豊かな自然と上質な空間。岩手・小岩井農場の一角に誕生したホテル「Azuma Farm Koiwai」へ作家・柚月裕子さんがステイ

作家・柚月裕子さんが、日本再発見の旅へ。訪れたのは、自身の出身地でもある岩手県に、2026年4月に誕生したホテル「Azuma Farm Koiwai」。

Azuma Farm Koiwai

’26年4月、岩手・小岩井農場の一角に開業したラグジュアリーリゾートホテル。世界的なホテリエ、エイドリアン・ゼッカが瀬戸内海の「Azumi Setoda」の次に立ち上げた新ブランド「Azuma Farm」の第1号施設。「A Down to Earth Farm Stay(大地を感じるファームステイ)」をコンセプトに、土地の風土や食、文化に深く触れる滞在をかなえる。小岩井農場を基点に、ホースバックライディングやネイチャーツアー、チャグチャグ馬コ体験、南部鉄器のクラフト体験など、東北の魅力を体感できる多彩なアクティビティも用意している。

岩手県出身の文学者、宮沢賢治は小岩井農場を愛したひとり。

岩手県出身の文学者、宮沢賢治は小岩井農場を愛したひとり。ホテルの設計思想も自然を宇宙的な視点で見つめた賢治の作品世界と重ね合わせている。柚月さんが手にとるのは客室に置かれた宮沢賢治の絵本

プライベートサウナ棟。計3棟あり、定員各3名。利用料金は2時間で¥55,000 

プライベートサウナ棟。計3棟あり、定員各3名。利用料金は2時間で¥55,000 

レストランでは南部鉄器をはじめ、地元作家の陶器やカゴなどを使用し、東北の手仕事の美しさを食卓にさりげなく織り込んでいる 

レストランでは南部鉄器をはじめ、地元作家の陶器やカゴなどを使用し、東北の手仕事の美しさを食卓にさりげなく織り込んでいる 

施設内の随所に、岩手山にかかる雲をイメージした提灯照明が

施設内の随所に、岩手山にかかる雲をイメージした提灯照明が

ホテルの玄関をくぐると開放的なラウンジが迎える。

ホテルの玄関をくぐると開放的なラウンジが迎える。小岩井農場の牛舎建築にも通じるシザーズ構造を採用。交差する木組みがのびやかな天井を描き、大きな窓の向こうには森や牧草地の風景が広がる。朝・夕食はラウンジに連結するレストランでいただく

客室はすべて独立したヴィラタイプで全24棟。

客室はすべて独立したヴィラタイプで全24棟。土壁には小岩井農場の牧草を練り込み、木材にも地場の素材を用いるなど、自然との共生を掲げる哲学が随所に息づく。スタンダードタイプの「フォレストヴィラ」でも65㎡の広さ。四方の窓から光と風をたっぷりと招き入れる開放的な空間だ

フレンチベースの洋食

料理は、旬の地元食材を主役にしたフレンチベースの洋食(連泊者には和食もあり)。夕食はアミューズからデザートまでコース仕立てだが、好みに合わせて料理やポーションを自由に選べる。ワゴンで供される前菜には、三陸産ホタテとアスパラガスのマリネ、岩手県産豚肉の生ハム、雫石産の山菜と空豆のサラダ、八幡平サーモンのミキュイなどが並ぶ。朝食は和・洋食を選べ、紫波町の地養卵を使った卵料理をはじめ、小岩井農場のプレミアム牛から搾った低温殺菌牛乳やヨーグルトなど、生産地ならではの新鮮な味わいを堪能できる

夕食のメイン料理のひとつ、短角牛のLボーンステーキ。

夕食のメイン料理のひとつ、短角牛のLボーンステーキ。ほかに石黒農場のほろほろ鳥のロースト、三陸産鮮魚の包み焼、小岩井発酵バターと雫石産野菜の煮込みなど生命力感じる地元食材を味わえる。一関出身の小山良孝シェフが腕をふるう。紫波産ワインや花巻産シードル、地元銘柄の日本酒などお酒も本格派

観光地として人気の小岩井農場まきば園はホテルから車で約10分。

観光地として人気の小岩井農場まきば園はホテルから車で約10分。

上丸牛舎群

農場内の21の建物が国の重要文化財に指定されており、そのひとつ、上丸牛舎群(写真はその一部)には約300頭が暮らす現役の牛舎や日本最古といわれるサイロ(倉庫)も

Data
岩手県岩手郡雫石町丸谷地68の77
☎050・4561・5182
2名1室¥235,400~
飲食料金、館内アクティビティ等を含むオールインクルーシブ(ランチ、プライベートサウナ、一部ドリンク、館外アクティビティは別料金)
https://azumafarms.com/ja/

作家 柚月裕子
柚月裕子
作家
柚月裕子
作家

ゆづき ゆうこ●’68年、岩手県生まれ。’08年、『臨床真理』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。’13年『検事の本懐』で大藪春彦賞、’16年『孤狼の血』で日本推理作家協会賞を受賞。ほかに『最後の証人』『検事の死命』『朽ちないサクラ』『慈雨』『盤上の向日葵』『狂犬の眼』『暴虎の牙』『ミカエルの鼓動』『教誨』『風に立つ』『逃亡者は北へ向かう』など著書多数。

撮影/HAL KUZUYA ヘア&メイク/茂手山貴子 ※エクラ2026年9月号掲載

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