インターネットやSNS上でのフェイクニュースやデマの拡散。日々さらされるその危険から自分を、身近な人々を守るために今、私たちにできることは? 情報リテラシーの専門家、ジャーナリストの下村健一さんが教えてくれた、4つの疑問「ソ」「ウ」「カ」「ナ」?とは。
教えてくれたのは
しもむら けんいち●’60年生まれ。白鷗大学特任教授。著書に『窓をひろげて考えよう』(かもがわ出版)、『想像力のスイッチを入れよう』(光村図書・小5国語教科書)など。ブログ『デマにブレないスイスイスイッチ!』を発信中。
1=「ソ」ク判断するな
まだ、わからないよね?
「すごい情報だ!」「これは新しい!」と感じたものを発見すると、つい誰かに知らせたくなり、反射的にリポストや「いいね」をしてしまいがち。そんなとき、まず自分に投げかけてほしいのがこのフレーズだ、と下村さん。
「どんな情報も、正しいかそうでないかを吟味するまでは自分の中で保留し、安易に拡散しないこと。簡単そうですが、実はこれが一番むずかしいんです。誤情報を流さないためには『一』旦『止』めるが『正』しい、と覚えてください」。
2=「ウ」のみにするな
意見・印象じゃないかな?
一見もっともらしく感じられるけど、実は単なる意見だったり、一方的な印象だったりするのかも? 立ち止まってそう考えられるようになれば、情報リテラシーの第2段階はクリア。
「世の中には絶対に正しい答えがひとつあると信じたいかもしれませんが、科学の世界はそうでも人間の社会はそうじゃない。情報を鵜のみにして○か×か、白か黒かを『カチカチスイッチ』で決めるのではなく、グラデーションのある『スイスイスイッチ』で判断しましょう」。
3=「カ」タ寄るな
ほかの見え方はないかな?
情報を吟味するには……
1.立場 を変える
2.角度 を変える
3.順序 を変える 等々
次に、保留した情報を、立場を変えたり、眺める角度を変えたり、情報の順序を入れ替えたりしながら吟味する。すると、第一印象のときとはきっと情報の見え方が変わるはず。
さらに、SNSで自分と似た意見の人々の情報が次々流れ込んで見方が固定されてしまう「エコーチェンバー現象」に陥らないためには、「苦手だと感じる考え方の人をあえてフォローして情報を取り入れたり、その意見に『いいね』をつけてアルゴリズムに穴をあける手もあります」。
4=「ナ」カだけ見るな
隠れているものはないかな?
情報はここをチェック!
1.発信した「人」
2.発信された「時」
3.発信「元」
4.「ほかの人」 の発信
誰が発信したのか。いつ発信されたか。その情報に根拠はあるか。加えて「何が書かれていないか」「ほかの人はどういっているのか」と、スポットライトの外に目を向けるのも、フェイクニュースに惑わされないために必要なステップ。
「検索をしたら、上位3本ではなく、毛色の違う3本の記事を読んだり、『トイレットペーパー 足りない』ではなく『トイレットペーパー ある』のように、正反対のキーワードで“裏検索”してみたりするのも、いい方法です」。
撮影/越野夕也 取材・原文/大谷道子 ※エクラ2026年7・8月合併号掲載