【マダムの“ぐっとくるクルマ”試乗 vol.15】
カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さんによる試乗体験ルポ。今回は、BMWの次世代電動SUV「iX3」をお試し。
ここから始まるまったく新しいBMWを意味する、「ノイエ・クラッセ」(ドイツ語で「新しいクラス」)。モダンでタイムレスな新時代のデザインを採用しているだけでなく、私たちの目には見えない内側のシステムががらりと入れ替わり、快適性や安全性、ドライブを豊かにする機能が、この先数十年後の未来を見据えた進化を遂げています。
今回ご紹介するSUV電気自動車「BMW iX3」は、そんな「ノイエ・クラッセ」の第1弾モデルとして誕生しました。
一充電での走行距離はなんと、906km。これは現時点で国内No.1の長さです。充電性能もアップして、これから普及が進むといわれている高性能な急速充電器なら、わずか15分の充電で約420kmの走行が可能となる、一歩進んだ電気自動車となっています。
実際に乗ってみると、そこかしこにiX3の内側の進化を感じることができます。
最初に驚くのは、運転席に座ると目の前に従来のメーターパネルがなく、フロントガラスとダッシュボードの間に110cmにわたって細長い43.3インチの「BMWパノラミック・ビジョン」が備わっていること。シフトポジションやスピードメーター、電池残量と走行可能距離、進行方向の向きや天気・気温といった情報がアイコンのように見やすく並んでいて、その中央にいるのはもしや、アイコン化されたスパイダーマン? 映画の最新作でコラボしているんですよね。
そして、助手席との間に配置されたセンター・ディスプレイはちょっと個性的なかたちをしています。ドライバー側に17.5°傾けたことによって、タッチ操作がしやすくなっているのも嬉しい気遣い。インパネはバックライト付きファブリック素材を採用していて、ディスプレイや照明、サウンドなどのデジタル体験を交えながら、直感的な使いやすさと没入感の高さを考えてくれている、モダンなインテリアです。
試乗車のハンドルやシートはホワイト。ルーフには大きなパノラマ・ガラス・サンルーフが開放的な室内空間をつくり、パッと華やぐ雰囲気にテンションがあがります。シートのクッションももちもちとした弾力で、立体的な座面やシートバックがゆったりと身体を受け止めてくれる座り心地。後席も余裕のスペースで、包み込まれるような安心感があると感じました。
さぁ走りだそうとスタートボタンを探しても、iX3にはありません。いきなりシフトレバーを「D」に入れて、あとはアクセルを踏み込んでいくだけ。とても落ち着きがあってなめらかな加速がはじまり、いつもの道路が「舗装し直した?」と感じるほど良くなっているような乗り心地に感心します。まさに目に見えない部分の大きな進化によるもので、BMW初採用となる種類のモーターや、クルマが走るために必要な制御の仕方などが、BMW史上最高と呼べるほど優れているのだそう。これは今後も継続的にアップグレードされていくといいます。
ボディサイズは全長が4.78m、全幅が1.895mと、日本の道路環境ではギリギリ扱いに困らないくらいの大きさがありますが、水平基調の視界やちょうど目線の先に入る「BMWパノラミック・ビジョン」のおかげなのか、車両感覚がつかみやすく運転しやすいと感じました。もちろん、クルマの周囲360°の画像がすぐに確認できたり、高性能カメラ&レーダー、高性能プロセッサーを使った高い解析能力を持つ最先端の運転支援システムが標準装備。ペダル踏み間違いなどのうっかりミスによる事故防止の安全機能も充実しています。
そして、高速道路を使ってロングドライブをすることが多い人にも朗報。一定の条件下で130km/hまでハンドルやペダルから手足を離して走行できたり、ドアミラーを見るだけで自動で車線変更をしてくれるなど、まるでアシスタントがついてくれているような驚きの運転支援システム「ハイウェイ・アシスト」(※)が標準装備となっています。
※「ハイウェイ・アシスト」は、2026年11月以降に利用可能となる予定。利用するにあたり、車両のソフトウェアのアップデートが必要となる場合があります。
ハンドル内には、そのときの走行状況で使える機能のボタンが点灯する表示「シャイ・テック」が。
iX3は家庭に電力を供給できるV2H、屋外で電気製品を使うことができるV2Lにも対応しているので、万が一の災害時の備えやアウトドアレジャーの便利な電源としても重宝する1台。また、3年間の主要メンテナンス、タイヤやキーの破損・紛失などが無償でサポートされる「BMWサービス・イングルーシブ・プラス」が標準装備されているのも安心です。
BMW iX3は新しくなったワクワクと同じくらい、安心感も増えていると感じた電気自動車でした。
●BMW iX3[50 xDrive]
全長×全幅×全高:4,780×1,895×1,635mm
乗車定員:5名
一充電走行距離:906km(WLTCモード・国土交通省審査値)
価格:¥9,820,000
合わせて読みたい
「マダムの“ぐっとくるクルマ”試乗」関連記事