手もとにたっぷりと重ねづけしたジュエリーがアイコンになっている安部真理子さん。彼女を惹きつけてやまない、ジュエリーの魅力に迫った。
今では、大好きなジュエリーが毎日の装いの主役になっています
ジュエリーベースでスタイリングを組むことが多いという安部さん。「素材も、ジュエリーが引っかからないものを選びます。ラフなタンクトップなど、カジュアルな要素を取り入れることでどこかに抜け感をつくるように意識しています」(アイテムはすべて私物)
私物のジュエリーボックス。上の箱はゴールド、左下はシルバー、右下はよく使うもので仕分け。「ストーンリングは、どれも水晶がベースのものばかり。私は”浄化”が必要なのかも(笑)」
くちばしの先にドロップダイヤを添えた鳥のリング。「中国の漆に描かれた鳥の絵から着想を得ました」
海外に行くと「自分ではつくらない」と思うジュエリーもつい買ってしまうそう
目に入る手もとに、好きなものを何層にもレイヤリング
いつもたくさんのジュエリーで彩られている安部さんの手もと。「その魅力に開眼したのは、20代のころだったと思います。当時働いていたセレクトショップで、インポートのジュエリーも扱っていたんです。欧米のブランドは、その文化背景から大きな色石に華やかな装飾が施されていたりして。小さな中に幻想的な世界が広がっていて、憧れでした」。
しかし、高価なジュエリーは当時は手が届かなかったという。「20代のころは工夫しておしゃれをしていましたが、30代になってぴたりとジュエリーをつけなくなった時期もありました(笑)」。「ないなら自分でつくればいい」と30代のころにジュエリーブランドを立ち上げた。「昔から、古いものや伝統工芸も大好きで。古い宝石やデッドストックの天然石が価値をもたずに見捨てられている事実を知って、それなら自分が使おうと。また、大好きな日本の伝統工芸や海外の文化をジュエリーにつめ込むこともあります」。安部さんのまとっているものは、いわば“心がときめくもののかたまり”だ。
「ジュエリーは、おしゃれのスイッチを入れてくれるものであり、お守りのようなものでもあります。天然石にはそれぞれ意味や効果があるとされていますが、その日ふと選んだものが自分にとって必要なもののこともある。そういうところもおもしろいですね」
「寿命やサイクルがあるファッションと違い、ひとつのものを長く愛せるのも素敵」と安部さん。ブレない“好き”を重ねた手もとが、彼女らしいスタイルの核になっている。
あべ まりこ●セレクトショップのMD、バイヤーを経て、現在はジュエリーブランド「シャランポワ」と「アドリン ヒュー」のデザインとディレクションを手がける。
撮影/生田昌士(hannah) ※エクラ2026年7・8月合併号掲載