中国EV最大手の「BYD」が、日本市場のために開発した初の軽自動車「RACCO(ラッコ)」の乗り心地は?【まるも亜希子さんの試乗体験ルポ】

【マダムの“ぐっとくるクルマ”試乗 vol.14】
カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さんによる試乗体験ルポ。今回は、中国発EVメーカーのBYDから新登場した、話題の軽EV(電気自動車)をお試し。

カーライフ・ジャーナリスト まるも亜希子
まるも亜希子
カーライフ・ジャーナリスト
まるも亜希子
カーライフ・ジャーナリスト
「クルマのある毎日のリアル」をイチ生活者の視点から、メディアで届けるカーライフ・ジャーナリスト。イベントのMCも務め、フレンドリーなキャラから「業界の笑い袋」の異名をとる。女性ドライバーをはじめ運転しない人にも伝わりやすい「今日からできる交通安全」をテーマに、交通安全応援ユニット「OKISHU」(オキシュー)としても活動中。2004年、2005年、サハラ砂漠ラリー完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

話題沸騰、前代未聞! それが、海の向こうからやってきた軽自動車のEV、BYDの「RACCO(ラッコ)」です。

BYDは海外メーカーとして初めて、日本独自の規格である軽自動車を日本専用として開発。実際に日本の人たちがどんなクルマの使い方をしているのか、スーパーマーケットや駅前、家族の送迎といった生活圏から、高速道路のSAなどのさまざまなシーンを観察し、軽自動車の中でも両側スライドドアで背の高い「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるパッケージでEVにすることを決断したのだそう。

まるも亜希子さんが試乗するBYD RACCO(ラッコ)の外観、スライドドア

でも軽自動車のボディサイズにEVの大容量バッテリーやシステムを搭載しつつ、広大な室内空間や乗用車としての快適性を実現するのは、日本の自動車メーカーも苦戦しているほど大変なことです。BYDはすでに上級モデルで定評のある、耐久性や安全性に優れるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーと、そのバッテリーを車体構造の一部として組み込むことで、しっかりとした剛性のある骨格にする技術を搭載。さらに、ラッコ向けにEVシステムをコンパクトに搭載できる新技術を開発して、軽自動車でも一充電あたりの航続距離、最大320kmを達成しています。

まるも亜希子さんが試乗するBYD RACCO(ラッコ)のフロント外観
まるも亜希子さんが試乗するBYD RACCO(ラッコ)の外観、横から

デザインは、とっても個性的。BYDのエクステリアデザインを取り仕切っているのは、もともとアルファロメオやアウディのデザイナーとして活躍していたウォルフガング・ヨゼフ・エッガーさん。ラッコという名前のとおり、全体的にはどこか愛嬌があって親しみやすい印象。その一方で、BYDはデザインに海洋美学を取り入れていて、よく見ると先進的なモチーフが散りばめられているんです。リアの小窓にはラッコの尾ひれを思わせるようなモチーフ、LEDテールランプには水滴をイメージしたライン……など、オーナーになって毎日乗ると、また新たな発見があるかもしれないですね。

まるも亜希子さんが試乗するBYD RACCO(ラッコ)の内観、窓
まるも亜希子さんが試乗するBYD RACCO(ラッコ)の内観、レザーシート

そしてインテリアはとってもモダン。レザーの豪華なシート、保温機能があるドリンクホルダーに加え、ダッシュボードから浮いているような10.1インチの大型センターディスプレイは、OTAでソフトウェアのアップデートができるので買ってからもずっと最新の機能が維持できるのが嬉しいところです。スマホにBYDアプリを入れておけばスマホがキー代わりになったり、キーを持ったまま車両に近づくと地面に丸いライトが照射され、そこに足を置くだけで自動でスライドドアが開くというのも楽しい演出です(手でスイッチを押しても開きます)。

まるも亜希子さんが試乗するBYD RACCO(ラッコ)の内観

そのうえ、収納スペースや便利な装備が満載で、シートアレンジも多彩。後席には左右にドリンクホルダー&小物ポケット、センターアームレストや窓のサンシェードはもちろん、水滴の受け皿が用意されたアンブレラホルダーまで装備されるところにビックリです。シートアレンジは後席が5:5分割で20cmの前後スライド、2段階のリクライニング、ダイブダウンでフラットにできるほか、前席の背もたれをフラットに倒すことができ、ベッドのように早替わり。充電中の休憩や車中泊にも適しています。さらに、後席の座面を畳んで格納でき、大きな荷物を後席スペースに積むことも可能となっています。

まるも亜希子さんが試乗するBYD RACCO(ラッコ)の内観

ラッコには3つのグレードがあり、バッテリー容量が22.4kWhで航続距離が210km(国土交通省審査値)のエントリーグレード「200」と、バッテリー容量が35.84kWhで航続距離が320km(国土交通省審査値)となる中間グレードの「300Plus」、最上級グレードの「300Premium」。屋外レジャーなどで電気製品が使えるV2Lと、家庭の電源として使えるV2Hは全車標準装備となりますが、充電能力は「200」のみ普通充電が3kW、急速充電が35kW、そのほかは普通充電が6kW、急速充電は50kWとなっています。

まるも亜希子さんとBYD RACCO(ラッコ)

試乗したのは最上級グレードの「300Premium」で、シートは座った瞬間にはフカっとした柔らかさがありながら、走り出すとしっかりと支えてくれる安心感があります。スタートボタンを押したり、シフトレバーを操作したりすると、チャポン、ポチャッといった海や水を思わせるさまざまな音がなる演出も、ラッコの世界を感じさせてくれます。走り出しからしっかりとした安定感があり、余裕たっぷりでなめらかに加速していく上質感は驚くほど。ややロードノイズや振動があってタイヤの性能が少し惜しいと感じたところですが、それは今後アップデートしていく可能性もあるということでした。

日本の冬道でテストを行なってきたという「SNOW」モードがあり、安全装備についても、万が一の際に直接的に命に関わるような装備、例えばカーテンエアバッグやシートベルトプリテンショナー、事故自動緊急通報装置といったものはエントリーグレードから全車に標準装備。「300Plus」、「300Premium」には幼児置き去り検知機能が装備されます。

まるも亜希子さんが試乗するBYD RACCO(ラッコ)の外観

軽自動車サイズの運転しやすいEVを探している人、低予算でコスパのいいEVを探している人、小さくても最先端の装備が手に入るクルマを探している人に、ラッコはぴったりな1台です。

●BYD RACCO(ラッコ)
全長×全幅×全高:3,395 × 1,475 × 1,800 mm
乗車定員:4名
価格:RACCO 200 ¥2,145,000
   RACCO 300 Plus ¥2,398,000
   RACCO 300 Premium ¥2,497,000  

BYD「RACCO」公式サイト
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