【お墓どうする?】故人を身近に感じる「手元供養」を求める人が増加中

自分のお墓のこと、考えていますか?最近ではさまざまなお墓があり、お墓を持たずない「手元供養」も普及していきているといいます。選択肢が増えてきている最新のお墓事情について、専門家にお話を聞きました。
教えてくれたのは…

シニア生活文化研究所所長 小谷みどりさん

第一生命経済研究所を経て、’19年から現職。著書に『お墓どうしたら?事典』(つちや書店)、『没イチ パートナーを亡くしてからの生き方』(新潮社)など。

鎌倉新書「いいお墓」担当 藤田吉雄さん

お墓の基礎知識から全国の墓地情報まで提供する、日本最大級のお墓検索サイト「いいお墓」(https://www.e-ohaka.com)担当。

承継者問題の解決策としても注目されている

「遺骨の一部もしくはすべてを自宅に安置する手元供養は、昔から行われていました。法律上、遺骨を納められるのは墓地のみですが、自宅に安置するぶんには問題ありません。ただ、以前はお墓をもっている人たちが、『故人を身近に感じたい』という思いで、遺骨の一部を手元供養するケースが多かったと思います。でも最近は、お墓をもたないための選択肢のひとつとしてとらえられているようです」(小谷さん)

手元供養

手元供養の普及に伴って、骨壺も、装飾が描かれた小物入れタイプやゴルフボールのようなユニークな形状のものなど、リビングなどに置いておいても違和感のないデザインのものが増加。また、遺骨をロケットペンダントに入れるなど、身につけられるかたちで供養する方法もあり、遺骨をほかの石と一緒に溶解して人工宝石に変え、ペンダントやリングを作製することも可能だという。

「承継者がいないかたが、家族を手元供養にし、自分の死後は、それらの遺骨と合わせて海洋散骨を希望するというケースもあります」(藤田さん)

 選択肢がぐっと増えたお墓事情。メリット・デメリットをしっかり検討し、最適なものを選びたい。

手元供養

「手元供養サロン TOMONi」(https://www.towani-tomoni.com/)では遺骨を樹脂で硬化して作るネックレス(右/K18YG、K18PG ¥86,000〜)やリング(左/K18YG、K18PG ¥149,000〜)などを多く扱う。

<メリット>

●故人を身近に感じられる

●お墓参りに行く必要がない

●お墓を建てなくて済むぶん、費用が抑えられる

●承継者問題の解決策としても活用できる

●遺骨を分散できるので、親族それぞれが手元供養することも可能

<デメリット>

●アクセサリーにした場合、紛失する危険性がある

●供養していた人が亡くなったあとはどうするか決めておかないと、遺族間でもめる可能性も

●「納骨しないと成仏できない」と考える人もいるなど、理解を得られないケースもある

<価格帯>

約3000円~50万円

骨壺は、材質やデザイン、大きさによって数千円~数万円、ロケットペンダントは1万円~10万円が相場。遺骨ダイヤモンドは比較的高く、数十万円にも。

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