイエナ弁護士グムジャの、訴訟を巡って展開されるバトルがこのドラマ最大の見どころで、やるかやられるかの生き残りをかけたスリリングな攻防戦は、それだけでも見ていて痛快。さらに、ヒジェとグムジャの簡単にはすまされない男と女の複雑なる想いが絶妙に絡み合って、単なる法廷ドラマに終わらない見ごたえ深い作品に仕上がっているところがさすが。
■Netflixオリジナルシリーズ『ハイエナ -弁護士たちの生存ゲーム-』独占配信中
サバイバル・アクション・SF
①イカゲーム
人生崖っぷちの456人が繰り広げる負ければ即死の究極のサバイバルドラマ。貧困、差別など韓国社会が抱える社会問題をベースに描かれる人間ドラマが感動的。
■Netflixシリーズ『イカゲーム』独占配信中
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②ムービング
家族愛を描く特殊能力者が主役のSF大作
家族を守るために戦う特殊能力者の親子の愛を描く人気ウェブ漫画を原作に総製作費650億ウォンをかけてドラマ化。ジャンルを超えた壮大な物語は文句なしの大傑作。
■ディズニープラス スターにて全話独占配信中
[教えてくれた方]
ライター 山崎敦子さん
エクラ、シュプール、ハーパーズバザーなどウェブ中心にドラマやK-POPなど韓流エンタメについて執筆。仕事以外の時間は寝食削って韓流漬け。
ライター 小田 香さん
ブレーンライターとして『韓流ぴあ』に創刊から携わる。俳優取材などの仕事はもちろん、生活の大部分を韓国エンタメ鑑賞に費やして早20数年。
ライター 山崎敦子さん
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